秋葉原通り魔事件とは、2008/06/08に秋葉原路上で発生した通り魔事件である。
2008/06/08の午後0時30頃、歩行者天国となっていた千代田区外神田のJR秋葉原駅近くに2t車が突っ込み、通行人を数人撥ねた後に車から降りた容疑者が、持っていたサバイバルナイフで次々と通行人を殺傷する。
この事件により7人が死亡、10人が重軽傷を負う。(6/8 20時現在)
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の犯行の全容が判明した。
トラックで5人をはねた加藤容疑者は、交差点に向かって走りながら、無言で次々と通行人に襲いかかり、交差点付近で12人をナイフで刺したという。この間、わずか1分程度だったという。警視庁は20日午後、死亡した7人に対する殺人容疑で加藤容疑者を再逮捕した。
同庁幹部によると、加藤容疑者は、歩行者天国が始まった直後の8日午後0時33分ごろ、レンタカーの2トントラックで交差点に突入。東京情報大2年川口隆裕さん(19)ら5人をはねた。約70メートル離れた路上でトラックを止めると、ダガーナイフを手に運転席を飛び出し、交差点に向かいながら、ビラ配りのアルバイトをしていた東京芸大4年武藤舞さん(21)ら3人を相次いで刺した。
交差点では100人以上が、はねられた5人を見守り、歩行者天国で交通整理をしていた万世橋署の丸山正市警部補(53)ら数人が救助にあたった。加藤容疑者は、その背後から丸山警部補ら3人をナイフで一刺しすると、今度は交差点を横切りながら群衆に突っ込み、さらに3人を刺した。
当初は交通事故と思い込んでいた通行人らも、異変に気づいて交差点から周囲へ逃げ始めたが、加藤容疑者は、そのうち、中央通り沿いにいた会社員宮本直樹さん(31)ら3人の背中にナイフを突き立てたという。
ナイフで襲われた被害者の多くは、興奮状態だったことに加え、刃先が鋭利だったことなどから、刺されたことに気づかず、体当たりされただけと思い込み、約50メートルも逃げた後に倒れ込んだ人もいたという。
(2008年6月20日14時37分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080620-OYT1T00459.htm
警視庁は20日、秋葉原の無差別殺傷事件の際、負傷者の救助に協力した69人のうち17人に感謝状を贈った。報道陣の取材に応じた3人は「とにかく助かってほしいという思い一つで必死だった」と、凄惨(せいさん)な現場での救助活動を振り返った。
大学職員の高橋幸子さん(42)は当時、夫と一緒に交差点付近にいた。事件を目撃した直後、がく然として体が動かなかったが、「夫から『数か月前に救命講習を受けたことを思い出せ』と言われ、ハッと気づいた」といい、その後、負傷者に駆け寄ったという。
救急救命医の山本明彦さん(36)は、秋葉原駅を出ると、サイレンの音を聞き、現場に駆け付けた。しかし、血だらけで横たわる負傷者に「一瞬、パニックになった」。普段はスタッフや医療器具がそろった病院での活動だが、「人や物資もないのに目の前に重篤な人がいる。想定も経験もしたことがない現場だった」と苦渋の表情を浮かべた。
秋葉原に遊びに来ていた海上自衛官の千葉翔悟さん(20)も、「気が動転していたのでよく思い出せない」としながら、「仕事柄、こういう時こそ役に立つべきと救護にあたった」と話した。
残る52人には順次、感謝状が贈られる。一方、加藤容疑者を逮捕した万世橋署秋葉原交番の荻野尚巡査部長(41)ら5人に警視総監賞が贈られることが決まった。
(2008年6月20日14時31分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080620-OYT1T00475.htm
福田首相は19日午後、17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場を訪れ、献花台の前で手を合わせて犠牲者の冥福(めいふく)を祈った。
首相は厳しい表情で車から降りると、献花台の前で数秒間目を閉じて合掌し、一礼して立ち去った。訪問を事前に公表せず、滞在時間も1分足らずだったため、現場周辺の人もほとんど気づかなかった。
首相は同日夜、首相官邸で記者団に、「本当に残酷な事件だった。ああいうことを起こさないようにどうしたらいいか、いま一生懸命考えている。なるべく早く対応しなければいけない」と述べた。
(2008年6月19日21時20分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080619-OYT1T00678.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺害された東京芸大4年武藤舞さん(21)(東京都北区)が事件当時、携帯電話で110番通報していたことがわかった。
警視庁幹部によると、電話は同庁通信指令本部につながったが、武藤さんは警察官の問いかけに答えておらず、通報中にナイフで刺されたとみられる。
同庁幹部によると、武藤さんは事件が起きた8日午後0時33分ごろ、現場の交差点近くで、携帯電話販売店のアルバイトでビラを配っていた。加藤容疑者が運転する2トントラックが交差点の人込みに突っ込んだ後、車から降りてきた加藤容疑者に腹部を刺されたとみられる。
同庁で武藤さんの携帯電話の履歴を調べたところ、午後0時33分に110番通報していたことが判明。通話時間は6秒間あったものの、事件の内容などを伝えた様子はなく、無言のまま切れたという。
武藤さんを救急車に乗せた医師(44)によると、武藤さんは、刺された後もしばらく意識があり、友人の名前を繰り返し呼んでいたという。
(2008年6月19日12時22分)
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、負傷者を介抱している最中にナイフで刺された警視庁万世橋署の丸山正市警部補(53)が、意識を失いかけながら、駆けつけた同僚署員に「(犯人は)あっちだ」と逃走方向を指さしていたことが分かった。
同僚署員は、騒然とする歩行者天国の人込みの中から加藤智大(ともひろ)容疑者(25)(殺人未遂容疑で逮捕)を見つけ出し、2分足らずで取り押さえた。丸山警部補は今も重体で、同僚らは回復を祈り続けている。
同庁幹部によると、丸山警部補は交通課に所属し、事件当日の8日は、現場の交差点近くで歩行者天国の交通整理をしていた。
加藤容疑者が運転する2トントラックが交差点の人込みに突っ込んだのは、午後0時33分ごろ。丸山警部補は、すぐに駆け寄って救助にあたったという。
その直後、ダガーナイフを構えた加藤容疑者が後ろから背中を一刺しした。傷は心臓近くまで達する深いものだったが、丸山警部補は意識を失いかけながらも、秋葉原交番から駆け付けた巡査部長(41)らに「あっちだ」と声を振り絞り、逃走方向を指さしたという。
丸山警部補の容体は依然、予断を許さない状態が続いており、同僚らは「犯人を取り逃がしてはならないという一念で行動したのだろう。今はとにかく回復してほしい」と話している。
(2008年6月19日03時07分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080618-OYT1T00922.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、犯行前に交差点の周辺を少なくとも1周、トラックで走っていたことが分かった。
加藤容疑者は「できるだけ多くの人を殺したかった」と供述しており、「時間です」と携帯サイトに書き込んでから犯行に至るまでの23分間に、突入のタイミングを計りながら試走していたと警視庁はみている。同庁は強い殺意を裏付ける事実とみて、20日にも殺人容疑で加藤容疑者を再逮捕する方針。
加藤容疑者の供述や犯行直前まで投稿していた携帯サイトの書き込みによると、レンタカーの2トントラックが現場付近に到着したのは8日午前11時45分ごろ。正午に始まる歩行者天国まで、ディスカウントストアに立ち寄るなどして時間をつぶしていたという。午後0時10分には、「時間です」と、これから決行するかのような書き込みがあったが、実際にトラックが交差点に突っ込んだのは午後0時33分ごろだった。
この約23分間について、同庁で調べたところ、交差点の西約300メートルにあるマンションの防犯カメラに0時15分ごろ、加藤容疑者が運転していたトラックが現場に向けて走っている様子が映っていた。その後、加藤容疑者は一度、青信号で歩行者天国が中断している現場の交差点を通過していることが、交差点の防犯カメラで確認された。
さらに、交差点から北西約500メートルにあるビルの防犯カメラが0時24分ごろ、加藤容疑者のトラックを撮影していた。また、0時15分ごろの映像をとらえたマンションのカメラの前を、加藤容疑者のトラックが0時26分ごろに再び通過し、そのまま交差点に突っ込んだという。
トラックはスピードを落とさずに、通行人5人をはね、うち3人を死亡させた。さらに、計12人が、殺傷能力の高いダガーナイフで刺され、4人が死亡しており、同庁では、加藤容疑者に明確な殺意があったと判断、殺人未遂容疑での拘置期限の20日にも殺人容疑で再逮捕し、事件の全容解明を進める。
(2008年6月18日14時33分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080618-OYT1T00473.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が運転するトラックは、時速40~50キロで現場の交差点に突入していたことが、警視庁の調べで分かった。
トラックは前にいた車の間を縫うように追い抜き、一気に交差点にいた5人をはねたという。
同庁幹部によると、防犯ビデオの映像から、加藤容疑者の2トントラックが交差点に突っ込んだのは、信号が黄色から赤に変わった直後。交差点手前に数台の車がいたが、右側から追い抜き、右折しようとした車を左側にかわし、交差点に突っ込んだ。ブレーキ跡はなく、同庁は減速しないまま進入したとみている。
はねられた5人のうち、2人はフロントガラスなどトラック前面部の直撃を受け、残る1人は体ごとひかれて死亡した。はねた後もブレーキを踏んだ様子はなく、そのまま約70メートル直進して止まったという。
(2008年6月18日05時23分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080618-OYT1T00026.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、犯行当日の8日早朝、携帯サイトに書き込んだ「秋葉原で人を殺します」というタイトルの犯行予告について、「タイトルや車とナイフを使う手口は、犯行直前に書き換えたもの」と供述していることがわかった。
警視庁では、サイトへの接続履歴を検証し、書き換えられる前の内容を調べている。
サイトの掲示板には、8日午前5時21分、「秋葉原で人を殺します」というタイトルで、「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」と書かれていた。その後も静岡県の自宅からレンタカーのトラックで秋葉原に向かう様子を刻々と「実況中継」するように書き連ねていた。
同庁幹部によると、サイトの管理会社から接続履歴の提供を受けて分析したところ、タイトルと最初の書き込みの内容が書き換えられていたことが判明。このサイトは、投稿者本人ならば、書き込み時間を変えずに内容の編集ができるという。
書き換えは秋葉原に到着したとみられる8日午前11時45分前後で、他の部分は手を加えていないという。
一連の書き込みについて、加藤容疑者は「誰かが見て、自分を止めてほしかった」と供述しているが、同庁では、書き換えた意図について追及している。
(2008年6月17日03時13分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080617-OYT1T00163.htm
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大(ともひろ)容疑者が犯行に使ったダガーナイフは、目立たないように刃の部分を黒く塗った「コンバット(戦闘用)・ダガー」と呼ばれるタイプだったことがわかった。
加藤容疑者を殺人未遂の現行犯で逮捕した警視庁万世橋署の巡査部長(41)は「追跡中はナイフを持っていることに気づかなかった」と話しており、同庁では、特殊なナイフが凶器になったことで周囲の人が気づきにくかったとみている。
同庁幹部によると、戦闘用は、殺傷能力が高いダガーナイフの中でも、ジャングルや夜間の「格闘戦」を想定して作られ、約13センチの刃の部分は、光の反射を抑えるため、黒くコーティングが施され、遠目から一見しただけでは刃物に見えないという。
(2008年6月17日03時13分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080617-OYT1T00065.htm
警察庁は16日、全国の警察本部に対し、東京・秋葉原の無差別殺傷事件に使われたダガーナイフの販売自粛を業者に要請するよう通達した。
政府が同日開いた犯罪対策閣僚会議でも、銃刀法改正も視野に規制を強化することを確認した。
銃刀法は刃渡り15センチ以上の刀や剣などは、所持する際の許可を義務づけているが、同15センチ未満のダガーナイフは規制対象外。「社会的有用性は希薄」として販売自粛要請に踏み切った。
また、ダガーナイフ以外にもサバイバルナイフなど殺傷力が高い刃物を販売する際には、身元や使用目的の確認を徹底し、記録を保存するよう要請。不審者が購入しようとした場合には警察への通報を求める。包丁やのこぎりなどの日用品や大工道具などは身元確認の対象から除外する。
経済産業省も同日、刃物の製造や卸売りなどの業界団体に対し、ダガーナイフの製造や販売、輸入を自粛するよう求めた。
(2008年6月16日21時15分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080616-OYT1T00639.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、現場の交差点にトラックで突入してから警察官に取り押さえられるまでに、わずか約2分間しかかかっていなかったことがわかった。
加藤容疑者はトラックで5人をはねた後、ためらうことなく短時間でナイフで12人を刺しており、警視庁では強い殺意を裏付ける事実とみている。
同庁幹部によると、交差点に設置された防犯カメラの映像から、加藤容疑者が運転する2トントラックが、歩行者天国の人込みに突入したのは、8日午後0時33分ごろと判明。横断中の5人をはねた後、トラックは神田明神通りを東に約70メートル走って止まった。
加藤容疑者はすぐに運転席から降りると、ダガーナイフを手に交差点まで走って戻り、その間に男女3人を刺した。交差点では、はねられた人を介抱しようとした万世橋署員ら少なくとも6人を次々に刺し、逃げる人たちを中央通りの歩道沿いに走って追いかけながら刺し続けたという。
その後、追いかけてきた別の同署員に大声で「待て」と呼び止められたため、交差点から約60メートル離れた路上で立ち止まり、路地に追い込まれた末に取り押さえられた。現行犯逮捕の時間は午後0時35分だった。
署員が加藤容疑者と向かい合い、身柄を確保するまでに数十秒かかっており、警視庁では犯行時間は2分よりも短かったとみて詳しく調べている。
(2008年6月16日14時43分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080616-OYT1T00459.htm
17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件から15日で1週間が過ぎた。
事件当日にその場に居合わせ、けが人の応急処置にあたった埼玉県在住の樋口信也さん(35)はこの日、現場を訪れ、献花台の前で手を合わせた。
「まるで昨日のことのように感じる」
1週間前、買い物に訪れ、路地を曲がった樋口さんの目に飛び込んできたのは、路上にうつぶせで倒れた女性と、警察官に取り押さえられた加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の姿だった。女性の衣服は血に染まり、脈拍も弱まっていた。
傷口に布を当てて止血しながら、警察官に連行される加藤容疑者の顔を見た。焦点の定まらない目、脱力したような表情。だが「どこにでもいる普通の若者にも見えた」とも振り返る。
報道などで加藤容疑者について知るにつれ、怒りとやりきれなさを感じる。「社会とのコミュニケーションがうまくとれず、疎外感を募らせていったのかもしれない。でも、完璧に幸せな人間なんていないのに」
先日、救助した女性が回復していると東京消防庁から連絡を受けた。「改めて、身勝手な犯行で大切な人を傷つけられたり失ったりした人々を思い、憤りで一杯になった」と話す。
この日は、事件を受け、35年間続いた歩行者天国が初めて中止となった日曜日。車の行き交う交差点を見ながら樋口さんは「事件の印象が強くて、違う場所に見えるのが寂しい」と話した。
(2008年6月15日22時55分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080615-OYT1T00560.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、警視庁の調べに対し、「殺害までの計画は立てていたが、その後のことは頭になかった」と供述していることがわかった。
同庁幹部によると加藤容疑者は、事前に殺傷能力の高いナイフを用意したり、歩行者天国に合わせて計画を実行に移したりしていたが、事件後のことについては「どうするかまでは考えていなかった」と供述。万世橋署員らに現行犯逮捕された際も、暴れたり、叫んだりした様子はなく、逃げるそぶりも見せなかったという。
一方で、所持品や自宅の捜索で遺書などは見当たらず、自殺する意思もなかったとみられる。
加藤容疑者はこれまでの調べに、「世の中が嫌になった。生活に疲れた」と供述しており、高校入学後、思い通りにいかない自らの境遇に嫌気が差したことや、リストラを進める派遣先への不満などを話しているという。
(2008年6月14日22時15分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080614-OYT1T00637.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、事件数日前、リストラを進める派遣先に対し、「トラックを借りて工場を封鎖し、嫌がらせをしたい」と同僚に話していたことがわかった。
犯行の際と同様、トラックを悪用しようとしていることから、警視庁では、事件への伏線の可能性もあるとみて調べている。
派遣先の自動車組み立て工場(静岡県裾野市)の同僚男性によると、加藤容疑者は今月上旬、工場の休憩室で、派遣社員のリストラを話題に挙げ、「4トントラックを工場の前に横付けして入り口を封鎖してやろうか」と話したという。リストラの情報が工場内で広まった際、加藤容疑者がひどく動揺したことを知っていた同僚は、「冗談には思えなかった」と話している。
加藤容疑者は携帯サイトの掲示板に、事件前日の7日、レンタカー店から2トントラックを借りた経緯について、「大きいのがなかったら普通のでいいや できれば4tが良かったんだけど」と書き込んでいた。
(2008年6月14日03時03分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00832.htm
インターネットのポータル(玄関)サイト最大手のヤフーは13日、東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で凶器として使われたダガーナイフの取り扱いを、運営するショッピングとオークションの両サイトで全面禁止した。
ヤフーは8日の事件発生を受け、11日に両サイトで物品を販売している全事業者に対してメールで注意喚起し、ナイフ販売時の身元確認の徹底などを求めていた。しかし、ダガーナイフは殺傷能力が高く、日常的に使われるものではないことから取り扱い禁止を決めた。
これまでヤフーの両サイトでは計13点が掲載されていたが、13日夜までにすべて販売を停止したという。
(2008年6月13日22時33分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00744.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、ナイフで襲われた12人のうち少なくとも6人が交差点内で刺された疑いが強いことが警視庁の調べでわかった。
しかし、襲われた状況の詳細については、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の記憶があいまいなため、特定が難航。
同庁では殺人容疑の立件に向け、加藤容疑者の立ち会いのもと、別の場所に現場の歩行者天国を再現して、実況見分を行う方針。
同庁幹部によると、加藤容疑者は8日午後0時30分ごろ、2トントラックで千代田区外神田1の交差点の人込みに突っ込み、通行人5人をはねた後、殺傷能力が高いダガーナイフで12人を刺した。
約5分後、万世橋署員に取り押さえられ、その直前に刺した女性(24)に対する殺人未遂の現行犯で逮捕された。
救急隊員の証言や防犯ビデオの映像などから、同庁では、これまでに死亡した調理師松井満さん(33)ら、少なくとも6人が交差点内で刺された可能性が高いと判断。いずれも無抵抗で、腹や背中をナイフで一刺しされていたという。
その後、加藤容疑者は、交差点から逃げる通行人を中央通り沿いに追跡して刺し続けていたが、調べに対し、「警察官を含む数人を刺したことは覚えているが、興奮していたので、その後のことはよく分からない」と供述しているという。
同庁幹部によると、交差点から南へ約70メートル離れた場所で倒れ、死亡した会社員宮本直樹さん(31)や、逮捕直前に刺された女性ら数人は、刺された後、走って逃げる途中で倒れたとみられ、どの場所で襲われたか分からないという。交差点内で刺されたとされる6人についても、誰が最初に刺されたか判明していない。
事件当時、交差点付近には数百人がいたとされるが、名乗り出てくる目撃者は少なく、同庁では、目撃者に協力を呼び掛けている。
(2008年6月13日14時32分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00504.htm
東京都公安委員会は13日、秋葉原の歩行者天国を15日から当面の間、休止することを決定した。
無差別殺傷事件を受け、対応を協議していた千代田区や地元町会、万世橋署などが12日、「当面は休止すべき」とした要望書を都公安委に提出していた。
(2008年6月13日11時29分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00335.htm
東京・秋葉原の無差別殺傷事件以降、警察に「インターネット上に犯罪予告が書き込まれている」という情報が次々と寄せられている。
事件翌日の9日から12日までに警視庁に寄せられた情報は100件超で、事件前4日間の約10倍に上った。同庁では掲示板に同様の犯行をほのめかす書き込みをした男を山形県警に通報、同県警は12日、同県天童市中里、団体職員大木琢也容疑者(29)を威力業務妨害の容疑で逮捕した。
発表によると、大木容疑者は8日午後10時過ぎ、自宅のパソコンから掲示板サイト「2ちゃんねる」に、山形市内の楽器店の名前を挙げて「トラックで突っ込んでやる!」などと書き込み、同店の業務を妨害した疑い。「秋葉原の事件のニュースを見て、まねをして書き込んだ」などと供述している。
警視庁によると、同庁のホームページにメールで届けられたり、110番通報されたりした「犯罪予告」情報は事件前は1日2~3件だったが、加藤智大容疑者(25)が、携帯電話サイトに犯行予告をしていたことが明らかになった9日から急増。「原宿で連続殺人をする」「13日に渋谷で人を殺す」などの繁華街を狙ったもののほか、「秋葉原で加藤(容疑者)より多い10人殺す」といった書き込みもあったという。
同庁幹部は「事件を模倣したいたずらが増えるとともに、事件の影響でネットの書き込みに敏感になって通報が増えた」と分析。摘発に向け、書き込みをした人物の特定を進める。
(2008年6月13日03時03分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00066.htm
東京・秋葉原で17人が襲われた無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、「両親とうまくいかず、ずっと疎遠だった」と供述していることがわかった。
犯行の直接のきっかけは、職場でのトラブルとみられているが、加藤容疑者が書き込んでいた携帯サイトの掲示板にも、高校時代から募っていた両親への不満がつづられていた。警視庁は、両親への根深い不信感が犯行の伏線になったとみて調べている。
同庁幹部によると、加藤容疑者は、取り調べが自らの生い立ちや家族のことに及ぶと泣きながら、「自分の置かれている境遇が、本当に嫌だった」と打ち明け、「両親とはしばらく連絡を取っていない」と話しているという。
「日記代わりだった」として、加藤容疑者が投稿していた携帯サイトの掲示板には、「親に無理やり勉強をさせられていた」「親が周りに自分の息子を自慢したいから完璧(かんぺき)に仕上げたわけだ」などと、子育ての方針や家庭環境などを巡る強い不満が繰り返し書かれていた。
加藤容疑者は、青森県有数の進学校を卒業後、岐阜県内の短大を経て、派遣社員として埼玉県や茨城県内などの職場を転々としていたが、その理由を「(親のいる)地元にいたくなかったから」と供述。静岡県の派遣先の同僚には「両親は離婚し、自分は住所不定みたいなもの」と話していた。同庁は詳しい動機を解明するため、加藤容疑者が初めて挫折を経験したという高校時代に着目し、両親と同居していた当時の暮らしぶりや親子関係を調べている。
(2008年6月13日03時03分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00062.htm
総務省は東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、全国約1万4000のインターネット接続業者やサーバー管理会社などに対し、ネット上で殺人などの犯罪予告を確認した場合、速やかに110番通報するよう文書で要請を始めた。
13日中に通知を終える予定だ。
要請は、電気通信事業者として総務省に届け出たすべての業者が対象。
ネット上で犯行予告を見つけたり、利用者から情報を提供されたりした場合、速やかな通報を求めている。
(2008年6月12日23時44分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T01004.htm
東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、全国一の刃物産地・岐阜県関市の同県関刃物産業連合会は12日、緊急会議を開き、凶器に使われたダガーナイフの規制強化を国に要望すると共に、ダガーナイフを今後販売しないことを決めた。
関市は、包丁が国内生産の50%、ナイフが55%を占める。同連合会には9団体355社が加盟する。現在、ダガーナイフの生産、販売をしていないが、3社が最近まで中国から輸入販売していた。
(2008年6月12日22時28分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00798.htm
無差別殺傷事件を受け、東京都千代田区は12日、日曜と休日に実施していた秋葉原の歩行者天国について、当面中止するよう求める要望書を都公安委員会に提出した。
13日の同委員会で正式決定される見通し。同区によると、秋葉原の歩行者天国が中止になるのは初めてという。
事件後の9日、同区と警察、地元商店会が歩行者天国の存続についての是非を協議。その後、地元町会などにも意見を聞いたところ、「当面の間は自粛すべきだ」とする声が大勢を占めた。
秋葉原の歩行者天国は1973年6月にスタート。長さは700メートルで、最近は家電やゲームソフトやブランド品などの買い物客に交じり、路上でパフォーマンスをする若者やその見物客など、1日に7、8万人が訪れていた。
(2008年6月12日19時54分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00710.htm
東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、携帯サイトへの書き込みについて、「孤立感を紛らわせるために続けていた」と供述していることがわかった。
加藤容疑者が記載したとみられる掲示板には、親子や異性関係の悩み、職場の不満などが1日数十回、載っており、「日記代わりだった」とも話しているという。警視庁では、現実社会で孤独感を強め、ネットの世界に傾倒していったとみて、犯行当時の心理状況の解明を進める。
同庁幹部によると、加藤容疑者は携帯サイトの掲示板に、犯行予告のほかに、日常の出来事や自身が抱えていた悩み、不満などを短い文章で書き込んでいた。書き込みは多い時で1日200回以上あり、自ら「携帯依存」と呼ぶほどだった。これについて、加藤容疑者は「書き込みは日記のように習慣化されたもので、生活の一部だった」「自分のことを知ってもらいたかった」と供述しているという。
派遣先の「関東自動車工業東富士工場」(静岡県裾野市)の同僚男性によると、交際相手の有無を尋ねた際、加藤容疑者は「彼女はほしいが、過去に色々あって人間不信なんだ」と話していた。「人間は裏切るが、アニメや自分で作ったゲームソフトは裏切らない」とも語った。さらに、工場内でリストラの情報が広まった今年5月下旬、加藤容疑者は「借金を踏み倒して逃げ出してきた。両親は離婚し、自分は住所不定みたいなものだ」と自嘲(じちょう)気味に話したという。
一方、掲示板の一連の書き込みについて、加藤容疑者は「誰かが見て、自分を止めてほしかった」と供述していることも判明。警視庁では、様々なストレスにより追い込まれている心情を理解し、暴走しそうになる自分を止めて欲しいという意識の表れではないかとみている。
◇
警視庁は12日、被害に遭った17人のうち、12人がナイフで刺され、5人がトラックにはねられて死傷したと発表した。
(2008年6月12日14時56分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00522.htm
東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、警察庁は全国の刃物の販売業者に対し、殺傷力が高いダガーナイフ(両刃の短剣)などを販売する際、運転免許証などで客の身分確認を行うよう要請する方針を固めた。
ダガーナイフは店舗だけでなく、インターネット上でも販売されており、「販売業者が全国にどれだけあるのかさえ不明」(警察庁)な状態。同庁は経済産業省とともに、販売実態の調査を始めた。
現行の銃刀法は、刃渡り15センチ以上の刀、剣、やり、なぎなた、あいくちの5種類と飛び出しナイフの一部を、「刀剣類」として所持を原則禁止。ダガーナイフの多くは刃渡り15センチ未満のため規制の対象外となり、販売の際に身分確認もほとんど行われていない。
同庁はすでに、ダガーナイフについて、所持そのものを禁止できないか銃刀法改正も視野に入れ検討しているが、サバイバルナイフや包丁など他の刃物との調整が長引くことが予想される。このため、当面は販売の際の身分確認を徹底することで、類似事件を防ぐ。
また、今回の事件で万世橋署の警察官も刺され、重傷を負ったことから、同庁は全国の警察本部に対し、繁華街をパトロールする警察官には防護チョッキを着用させるよう指示した。
(2008年6月12日14時35分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00489.htm
無差別殺傷事件の犠牲者7人のうち、東京芸術大4年、武藤舞さん(21)らの告別式が12日、各地で行われた。
東京都台東区の寺で営まれた武藤さんの告別式では、雨の中参列した友人らが、バッハの「G線上のアリア」など舞さんが好きだった曲を演奏するなどして死を悼んだ。友人で同大4年の女性は(22)「できることなら、もう一度会いたい」と目を赤くはらしていた。
埼玉県蕨市の会社員、宮本直樹さん(31)の告別式もさいたま市南区の斎場で営まれた。出棺の際、父親の惇彦(あつひこ)さん(60)が「(直樹が)また明日戻ってくるのかな、という気持ちです」と語った。
(2008年6月12日13時38分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00460.htm
東京・秋葉原で今月8日、17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が5月下旬、派遣先の同僚に「多額の借金がある」と話していたことがわかった。
加藤容疑者は、この時期広まった派遣先でのリストラ情報に将来の不安を募らせていたほか、高校入学後、挫折を繰り返し、「人生が嫌になった」とも供述しており、警視庁ではうっ積したストレスが犯行の背景にあったとみて調べている。
派遣先の「関東自動車工業東富士工場」(静岡県裾野市)の同僚男性によると、加藤容疑者は5月下旬、工場で休憩中に突然、「多額の借金を抱えている」と打ち明けた。借金の原因については「車に関すること」とだけ話したという。
加藤容疑者は2006年から07年ごろ、当時乗っていたスポーツカーから別の車に乗り換えており、その理由について友人に「死のうと思って高速道路に突っ込んでつぶした」と説明していた。同じ時期、別の友人に繰り返し送ったメールでも「金がない」と嘆いていたという。
加藤容疑者は犯行直前の今年5月下旬、派遣元の日研総業(東京都大田区)から、近く派遣社員の大半の契約が解除されるとの見通しを聞かされていた。加藤容疑者は、日ごろから不安定な立場を気にしていたとみられ、同僚らは「急に大声を上げるなど、ストレスをためていたようだ」と指摘している。
6月に入り、加藤容疑者は自分自身はリストラの対象外だと知るが、事件3日前の同5日、作業服を隠される嫌がらせを受けたと思い込み、職場から無断で帰宅。同僚らは「必死になって作業服を探していた。頭に血が上って、パニックになっているように見えた」と話している。
一方、警視庁幹部によると、加藤容疑者は被害者に対し、「申し訳ないことをした」と話しているという。
(2008年6月12日03時03分)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080612-OYT1T00013.htm
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最終更新:2025/12/13(土) 10:00
最終更新:2025/12/13(土) 10:00
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