花の慶次 単語


ニコニコ動画で花の慶次の動画を見に行く

ハナノケイジ

3.3千文字の記事
これはリビジョン 180552 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

花の慶次とは、隆慶一郎作の歴史小説「一夢庵風流記」を原作とした、原哲夫の歴史漫画。
「週間少年ジャンプ」1989年50号に読切版が掲載され、
翌1990年13号から1993年33号に渡って連載された。

タイトルの発案および、題字は、隆慶一郎の手による。1993年にはカセットブックが発売されている。
コミックスは全18巻(集英社)
1999年には文庫版(全10巻)
2004年から2005年にかけて完全版(徳間書店、全15巻)が刊行された。

あらすじ

時は戦国の世、自由気ままに奔放に生きる、当代きっての傾奇者にして天下無双の武勇を誇る
漢・前田慶次の活躍を描く。

変遷

前作の『北斗の拳』とは異なり、絵の描き込みが簡略化され線が少なくなっている。
作画の原哲夫があまりに多忙なため已む無く効率化を図ったものとされているが、
その結果読者や関係者から「絵が見やすくなった」と絶賛され、以後このスタイルを保つようになったという。
原本人はこの評価を受けて「今までの苦労は何だったんだろう」と語っている。

ただし簡略化されたとはいえ人物のアップなどで見せる重厚な描き込みは健在であり、
作画の緻密さは現在のレベルに置き換えてもトップクラスに位置する。
また、鎧など武具のディテール、並びにバリエーションの多さは原の並々ならぬこだわりを感じさせる
本作品の見所のひとつである。

登場人物

前田慶次

正しくは前田慶次郎利益。天下一の傾奇者。身の丈は六尺五寸(197cm)以上ある大柄の武将。
出自は滝川一益の従弟である滝川益氏の次男で、前田利家の兄、前田利久の養子となる。
養父利久の一生を見届けるまであえて不仲の叔父利家の治める金沢に居続けるなど自らの道理で生き、
自由を貫き通す奔放な男。勝ち戦よりも負け戦こそいくさ人のあるべき場所と信じ、
好んで劣勢な軍勢に味方する。膂力に優れ、おそろしいほどの酒豪でありながら、その一方旅日記を書く、
伊勢物語を写本する、千利休と交流するといった風流な文化人の側面もある。
その無頼な振る舞いを気に入った秀吉から「いかなる相手であっても自分の我を貫き通してよい」という
「傾奇御免状」を与えられた(実際に文書を与えられたわけではないが、諸大名の集う中での宣言であり、
公文書同様の権威がある、との意味で。原作では奥村助右衛門がこう呼んだ)。
自称として、雲井ヒョットコ斎(水沢隆広に名前を聞かれた慶次がとっさに思いついた名前)
一夢庵ひょっとこ斎(慶次が出家したあとの名前)。
原作及び史実では妻子があり(妻は前田安勝の娘、子は前田正虎の他に娘が4人)
金沢出奔の際に離縁しているが、少年漫画であることを考慮してか本作では全く触れられていない。
まつとの関係も同様にカットされている。
原作「一夢庵風流記」での名前は「前田慶次郎」となっている(利家や友人が「慶次」と呼ぶ事はある)が、
原作者の隆慶一郎自身が「少年漫画でやるならこの方がいい」と出したアイディアによって「」の字を省くことになった。
作画上も青年のように描かれているが、史実の信憑性の高い説ではもっと年齢が高く、
原作でも老いた事を思わせる台詞がある。
また漫画版ならではの演出として、立腹した時は常に持ち歩いているキセルを逆さにして音高く
「トーントーン」と二度叩き、火皿の中の煙草をふるい落とす(そしてキセルで殴りつける)、
多種多様な衣装(猿の衣装や白鷺の衣装など)を披露しているなどがあり、よりコミカルに描かれている。

松風

人を軽く踏み殺せる巨躯の馬。上野国の前橋城近くで野生の馬群を率いていた。馬を手に入れようとする滝川勢を翻弄するが慶次に惚れ込まれ、彼に10日間をかけて「口説かれ」てその愛馬となる。

捨丸

四井主馬の家来だった小柄な忍び。
弟を松風に蹴り殺され慶次を付け狙っていたが、その一方で惚れ込んでもおり、
仲間7人を殺して慶次に仕える。位こそは下忍だが、(事実上)加賀忍軍最強の忍びである。
炸裂弾が主な武器。戦闘の際には何故か「たらら〜」と鼻歌を歌うクセがある
(炸裂弾や手裏剣を投げる、あるいは斬りつける際には「らん!」。漫画版のみ)。
嘘をつく(演技に身が入る)と両目が外を向く(漫画版のみ)。
慶次を殺した手柄で侍になることが夢だったが、主馬との再会でその機会を得た際、
慶次の人柄を改めて知り「正々堂々と戦って殺らなきゃ罰があたる」と殺すことを思いとどまった。

岩兵衛

鬼のような顔をした七霧の里の住人。
おふうの育ての親でおふうを連れ戻そうと慶次の命を狙っていたが、
慶次の人柄に惚れ、その後家来となる。人の心が読める分、心を閉ざす、
読めない相手に恐怖することもある。
巨体を生かした拳や蹴りが得意だが、体術にも長け、素手で手裏剣を払い落とす、
関節を外しての上体そらしで斬撃を回避する、走って木を駆け上るなど身体能力は抜群。
おふうの母お雪を愛していた。

まつ

利家の正室。母性的でいて尚且つ少女のような可憐さを持つ美女。
慶次が心底惚れている女性であり、何かと気の弱いところがある利家を支える女丈夫である。
末森城に佐々成政侵攻の際、出陣を渋る利家に代わり城内の女たちを引き連れ救援に赴こうとし、
利家を慌てさせ出陣させた。また利家が大名になった後もたびたび城下に下り買い物を楽しむなど、
奔放で天真爛漫な性格は利家および配下の人物の心配の種になっている。

奥村助右衛門

慶次とは莫逆の友で良き理解者。加奈の兄。
誠実で争いが起きても彼がそこに現れるだけで争いは鎮まるという。
また、寡兵で佐々軍1万5千から末森城を死守、
その時昇り来る敵兵に慶次と共に小便をかける(この豪快な行為で自軍の兵の士気が上がった)など
豪勇さをも併せ持つ文武両道の傑物。
史実においても、柴田勝家をして「沈着にして豪胆」と言わしめた人物である。

直江兼続

 上杉景勝配下の武将。普段は温和で優しい性格。
慶次が男として惚れるほどの文武両道の名将。
上杉家の小姓のいざこざでは、上杉の老臣達を一喝した。
慶次の朱槍を軽々と振るう。 兜の前立ては「愛」の一文字。
これは史実通りの描写であり、由来は愛染明王の頭文字を取ったなど、諸説がある。

豊臣秀吉

時の天下人。
天下一の傾きぶりを見せるという慶次に興味を持ち、自らに謁見させる。当初は殺意すら露にしたが、
謁見のあとは慶次に惚れ込み、傾奇御免の御意を授けた。
その後二人の間には友情さえ芽生えており、
秀吉のほうは一度百万石というとんでもない条件(事実上、五大老と同等の扱い)で家臣にしようとしたが、
結局断られている(NOの返事は最初から分かっていたようである)。

真田幸村

松風を欲して慶次と親しくなり、初陣の時に野風(慶次が秀吉から拝領した名馬。原作では主に捨丸の乗馬)
を慶次から譲られる。大道寺との戦いに参戦後、
伊達を小田原陣に参戦させる為の交渉を任せられた慶次に同行する。
秀吉に寵愛されているが、小田原の温泉において(湯気で顔が見えなかったとはいえ)
秀吉を「じいさん」呼ばわりしてしまい、秀吉本人と分かった瞬間は恐れおののいていた。

伊達政宗

独眼竜の異名で知られる奥州の大名。
弟や気性の激しい母(義姫)との不仲に頭を悩ませている。
弟を恨んでいるように思われたが、実は自分同様に母親に踊らされる存在であった弟を哀れんでいた。
一度は弟を処刑しようとしたが、(慶次の示唆により)表向きは処刑した事にして、助命している
(史実では助命したという事実は無い)。慶次が使者としてやってきたことにより小田原に参陣する。
慶次との初対面時の印象は最悪で、慶次に餓鬼扱いされるが、
再会した際の熱い拳と拳の語り合いで心を通じさせ、更に弟に対する態度を見て慶次も考えを改めて、
やはり大人物だと評した。なお、政宗は小田原参陣で秀吉の前に初めて謁見する際、
全軍に白装束を着せて町を練り歩いたり、
朝鮮出兵に際して自分の兵士に派手な装飾を施したというエピソードなどから「伊達者」と評されており、
彼もまた「傾奇者」である。

その他

1994年四次元からスーパーファミコンでゲーム化、
2007年7月、ニューギンよりパチンコ台「CR花の慶次」がリリースされた

 

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/11(木) 02:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/11(木) 02:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP