第十七駆逐隊とは (ダイジュウナナクチクタイとは) [単語記事]

第17駆逐隊（だいじゅうななくちくたい）とは、

大日本帝国海軍における駆逐隊の一つである。大正7年以降、呉鎮守府所属。
1. 明治45年6月25日～昭和7年4月1日（17駆　～大正7年4月1日）
  桜型駆逐艦「桜・橘」により編成。対独臨戦態勢により一水戦に所属後、樺型駆逐艦「樺・桐」を加える。大正11年4月、欧州派遣の留守を預かり佐世保鎮守府に転籍、第21駆逐隊（初代）となる。
2. 明治45年6月25日～昭和5年6月1日。（17駆　大正11年12月1日～）
  当初、海風型駆逐艦「海風・山風」に上記「桜・橘」で編成後、浦風型駆逐艦「浦風・江風」にて編成する予定であったが、WWIの影響で「江風」が伊海軍に売却された。大正7年の駆逐隊命名規則により第2駆逐隊（2代）と改称。大正7年12月、舞鶴鎮守府に転出し第32駆逐隊（2代）となる。編成は「海風・山風」と楢型駆逐艦「楢・榎」。軍縮に伴う要港部格下げにより呉鎮守府に移籍、第17駆逐隊（2代）となる。
3. 昭和15年12月15日～昭和20年8月15日。
  陽炎型駆逐艦「浦風・磯風・浜風・谷風」の4隻で編成され、第一艦隊第一水雷戦隊（旗艦「阿武隈」）に編成。のちに第三艦隊第十戦隊（旗艦「長良」のちに「阿賀野」、「矢矧」）に異動。昭和19年4月、16駆解散に伴い同型「雪風」が編入。同年11月、第二水雷戦隊の壊滅的損害を受け第十戦隊解散後第二水雷戦隊に異動（旗艦「矢矧」）。昭和20年4月の坊ノ岬沖海戦（戦艦「大和」沖縄特攻作戦）で生存した「雪風」と初春型駆逐艦「初霜」により最終編成。同年7月30日「初霜」を失い、8月15日解散。「雪風」は第41駆逐隊（2代）に転籍。（→「第17駆逐隊(第3代)」記事参照)
ブラウザゲーム「艦隊これくしょん～艦これ～」におけるキャラクター（艦娘）グループの１つ。第3代第17駆逐隊をモチーフとする。
携帯アプリゲーム「アズールレーン」のキャラクター（KAN-SEN）のうち、重桜陣営駆逐艦の1-IIIをモチーフとしたもの。編入艦含め全艦実装済み。

本稿では、主に第3代第17駆逐隊をモチーフとする艦これにおける第十七駆逐隊の概要について解説する。
また、末尾にアズールレーンのKAN-SENを併記してみる。

「艦隊これくしょん～艦これ～」における概要

第十七駆逐隊　初期編成

最終編成

大東亜戦争時、第17駆逐隊に所属した艦艇のうち、艦これに当初から実装されていたのは、コモン艦の１つ初霜（艦これ）と、レア駆逐艦筆頭の雪風（艦これ）の2つであった。

史実で初期から第17駆逐隊に所属した4隻は、2014年に順次実装された。駆逐隊単位で見ると16駆に次ぐ入手困難度を誇るとまで言われる。（主に磯風のせい。磯風は建造や通常海域での恒常入手方法はない。現在、同様に期間限定海域のみで実装された艦を有する駆逐隊は第四駆逐隊、第二二駆逐隊、第二四駆逐隊があり、そのうち22駆には改装22駆任務が存在する。）

2018年3月23日に、当駆逐隊編成時から所属し、史実で坊ノ岬沖海戦に参戦した「浜風」「磯風」に、改二の前段階の対空能力強化改装「乙改」が実装され、「浦風改」「谷風改」「磯風乙改」「浜風乙改」による『改装「第十七駆逐隊」、再編始め！』任務が追加された。
翌月4月23日、浦風にも「浦風丁改」が実装された。

第一水雷戦隊及び第十戦隊に属した艦(編入された「雪風」のみ、当初は二水戦)で構成される駆逐隊で、各艦とも「護る」ことを意識させるセリフが多いのが特徴の一つ。史実でも一水戦は主力艦隊護衛のための水雷戦隊であり、後に編成された第十戦隊も空母機動部隊護衛のための戦隊であったことが、この性格付けにつながっているものと思われる。

陽炎型姉妹の服装は3種+1（yaggy系^[1]、雪風系^[2]、17駆系^[3]、秋雲^[4]）に分類できるが、17駆初期所属艦娘は「白セーラー（磯風のみ長袖。他3人は半袖）」「1本ライン入りスカート（陽炎たちの2本ラインと異なるのは初期所属が一水戦に由来するのだろうか）」という共通点がある。まあ、絵師さんの関係なのだろう。初期所属艦の絵師が統一されている駆逐隊の１つでもある。

紹介順は史実初期所属艦は艦これ実装順、最後に追加所属艦をまとめて紹介する。

浜風（はまかぜ）

「信濃……今度は護り抜きます」「第十七駆逐隊、浜風、出撃します！」

CV/小松真奈、イラストレーター/パセリ。

2014年3月28日実装。通常海域（2-2，2-5，3-3，3-5，4-4，5-1～5，6-2）で邂逅可能である。追加された艦娘の中では邂逅可能性が高いが、例に漏れず建造不可。

驚異の胸部装甲の持ち主。艦これ界隈で「π/」「乳風」と言えば彼女を指す、と言われているとかいないとか。

2015年秋には秋祭り限定グラフィックが実装（参考：右側）。実に秋祭りを堪能していた模様。

史実では彼女の図鑑ボイスのとおり「武蔵」「金剛」「信濃」の最期を看取り数多くの生存者を救出した。その胸部装甲はその武勲の証なのかもしれない。

2018年3月、対空能力強化改装の「浜風乙改」実装。改装Lvは67。加えて「高速建造剤」１０、「改装資材」４０が必要。

詳しくは→浜風（艦これ）

谷風（たにかぜ）

「こー見えて、この谷風はすばしっこいんだよ？爆弾なんて、当たる気がしないね！」
「谷風にお任せだよ？出撃ぃ！」

CV/小松真奈、イラストレーター/パセリ。

2014年4月23日、春イベント「索敵機、発艦始め！」先行実装。2014年8月8日、夏イベント「AL/MI作戦」での実装を経、9月12日本実装。通常海域では3-5のみで邂逅可能。

ちゃきちゃきの似非江戸っ子キャラ。大阪・藤永田造船所謹製、呉鎮守府所属のどこに江戸が絡むのか小一時間（ｒｙ　そして、中破時の驚異の犯罪臭。ハイエース・・・

2015年12月、期間限定でクリスマス仕様グラフィック（参考：右側）が実装された。MMD界でも秋祭り＆秋刀魚漁イベでもハブられた可哀想な谷風にようやく愛の手が…

2018年10月、対潜強化の「谷風丁改」が実装。浜風(67)・磯風(68)・浜風(69)と改装レベルが1ずつ増え、谷風丁改にはLv70、加えて彼女らよりも改装資材等要求量が多い。ちなみにLv70は陽炎改二と要求レベルが同じである。

史実ではミッドウェー海戦において飛龍救援の命を受け、敵攻撃機からの137発もの攻撃をすべて回避するという離れ業をやってのけた強者。その勝見艦長が南太平洋海戦後の輸送任務中に戦死した後、対潜哨戒中米潜ハーダーの雷撃で沈没。17駆最初の喪失艦となった。それでも、昭和19年の春まで4隻編成を維持していた駆逐隊は(少なくとも艦これ実装済み駆逐隊の中では)ここだけである。

詳しくは→谷風（艦これ）

浦風（うらかぜ）

「うちが強ければ、みんなを護れるけえね！」「さーて♪　浦風、出撃じゃ！」

CV/小松真奈、イラストレーター/パセリ。

2014年5月23日、2-5実装と同時に実装。現在は2-4，4-2，4-3でも邂逅可能。艦娘初（現状唯一）の広島弁キャラ。生まれ・所属は谷風と同じ。どうしてこうなった

髪型は、最期を共にした金剛に因むとも言われる。2015年秋には秋祭り期間限定グラフィック（参考：右側）が実装された。中破絵では浜風に負けず劣らずの（以下略）。

最近ではあふれる母性から「ダメ提督製造機」の一員に加えられることも。

18年冬イベでは、レイテ沖海戦当時の17駆司令駆逐艦に相応しい凛々しいセリフを聴くことができた。
イベント終了後「乙改」が実装された浜風・磯風に続いて、対潜能力が強化された「浦風丁改」が実装された。改装Lvは69。

詳しくは→浦風（艦これ）

磯風（いそかぜ）

「陽炎型駆逐艦十二番艦、磯風。大丈夫、私が護ってあげる。」

CV/川澄綾子、イラストレーター/パセリ。

2014年8月8日開始の2014年夏イベント「AL/MI作戦」E6攻略報酬として先行実装。2015年冬イベント「迎撃！トラック泊地強襲」E5ボスドロップ、2015年春イベント「発令！第十一号作戦」E5ドロップ。2015年夏イベント「反撃！第二次SN作戦」E3ドロップ。2015年秋通常海域イベント「鎮守府秋刀魚祭り」にて限定グラフィック(16年以降「秋刀魚祭り」でも実装)とあわせ一時的に通常海域にてドロップした(15年・17年）が通常海域では入手できない。
（イベントでは彼女や姉の親潮、妹の嵐・萩風、秋月型姉妹等の捜索隊が結成されるとかなんとか。）

佐世保工廠にて建造。呉鎮守府所属。その言動からミニ長門とも。あとメシマズ。そんな彼女に秋刀魚を焼かせる（参考：右側）とはなんということだ…

2018年3月、坊ノ岬沖海戦での僚艦浜風と同時に「磯風乙改」実装。改装Lvは68で、他の資材要求量は浜風と同じである。

詳しくは→磯風（艦これ）

雪風（ゆきかぜ）　＆　初霜（はつしも）

雪風「艦隊をお護りします！」　初霜「私が、護ります！」

2人とも初期から実装。
雪風：CV/藤田咲・Illust/しずまよしのり　初霜：CV/小林元子・Illust/やどかり

雪風は磯風と同じく佐世保工廠で建造、呉鎮守府所属。（佐世保生まれの陽炎型駆逐艦はこの２隻のみ。）初期実装駆逐艦の中で最も邂逅が難しい艦娘だが１６駆で最も邂逅しやすい（建造も可能）ということで１６駆のコンプ難易度は推して知るべしである。
原所属16駆のうち時津風がダンピールの悲劇（ビスマルク海海戦）で、初風がブーゲンビル島沖海戦で喪失。天津風が損傷により長期入渠となったため16駆が解散され17駆に異動。雪風を含めた5隻編成となる。その数カ月後に谷風、1944年末に浦風を失った3隻編成で坊ノ岬沖海戦に参戦。

初霜は浦賀船渠で建造、佐世保鎮守府所属、一水戦21駆が原所属。44年秋までに他の初春型駆逐艦すべてを喪失。27駆から時雨が編入されるも別行動中に喪失。（時雨はレイテ沖海戦の後佐世保にて入渠。南方で霞らと行動する初霜とは別に磯風・浜風らと行動を共にしていた。）北号作戦で共同した夕雲型駆逐艦朝霜、朝潮型駆逐艦霞を編入し21駆として坊ノ岬沖海戦に参戦。

雪風、初霜以外の17駆、21駆が坊ノ岬沖海戦で失われ、姉妹艦を失った残る2隻で「最後の17駆」を編成した。

詳しくは→雪風（艦これ）　初霜（艦これ）　ゆきしも

18年冬イベと17駆

2018年冬期間限定海域「捷号決戦、邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」に併せ、第一遊撃部隊第二部隊に属した第17駆逐隊の面々に、以下の要素が期間限定で追加された。

決戦modeイラストの追加（雪風）　※差分とはいえ、雪風初の期間限定グラである。
決戦modeボイスの追加（浦風・浜風・谷風）
- 史実において既に戦没していた谷風は、「艦隊が騒がしい」旨を指摘している。
- 浦風・浜風の編成台詞は、お互いが声掛けをしている内容となっている。また、浦風にはもう1種類あり、レイテ沖海戦当時の司令駆逐艦であったことを受けた凛々しい内容となっている。

当駆逐隊の司令駆逐艦の変遷(概略)

第17駆逐隊の開戦時は谷風が司令駆逐艦。
谷風没後は磯風、ケ号作戦で磯風が修理を受けたあと、レイテ沖海戦の頃は浦風。
本土撤退中に浦風が司令ともども戦没した後、新司令が着任するまでは臨時で最先任の浜風艦長が代行。
その後、雪風(機関不調)→浜風(護衛中損傷)→磯風(坊ノ岬沖海戦にて雪風に移乗後撃沈処分)→雪風(坊ノ岬沖海戦後、7月までは雪風艦長が司令代行を兼ねる。7月に新司令が着任、引き続き雪風を司令駆逐艦に指定)→終戦。となっている。

公式二次創作における第十七駆逐隊

公式4コマ

第57話（4巻）: 史実の新規編成4人が主役。編入した雪風や浦風と共に戦没した金剛（サマール沖海戦では17駆は金剛・榛名の第三戦隊を護衛した）、ゲーム内設定（磯風のメシマズ）にちなんで相部屋押し付け合戦が展開された。
第50話（4巻）: 夏の鎮守府。冷房完備の艤装を持つ大和にべったりくっつく初霜と雪風。
坊ノ岬沖海戦と最後の17駆を知らなければこの組み合わせについて恐らく誰も気づかない…。
第100話（7巻）: 鎮守府秋祭り。浦風・浜風の秋グラフィック(浴衣)にちなんで17駆新規編成4人組全員登場。
第104話（7巻）: 鎮守府秋の秋刀魚祭り。磯風の限定グラフィック(割烹着)と爆発クッキングが登場。
2016年版鎮守府秋刀魚祭り回（143回・144回）でも登場した。
第211話Part２: 「浜風乙改」「磯風乙改」「浦風丁改」「谷風丁改」、関連ボイス、関連任務が登場。

いつ静

18話～19話（完部隊の回）後編で、空母加賀、第十戦隊旗艦長良に率いられ空爆を受ける完部隊の救援として17駆が登場した。

史実では完部隊の護衛駆逐艦（坊ノ岬沖海戦における21駆）と17駆のうち残存した磯風・浜風は坊ノ岬沖海戦に参戦。また、坊ノ岬沖海戦の21駆のうち霞は17駆と共に南雲機動部隊で戦っている。（開戦時、第十戦隊は未編成であり、長良のポジションには第一水雷戦隊旗艦である阿武隈が指揮を取った。）

戦史　第17駆逐隊

「第17駆逐隊(第3代)」記事に移転しました。

アズールレーンの所属KAN-SEN
（左から；浦風・磯風・浜風・谷風＝初期編成＝）（雪風・初霜＝編入艦＝）

脚注

*コニシ艦隊：陽炎・不知火・黒潮・親潮・初風・野分・嵐・萩風・舞風
*しずま艦隊：雪風・天津風・時津風
*パセリ艦隊：17駆
*藤川艦隊：夕雲型＋秋雲

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