結城丈二

結城丈二（ゆうき じょうじ）とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーV3』の作品に登場する、ライダーマンに変身する青年である。

演：山口暁（現・山口豪久）

「結城丈二」その謎の男は、ライダーマンと名乗った。Ｖ３にとって敵なのか、味方なのか？ライダーマンもまたデストロンを憎み、恨み、そして狙う。

これは僕の悲しみの概要だ。こうしてしか生きられなかった、憎しみの姿だ！

初登場は第43話。デストロンの科学者として登場。デストロン科学陣のエリートで大首領や部下からの信頼も篤く、将来の幹部候補であった。だがその才能と人望を疎むヨロイ元帥の裁判（という名の独断）により、死刑が宣告、裏切り者の汚名を着せて処刑されることになる。
硫酸のプールで右腕を溶かされた時、自分を慕う部下達の協力によりなんとか逃亡に成功。デストロンを脱走するが、脱走者として追われる身になる。逃げた先で、失った右腕に義手を移植する手術を行った。共に逃げた３人の部下の施術で手術は成功したが、部下は皆デストロン怪人カマクビガメによって殺されてしまう。

結城丈二は、自分から全てを奪ったヨロイ元帥への復讐を誓い、「復讐の鬼」として行動した。

性格は悪い意味で純粋で、「デストロンは科学の力で人間のユートピアを作る」組織だと本気で思っていた。またその強情さから、あくまで「自分の手でヨロイ元帥への復讐」をすることに執着し、共闘の姿勢をみせるＶ３すら邪魔者扱いをしていた（実際は足手纏いになっていた）。しかし同時に、真面目で正義感を持ち合わせた人物でもあり、デストロンに誘拐された子どもを救うためＶ３と敵対した。が、その際に
・役に立たない人間は処刑
・子供を誘拐して幹部候補として育て上げる。
等のデストロンのダークサイドを目にしてしまう。

結城丈二の世界は、いま音を立てて崩れていった。彼の愛したデストロンはまさに憎むべきものだったのだ。そしてその敵Ｖ３は、まさに愛の救世主だった。

俺は間違っていた。俺は本当にデストロンを信じていた。しかし実際に…実際になんということをしてきたのか。あんなにひどいことをしているとは思わなかった。おれは恥ずかしい。許してくれ。

そして己の誤った認識を風見志郎に頭を下げて和解、これ以降敵対することは無くなった。

結城丈二はこのマスクをつけることによってライダーマンとなり、手術した腕が伝導しアタッチメントを操ることができるのである

身長	?cm
体重	?kg
パンチ力	5t
キック力	10t
ジャンプ力	20m
走力	?秒/100m

ライダーマンは、結城丈二がヘルメットを被ることで変身する仮面ライダー。他の昭和ライダーとは異なり、全身ではなく右腕のみしか改造していない。そのため、強化服を纏う事で能力を向上させている。

いわゆる『サブライダー（２号ライダー）』の元祖であるが、歴代ライダーの正規メンバーとしてカウントされている、昭和・平成を通じても稀有の存在である。

ヘルメット

鼻と口の部分が露出している、仮面ライダーのマスクを模したヘルメット。ベルト以外の元祖変身アイテム。感情や表情の変化が見えるのが、人間臭くて良いという意見もある。
普段はバイクのシートに入っている。もっとも、いちいちシートから取り出す描写は二度目の変身時以降無く、両拳を胸の前で突き合わせ、両腕を上にあげると、いつの間にか手の中にヘルメットが表れていた。コネクトウィザードリングでも使っているのだろう。
スーツアクターによって体型の変わる仮面ライダーはいるが、ライダーマンの場合は顔の形まで変わるのが面白い。

カセットアーム

ライダーマンの本体最大の武器。「この腕に、ひそかに開発していたアタッチメントを装備できるように手術をしてくれ」というセリフからも分かるとおり、ライダーマンの変身システムよりも先に完成していた。
腕が変形しているのではなく、文字通りの『アタッチメント』である。装着シーンは50話がわかりやすい。
が、あんなにでかいものを普段どこに持っているのか等謎は尽きない。トランスポッドでも使っているのだろう。

• パワーアーム
  最初に使用されたアタッチメント。ハサミ型の武器だが、ただ殴りつけるだけでもすさまじい破壊力を産む。唯一左腕に装備されたことがある。
• ロープアーム
  ロープの先にカギ爪のついた、もっとも多用されたアタッチメント。移動・ジャンプ補助・牽引などその使用法は多岐にわたる。敵に引っかけて投げとばすこともあるが、力の強い相手には逆に引っ張られてしまうのが欠点。客演時には猛威をふるう。好評だったのか、彼以降昭和・平成問わず同様の武器を使用するライダーが増えた。
• （パワーアーム）スイングアーム
  ロープの先のトゲ付鉄球を振り回す。改造されていない左手で振り回すため、威力が弱い。スカイライダー客演時には「パワーアーム」と呼んでいた。
• ネットアーム
  網を放つ。怪人を捕縛する他、操られた一般人を傷つけずに動きを封じたりする。
• ドリルアーム
  使用するにはバッテリーの充電・あるいは5000Ｖの外部電力が必要。が、2500Ｖで使用した際でも、Ｖ３のパンチと同等の威力があった。
  迷台詞「回らない！バッテリーが…無い！」
• マシンガンアーム
  設定のみ存在していたアタッチメント。本編終了後、『仮面ライダーSPIRITS』『CRぱちんこ仮面ライダー』で描かれたり、ゲームに登場したり、フィギュア化したりしていた。それが遂に、2014年の映画『仮面ライダー大戦』にてようやく日の目を見た。媒体により形状が異なる。

その他設定のみ存在するアタッチメントが多数ある。

ライダーマンマシン

ライダーマンの専用バイク・・・であるかは怪しいバイク。というのも、ベースとなったスズキ・ハスラーTSⅣを、手を加えずそのまま使用しているからである。一文字隼人や神敬介の常用バイクとして使用された他、41話に登場した風見の友人、高木も乗っている。いうなればモブバイクである。
設定では核融合エンジン搭載で最高時速250kmを誇るが、口むき出しでそんなにスピードを出したら危ないと思う…。
ハスラーは新サイクロン号のベース車でもあるので、立花のおやじさんに頼み込めば立派なマシンになっていただろうことが予想される。

ライダーマンの活躍と、その最期

・力では怪人には勝てない。
・頭脳キャラなのに意外と無策で、ヨロイ元帥や怪人の罠に何度も引っ掛かる
・口がむき出しなので、ドクガス攻撃や低酸素状態に耐性が無い
等、カッコ悪いところもしばしば見せるが、逆にそんな所を愛する人も多々存在する。
終盤は、捕えられたV3の救出や、バタル弾を頭部から摘出する手術をする等、相棒にふさわしい活躍をみせている。

ヨロイ元帥への復讐を誓っているものの、脱走後もデストロン首領への忠誠心は無くなっておらず、当初は『デストロンのため』にヨロイ元帥を倒そうとしている節すらある。また、Ｖ３の攻撃からデストロン首領を無意識にかばってしまったあたり、並々ならぬ恩義を感じている様子。しかし５１話で「（プルトンロケットの）発射準備をせよ。（中略）人類など虫けらの価値さえも無い。」という首領の本心を聞き、「それでは俺は、俺は悪魔に忠誠を誓っていたというのか！？」と激しく後悔した。

復讐の相手・ヨロイ元帥を目の前にして、復讐よりも人類の平和を優先してプルトンロケットに乗り込み、上空で自爆、命をかけて東京破壊を阻止した。
「ライダーマン・結城丈二の最期を見ろ！！！」

その姿を見たＶ３は、ライダーマンに仮面ライダー４号の名を贈った。

ライダーマン、よくやってくれた。君は人類を守った。君は英雄だ。俺は君に、仮面ライダー４号の名前を贈るぞ。
ライダーマーン！！！

ぼくのライダーマン

ライダーマンのテーマソング。劇中で使われたのは、上記殉職シーン。

物悲しいメロディで、熱く戦った男を歌った名曲である。こうして、『仮面ライダー４号』ライダーマンの戦いは終わりを告げた。

…かと思われた。

『仮面ライダーX』以降のライダーマン

『V3』での自爆により生死不明となったが、後の客演作品では実は生きていたと明かされた。

仮面ライダーＸ劇場版『五人ライダー対キングダーク』

タヒチからやってきた。君は、遠い遠い国（タヒチ）で生きているー

仮面ライダーストロンガー

37話に帰国。しかし、城茂/仮面ライダーストロンガーをデルザー軍団の仲間だと勘違いしたあげくに変身前の茂相手にライダーマンに変身する、同格だったはずの志郎相手に敬語を使いなおかつ直後の戦いで川に浮かんで敗北するなど残念なところを見せつけてくれた。

仮面ライダー（スカイライダー）

第26～28話、第33話、第54話に客演しているが、結城丈二およびライダーマンとしては第33話が初の単独客演となる。
なお、第26話ではXライダーとの共闘とはいえ、キックで砲台を破壊するなど妙に強い場面が見られる。

10号誕生!仮面ライダー全員集合!!

結城丈二が風見志郎、沖一也と共に客演した。戦闘面では、ロープアームでトカゲロイドを撃破した。ここから始まるロープアーム伝説。

この作品が、これまで結城丈二を演じてきた山口豪久氏の俳優としての最期の作品となった（2年後に急逝）。
ちなみに、この作品で若き日の唐沢寿明氏がライダーマンを演じていることは有名である。唐沢氏が非常に小顔のため、マスクがブカブカなのが可愛い。

仮面ライダーBLACK RX

歴代ライダーと共に登場。この時のスーツアクターは、若き日の高岩成二。

MOVIE大戦MEGAMAX

『栄光の７人ライダー』として登場。むっちりしている。ロープアームでメズールを倒す大金星をあげる。

仮面ライダー大戦

昭和ライダーの一人として登場。マシンガンアームでフォーゼと撃ちあい、ロープアームでオーズを撃破した。

再改造説

右腕以外の全身の改造手術も（裏設定では）受けており、ハンデも完全克服している…という説がある。以下その根拠

• プルトンロケットの爆発から生還
  死亡寸前にダブルライダーに救出され、全身改造手術で生還したとか。
• 左腕にパワーアーム
  劇場版『五人ライダー対キングダーク』での話。左腕もカセットアームになった？余談だが『仮面ライダーX』第27話では、藤兵衛が「死んだと思ったライダーマンもどっこい生きていた」と言って劇場版『五人ライダー対キングダーク』の回想と思われる話をする場面があるが、この第27話でたまたま帰国していた風見志郎はGODの事を知らない上に神敬介とは初対面、第33話では敬介が2号を知らない上に一文字隼人とは初対面なので、あの映画は一体何なのか、また、ライダーマンは本当に生きているのかはテレビ版では不明のままである。
• あきらかにキック力が向上している
  スカイライダー客演時での砲台破壊シーンの他、劇場版スーパー１では、キックで怪人を倒している。再生怪人だけど。

戦闘服の性能をアップさせた可能性も否定できないが、再改造を施された、と考える方が自然と思われる。なぜマウスガードを付けなかったのか

仮面ライダーＸに出演予定だった？

第28話「見よ！Xライダーの大変身!!」にて神敬介は、マーキュリー回路の移植と、全身の血液交換という大手術を受ける。実はこの手術は結城丈二が施術をして、その後準レギュラーになるという話であった。
しかし結城丈二役の山口暁氏が、同年放送の『電人ザボーガー』の主人公・『大門豊』役に抜擢され、スケジュールの都合で出演できなくなってしまう。そこで代役の白羽の矢が立ったのが、Ｖ３だという話である。
たしかに、元科学者でＶ３に施術したこともある結城丈二ならば、納得のいく配役である。もし結城丈二による完全なパワーアップ手術が行われていれば、神敬介は元のサラサラヘアーのままだったかもしれない…

また、『ぼくのライダーマン』が仮面ライダーＸのサントラ盤に収録されているのは、Ｘライダーに出演予定だった名残と言われている。

『仮面ライダーディケイド』でのライダーマン

演：GACKT

リ・イマジネーション結城丈二。映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場。元々は大ショッカーの科学者であったが、大首領・門矢士に右腕を奪われたことで組織と士に復讐を誓っている。オリジナル同様、普段は義手生活をしている。

ブラスターアーム

サイコガン。強力なエネルギー弾を撃ちだす。結城的有機的なデザインが特徴。劇中では右腕を引きちぎり装着し、士はドン引きしていた。もしヘルメットを使用していれば、こんな手間はかからないのかもしれない。

オールライダー対大ショッカーの主題歌PVにも登場。ブラスターアームを生身の人間に発射している。

劇中では演じているのがGACKTであると伝わりやすいように、ライダーマンへと変身するシーンはない。だが、映画終盤に存在する仮面ライダー全員集合シーンにいるライダーマンは、漫画版ではGACKT演じる結城丈二と同一人物とされている。

例え孤独でも、命ある限り戦う。それが仮面ライダーだろ！

結城丈二を演じた人物

客演作品では、代役として声優が起用されているケースが多い。

• 林一夫（五人ライダー対キングダーク、スーパーヒーロー大戦）
• 永江智明（仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王）
• 岸野一彦（仮面ライダーBLACK RX）
• 江川央生（仮面ライダーSD）
• 古田信幸（PS版・仮面ライダーV3）
• 滝下毅（仮面ライダー 正義の系譜）
• 勇吹輝（レッツゴー仮面ライダー）
• 増田隆之（MOVIE大戦MEGA MAX）
• 半田健人（仮面ライダー大戦）
• 石川英郎（スーパーヒーロー大戦GP）

ライダーマン・結城丈二の関連動画を観ろ！

関連項目を忘れていたな！

• 山口暁
• 仮面ライダーV3
• 昭和ライダーの登場人物一覧
• 風見志郎
• 仮面ライダー4号