白露型姉妹とは (シラツユガタシマイとは) [単語記事]

白露型姉妹とは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん～艦これ』に登場する、大日本帝国海軍所属の白露型駆逐艦をモチーフにした艦娘（かんむす）達の総称である。
ただし、公式名称（呼称）ではないので注意されたし。

概要

傑作と呼ばれた特型駆逐艦は、ロンドン軍縮条約によって建造に制限を受けることになった^[1]。
ならば、とばかりに日本海軍は、条約に制限を受けない大きさの艦に特型なみの武装を施した駆逐艦を造り上げた。これが初春型駆逐艦である。
しかし、世の中そんなに甘いものではなく、初春型駆逐艦は小さな艦体に重武装を施し、当時まだ未熟な技術だった電気溶接を多用したため、舵を切っただけで転覆しかけ、海が荒れると壊れてしまうという本末転倒振り。そこで、当初12隻作る予定だったのを、そのとき既に作り始めていた6隻までで一旦止め、残りの6隻については再設計をすることになった。
こうして生まれたのが白露型駆逐艦であり、結果から言えばこの白露型は10隻が建造された。
初春型と白露型の両方合わせて16隻は、ロンドン条約に合わせるために建造されたという意味で、条約型駆逐艦とも呼ぶことがある^[2]。
また、白露型7番艦の「海風」以降はさらに改修したため、7番艦以降を「海風型」もしくは「改白露型」と分類することもある^[3]。

しかし、日本海軍の特性として、活躍する舞台が広大な太平洋であることが想定され、そのために長距離航行能力が問われ、小さな艦体ではおのずと限界があった。また、同じく小さな艦体では搭載できる武装も限られてしまう（むしろこっちが問題である）。
このため、ちょうどロンドン条約が期限切れになることもあり、日本海軍は20隻造る予定だった白露型の建造を10隻で打ち切り、さらに大型の朝潮型駆逐艦へ移行していく。

そして始まった太平洋戦争にて、白露型駆逐艦10隻は、1942年6月の「山風」から1945年1月の「時雨」まで、僅か2年半余りで10隻すべてが戦没した。

さて、『艦これ』では、白露型駆逐艦は全10隻が実装済みである。このうち6隻はサービス開始時から実装されており、6番艦「五月雨」はプレイヤーが最初に選択出来る5人の艦娘のうちの1人である。
なお、実装開始時点で全員揃っていた暁型を除けば、この白露型が初の「駆逐艦の同型艦コンプリート」となった。

性能的には、「改」までの時点では他の駆逐艦とそこまでの差がなく、どんぐりの背比べだが、「改二」が実装された「夕立」「時雨」「江風」はいずれも高性能であり、難所を攻略するときのお供に欠かせないと言っても良い。特に「夕立改二」は素の火力は巡洋艦をも凌駕しており、もはや駆逐艦という名の何かである。
ビジュアルでは、1番艦「白露」から5番艦「春雨」まで、及び7番艦「海風」から9番艦「江風」を担当した玖条イチソ氏と6番艦「五月雨」及び10番艦「涼風」を担当した雨宮千遥氏の2人の絵師によって担当されており、それぞれで制服が統一されている（「海風」「山風」「江風」は「白露」系に「五月雨」系のエッセンスを加えた感）。特に「白露」から「夕立」までの4人は、一般的にロリっぽい駆逐艦勢の中でも割と大人っぽく、JK駆逐艦とも呼ばれている。
また、前期白露型の艦名が雨から取られていることからか、梅雨時になると元気になるという設定があるようで、各艦娘の梅雨の限定ボイスにその言及がある。

入手難易度は、後に実装された「春雨」「海風」「江風」「山風」以外はコモン駆逐艦であり、割と手軽に入手できる（初期艦の「五月雨」とネームシップの「白露」がやや出にくいようだが、そこまで出ないわけでもない）。
なお「春雨」は6-3のボスドロップのみ、「江風」は2-5のボスドロップのみと入手難易度が高い。「海風」に至っては現時点で最終マップである6-5のボスのみで最も難易度が高く、今や陽炎型に次ぎ、夕雲型と同等程度にコンプリートが難しい艦種になっている。「山風」は現時点でイベントのみの登場。

ちなみに10人の白露型姉妹のうち8人が華の二水戦経験者である。未経験の2人は誰かというと、ちょっと意外だが「村雨」と「夕立」だったりする（この2人はそれぞれ沈むまで四水戦だった）。
※ただし、「山風」は書類上のみの所属（所属していた24駆は「山風」が沈没後・除籍前のタイミングで二水戦に編入されたため）。

同型艦の艦娘

ここでは、白露型駆逐艦娘全員を記述してみる。

1番艦　白露（しらつゆ）

「もっちろん！あたしが一番に決まってるじゃない！ねぇ？」

CV：谷邊由美　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の長女にして、茶色のショートへアに黄色（グラフィックによっては赤）いカチューシャの似合う、「一番」にこだわりをみせるアホの子元気っ子。何気に、こういうからっとした元気っ子は白露型では貴重だったりする。
2013年11月に改のイラストが差し替えられた。また2015年6月末には初夏の季節限定グラフィックが、2016年6月にはAndroid版先行運用開始記念の携帯mode限定グラフィックが実装されている。ちなみに胸部装甲の大きさは、残念ながら姉妹で一番では無かった。

詳しくはこちら→白露(艦これ)

2番艦　時雨（しぐれ）

「この勝利、僕の力なんて些細なものさ。この雨と･･･そう、提督のおかげだよ。」

CV：谷邊由美　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の物静かな次女。かの雪風と並び「佐世保の時雨」の二つ名を持つ幸運艦で、西村艦隊で唯一生き残ったエピソードで知られている。
その武勲から、2013年10月に「夕立」に続いて改二が実装された。幸運艦の名に恥じない高い運が特徴。
艦これでは眼鏡っ子より希少な僕っ子の一人でもある。また、2014年のクリスマス時期にはサンタ姿を、2015年バレンタイン時期にはエプロン姿、2015年7月のアップデートで姉の「白露」に続いて水着姿が、2016年3月には牛丼modeが、と限定グラフィックも多く実装されている（現在はいずれも図鑑の「改二」の項(No.145)で参照可能）。大きめの砲身を背中に背負ってるところから「ガンキャノン」とか呼ばれたこともあったが、絵師自ら「あれは手に持って撃つものだ」と説明したこともあり、最近はあまりそのようには呼ばれなくなった模様。改二は担当絵師曰く「忠犬のイメージ」だが、忠犬キャラは「朝潮」と被るのが悩みどころか。ファンの間からは「大天使時雨」とも呼ばれる。

2016年3月、外食チェーン『すき屋』のコラボイベントに参加。2013年12月にファミリーマートのコラボ出演した夕立以来二人目になる（上記の「牛丼mode」がそれ）

公式二次創作を問わず同型艦で同じく改二が実装されている夕立とペアで扱われることが非常に多いが、史実でペアを組んでいたのはむしろ同じ二七駆に在籍していた白露である。

詳しくはこちら→時雨(艦これ)

3番艦　村雨（むらさめ）

「艦隊が勝利できてよかったです。白露型駆逐艦の力、あなどれないでしょ？」

CV：谷邊由美　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹のちょっと色っぽい三女。ツインテールの似合うお洒落さんだが、いまいち地味とか言われてしまうことも。ただ根強いファン層がいるのも事実。大人っぽいのは、史実で第二駆逐隊の司令艦を勤めていたところからか？（「由良」の沈没直後、臨時にだが四水戦の旗艦を勤めたこともある）　ちなみに二駆では五月雨と第一小隊を組んでいた。
2013年12月のアップデートで、改の絵が新規絵に差し替えられているが、その新規絵では錨を繋いだ鎖を手からぶら下げており、意外と武闘派であることが明らかにされた。また、2015年5月末には梅雨の季節限定グラフィックが、続く同年6月末には初夏の季節限定グラフィックが、さらに同年10月初旬からは秋の季節限定グラフィックが実装されている。ファンからは、「謎の村雨嬢」という愛称で呼ばれることも。

詳しくはこちら→村雨(艦これ)

4番艦　夕立（ゆうだち／ゆふだち）

「夕立ったら、結構頑張ったっぽい！？提督さん、褒めて褒めて～！」

CV：谷邊由美　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の四女にして、白露型を代表するキャラクターといえる。なんといっても史実での第三次ソロモン海戦での大暴れが印象的であり、艦これでは「ソロモンの悪夢」と自称している。
その武勲によって、2013年10月のアップデートにて改二が実装され、グラフィックも一新。もはや改以前とは別人めいているが、口調は相変わらずである。担当絵師自ら「狂犬（のイメージ）」と呼んだためか、口癖と合わせて「ぽいぬ」と呼ばれる事も。
2015年正月には、時期限定でお洒落な着物姿が実装されてたっぽい！2015年7月のアップデートでは水着姿が実装されたっぽい！沢山食べ過ぎでお腹が心配っぽい！？今ではどっちも図鑑で見られるっぽい！（2016年正月にも引き続き実装されたっぽい！）　2016年6月には梅雨モードが実装されたっぽい！レインコート着てれば雨も問題ないっぽい！

時雨の項でも述べたが、改二ペアとして時雨と一緒にされることが多い。が、史実で第二駆逐隊第二小隊としてペアを組んでいたのは春雨である。

詳しくはこちら→夕立(艦これ)

5番艦　春雨（はるさめ）

「春雨が一番活躍って･･･本当？本当なの？･･･はい、少し、嬉しいです」

CV：金元寿子　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の五女。2014年8月のイベント「AL/MI作戦」の1面目クリア報酬として実装された。白露型としては初の追加実装艦となる。
それ以降長らく、イベント海域ではドロップが報告されつつ通常海域や建造には実装されていない時期が続いたが、2015年6月末にようやく6-3ボスドロップとして通常海域に登場した。現時点で入手可能な白露型姉妹で入手が最も高難度（全駆逐艦の中でも屈指）である。

実装当初は改も同じ絵だったが、同年12月のアップデートで新グラフィックに差し替えられた。
前述の通り上4人とは実装時期が違ったせいか長らく限定グラフィックが実装されることもなかったが、2015年9月末に「艦娘焼き芋mode」として焼き芋を頬張る姿が限定グラフィックとして追加された。その後も2016年2月にバレンタイン仕様としてメイド服を着た姿が、さらに同年4月には三周年記念として春の花束modeも披露されている。
ピンクの髪に白いベレー帽をちょこんと乗せた可愛らしい容姿に大人しげな言動だが、これでもかのソロモン海戦で姉の夕立と共に突撃した武勲持ちである。ちなみに上の静画は後に海外派遣された護衛艦「はるさめ」に載っている（元々護衛艦はるさめをイメージした静画→自衛艦これ）

詳しくはこちら→春雨(艦これ)

6番艦　五月雨（さみだれ）

「やったぁ！提督、見ててくれました！？」

CV：種田梨沙　イラストレーター：雨宮千遥

白露型姉妹の六女。前述した通り、5人の初期艦娘のうちの一人であり、従って艦これを始めて以来の長い付き合いとなっている提督も多いだろう（他の初期艦4人が全員特型（特Ⅰ型＝吹雪、叢雲　特Ⅱ型＝漣　特Ⅲ型＝電）なのに、なぜ特型の次になる初春型を飛び越して、白露型から彼女1人だけ選ばれたのかは永遠の謎）。
見た目としては、非常に長い青い髪が印象的。また、提督のために健気に頑張る涙もろいドジっ子とヒロイン属性てんこ盛りであることから、人気も高い。

同じ前期白露型（白露型を分類すると、1～6番艦が白露型もしくは前期白露型、7～10番艦が改白露型もしくは後期白露型と呼ばれる。またネーミングも、6番艦までが雨や露の名前、7番艦以降が×風となる）なのに、制服が上の5人と違う理由は今のところ明かされていない。

詳しくはこちら→五月雨(艦これ)

7番艦（改白露型1番艦）　海風（うみかぜ）

「海風が、一番ですか？　あ、ありがとうございます！　なんだか恥ずかしい…」

CV：石上静香　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の七女にして、改白露型の一番艦。五月雨からドジっ子要素とハイテンション要素を抜いたらこうなった感のある物静かな実力派（ただし性能は他の白露型と変わらない）。

2015年8月の夏イベントにて実装。妹の江風が海域突破報酬だったのに対して、こちらはE-4ボスドロップのみ。ゆえに持っている提督の数は限られていると言われる。

長らくイベント限定のドロップだったが、2016年10月5日のアップデートで中部海域6-5「空母機動部隊迎撃作戦」のボスドロップにより本実装となった・・・そのためか、イチソ艦にも関わらず限定グラフィックに恵まれていない。

詳しくはこちら→海風(艦これ)

8番艦（改白露型2番艦）　山風（やまかぜ）

「あたしが…？別にいい…そういうのは。…そういうのは！…あたし、いらないの」

CV：橋本ちなみ　イラストレーター：玖条イチソ

最後に登場した、白露型姉妹の八女。絵師曰く「妹たちより小さい」とのこと。
臆病な性格をしており、どこか無愛想。戦闘時もどこか投げやり。また史実でのトラウマからか沈む事を極度に恐れる。
それでも臆病ながらに提督に好意を向けてくる。そんな姿を愛おしく思う提督諸兄・諸姉も多いだろう。これまで駆逐艦を「ママ」と慕う提督はいたが、山風は「この子のパパorママになって守護らねば」という提督を大量生産した、ほとんど初めての存在であった。

余談だが、「山風」を縦書きにすると「嵐」に見えるため、史実では乗務員への郵便物の送り間違いが多かったんだとか…

2016年11月の秋イベントにて実装。E-2およびE-3ボスドロップのみ。イベント終了後の現在は入手不可。

詳しくはこちら→山風(艦これ)

9番艦（改白露型3番艦）　江風（かわかぜ／かはかぜ）

「んっ？江風が一番だって？へー悪いなー、白露の姉貴。江風が一番だって！きひひー」

CV：石上静香　イラストレーター：玖条イチソ

白露型姉妹の九女。春雨以来1年振りの白露型としてお目見えした（海風も同時実装だが、江風がE-2突破報酬、海風がE-4ボスドロップという実装順から、提督達が最初に逢えるのは江風になる）、読み方を間違えると怒る艦娘。「間違えなンなよ！」は運営痛恨の誤植なので勘弁してあげよう。

前述の通り、2015年8月に行われたイベントでの先行実装。海域突破報酬なので入手は（海風に較べると）楽であった。2016年4月22日アップデートにて正式実装。2-5でドロップ入手可能。また、同日改二も実装。白露型としては3人目。ビジュアルも姉の夕立似になっている。

2015年秋に浴衣姿（狐のお面付き）、クリスマスにはサンタルック（トナカイの角付き）姿を披露している。現在はいずれも図鑑で参照可能だが、これらの限定グラフィックは改二実装前の時点だったため、「江風」（改二ではない）の項目でしか見られないことに注意されたし。

詳しくはこちら→江風(艦これ)

10番艦（改白露型4番艦）　涼風（すずかぜ）

「やったぜ！　提督、あたいの活躍見てたかい？」

CV：種田梨沙　イラストレーター：雨宮千遥

白露型姉妹の末妹になる十女。改白露型としては4番目、条約型駆逐艦として初春から数えると16番目になる。
気っぷのいい江戸っ子べらんめぇ口調が特徴的で、後日実装された同じ江戸っ子の「谷風」とはクラ湾海戦で協力して敵を沈めた仲。また、わずか2ヶ月だが、朝潮型の「満潮」と同じ駆逐隊の所属になったこともある。
五月雨とは同じ白と青のカラーリングだが、涼風は瞳と上着の裾についている珠が緑色である。
公式小説「陽炎、抜錨します！」5巻に客演。

詳しくはこちら→涼風(艦これ)

脚注

*1,500トン以上の駆逐艦の所有制限。1,680トンの特型をあからさまに制限するものだった
*しかし、初春型も改装後は約1,700トンと1,500トンの制限をオーバーし、白露型は最初から1,685トンとこれまたあっさりオーバーし、特型（1,680トン）と余り変わらなくなったのは秘密である。
*「海風」と「江風」の衣装に、イチソ氏がギリシャ文字のΧ（カイ）の意匠を組み込んだのはこの「"改"白露型」からと思われる。
*同様のパターンに、朝潮型の最終２隻「霞」「霰」と陽炎型の最初2隻「陽炎」「不知火」を組ませた第一八駆逐隊がある。

白露型姉妹単語

概要