花咲くいろはとは (ハナサクイロハとは) [単語記事]

『花咲くいろは』とは、P.A.WORKS制作のオリジナルTVアニメーションである。公式の略称は「花いろ」。

2011年4月～9月に放送された。全26話。ニコニコ動画では最新話が1週間無料で配信された。

概要

P.A.WORKS10周年記念作品であり、『true tears』に続く青春シリーズの第2作目。『true tears』でスマッシュヒットし、『CANAAN』、『レイトン教授と永遠の歌姫』、『Angel Beats!』等、着実に評価を上げてきている制作会社の新作と言うこともあり、開始以前から大きな期待が寄せられた。

地方の温泉旅館・喜翆荘（きっすいそう）を舞台に、主人公・松前緒花たちの成長を描く青春お仕事ドラマ。

石川県の湯涌温泉がモデルとなっており、作品がヒットしたことで震災の影響に寄る観光客数の低迷が、ファンの訪問もあってなんとか回避、作品中の架空の祭りである「ぼんぼり祭り」等の企画も実際に行われ、盛況を博した。「ぼんぼり祭り」は、2012年も引き続き開催されることになっている。

劇場版

2011年の「ぼんぼり祭り」で、新作の制作が発表されたが、どのような形での新作かは発表されていなかったので、当初は様々な予想が流れた（アニメ2期、OVA、さらには実写化などの予想もあった）。その後2012年5月に『劇場版花咲くいろは HOME SWEET HOME』であることが発表され、ファンからは歓喜の声があがった。

2013年3月9日より石川県で先行公開され、3月30日より全国公開された。

登場人物

松前緒花（まつまえおはな） - CV：伊藤かな恵: 本作の主人公である16歳のホビロン高校生。半ば母親に騙される形で、祖母のスイが女将を勤めている温泉旅館・喜翆荘で仲居として働くことになる。声が大きくて元気な性格で、良くも悪くも空気が読めない子。幼稚園のころから母親の代わりに毎日の食事を作ってきたので、料理はうまい。ドラマチックな人生に憧れている。第11話では「ぼんぼる」という言葉を編み出した。
鶴来民子（つるぎみんこ） - CV：小見川千明: あだ名は「みんち」。緒花と同級の高校生。喜翆荘の住み込み板前見習いで、緒花とは同じ部屋で寝起きすることになる。言動はきつめで、緒花に「『死ね』の人」と言われることも。緒花に「『死ね』はやめよう」と懇願され、第3話では「ホビロン」なる罵声を編み出した。コミック版では「サンナクチ」。苦手な食べ物はほうれん草。
押水菜子（おしみずなこ） - CV：豊崎愛生: あだ名は「なこち」。緒花・民子と同級の高校生で、喜翆荘のアルバイト仲居。引っ込み思案な性格でコミュニケーション能力に欠けている。3歳のころからスイミングスクールに通っており、水泳が得意で昔は「かっぱっぱ」というあだ名を付けられていた。苦手な食べ物は里芋。
和倉結名（わくらゆいな） - CV：戸松遥: 喜翆荘のライバル旅館・福屋の一人娘。しかし、旅館の仕事には興味がない。ドリルヘアーなお嬢様ながら、フレンドリーでとても親しみやすい。気分によってエセ関西弁やエセ博多弁などを使うことがある。よくモテるため男からしばしば告白されるが、ことごとくふっている。別の旅館の番頭・日渡洋輔（ひわたり・ようすけ）という許嫁がいる。
輪島巴（わじまともえ） - CV：能登麻美子: 喜翆荘の仲居頭。緒花や菜子から慕われている姉御肌。巴姉さんと呼ばれると照れる。泣き黒子がチャームポイント。男日照りで噂大好き。もうすぐ三十路で、親からは早く結婚して孫の顔を見せてくれと言われている。
種村孝一（たねむらこういち） - CV：梶裕貴: 緒花が転校する前の学校での同級生。緒花からは「孝（こう）ちゃん」と呼ばれている。緒花のことが好きで第1話で告白をするも、返事はもらえていない。公式サイトのキャラ設定によると「緒花の東京でのボーイフレンド」となっているが……。作中での不遇っぷりからコメントでは「不幸ちゃん」と言われることも。
宮岸徹（みやぎしとおる） - CV：間島淳司: 民子の先輩である喜翆荘の板前。粗暴な口調で一言多いタイプだが、料理への情熱は本物。最近は緒花のことが気になる様子。愛車はカワサキのゼファー400だと思われる。
松前皐月（まつまえさつき） - CV：本田貴子: 緒花の母親。職業フリーライター。いい年して男遊びにふけるダメ人間。しかし、夫と死別してからの15年間、一人で緒花を育ててきたのもまた事実である。ちくわの煮物が好物だが、ブロッコリーが苦手。緒花が小学生時代のときに、出席すると約束した授業参観を欠席。その腹いせに生のブロッコリー周りに隙間なく敷き詰められて「大嫌い」とケチャップ文字で書かれたオムライスを出されたという逸話がある。劇場版では主役を務め、高校生時代の皐月が描かれる。
四十万スイ（しじますい） - CV：久保田民絵: 緒花の祖母で喜翆荘の女将。とても厳しい性格ではあるが、単に厳しいだけの人間ではなく従業員からは尊敬されている。
四十万縁（しじまえにし） - CV：浜田賢二: スイの息子で緒花の叔父に当たる。喜翆荘の番頭。従業員からは若旦那と呼ばれている。自由奔放な姉・皐月にコンプレックスを抱いている。旅館経営の才覚はほぼ無い(とスイからは見なされている)が、彼なりに旅館経営を考えており、大学の後輩であるコンサルタントと手を組んで旅館を盛り上げようとしている。
富樫蓮二（とがしれんじ） - CV：山口太郎: 喜翆荘の板長。角刈りで、とても渋く貫禄のある人物であるが、実はプレッシャーに弱いという一面も。
川尻崇子（かわじりたかこ） - CV：恒松あゆみ: 縁の雇った経営コンサルタント。縁の後輩でもある。大学、大学院で経営学を専攻してきたが、そのアドバイスはどこか的外れ。なぜか会話で必要以上に英単語を多用。
次郎丸太郎（じろうまるたろう） - CV：諏訪部順一: 喜翆荘に逗留している売れない小説家。うまく小説が書けなかったため、緒花たちを題材に「温泉仲居、泡まみれの新人研修」という官能小説を書こうとした。未払いの宿泊賞と引き替えに、喜翆荘で働くことになる。ヤマカン。; 24話で意外な過去が明らかになり、宮岸徹と鶴来民子が頭を抱える。
助川電六（すけがわでんろく） - CV：チョー: あだ名は「豆じい」。喜翆荘の営繕担当で業務日誌を書いている。開業時から在籍する最古参の従業員。スイとの関係は長く、彼女とその夫が喜翆荘を開業する前に働いていた旅館からの付き合い。最終話の引退後の別れの際には、女将であるスイをスイちゃんとも呼んでいる。

スタッフ

原作： P.A.WORKS
監督：安藤真裕
シリーズ構成：岡田麿里
キャラクター原案：岸田メル
キャラクターデザイン・総作画監督：関口可奈味
音楽：浜口史郎
音響監督：明田川仁
アニメーション制作： P.A.WORKS

主題歌

曲名	作詞	作曲	編曲	歌	使用話数
オープニングテーマ
ハナノイロ	きみコ		nano.RIPE		#1ED・#2～#13
面影ワープ	きみコ	佐々木淳	nano.RIPE		#14～#25
エンディングテーマ
Hazy	坂井季乃	黒須克彦		スフィア	#2～#5・#7・#9・#10・#12・#13
はなさくいろは	原田郁子	ミト	クラムボン		#14～#21・#23・#24
月影とブランコ	きみコ		nano.RIPE		#6・#9挿入歌
夢路					#8・#26
細胞キヲク					#11
ハイリープ					#22
挿入歌
リップシンク	きみコ	佐々木淳	nano.RIPE		#1
春の向こう	原田謙太	田崎慎也	Rey		#2・#3・#12
長い旅路の途中	原田謙太	坂本克之	Rey		#12
イメージソング
パトリシア	きみコ	佐々木淳	nano.RIPE		PV

劇場版

曲名	作詞	作曲	編曲	歌
影踏み	きみコ	きみコ、佐々木淳	nano.RIPE

各話リスト

話数	サブタイトル	放送日（ニコニコ動画）
第1話	十六歳、春、まだつぼみ	2011年4月9日
第2話	復讐するは、まかないにあり	2011年4月16日
第3話	ホビロン	2011年4月23日
第4話	青鷺ラプソディー	2011年4月30日
第5話	涙の板前慕情	2011年5月7日
第6話	Nothing Venture Nothing Win	2011年5月14日
第7話	喜翆戦線異状なし	2011年5月21日
第8話	走り出す	2011年5月28日
第9話	喜翆荘の一番長い日	2011年6月4日
第10話	微熱	2011年6月11日
第11話	夜に吼える	2011年6月18日
第12話	『じゃあな。』	2011年6月26日
第13話	四十万の女～傷心ＭＩＸ～	2011年7月2日
第14話	これが私の生きる道	2011年7月9日
第15話	マメ、のち、晴れ	2011年7月16日
第16話	あの空、この空	2011年7月23日
第17話	プール・オン・ザ・ヒル	2011年7月30日
第18話	人魚姫と貝殻ブラ	2011年8月6日
第19話	どろどろオムライス	2011年8月13日
第20話	愛・香林祭	2011年8月20日
第21話	蘇る、死ね	2011年8月27日
第22話	決意の片思い	2011年9月3日
第23話	夢のおとしまえ	2011年9月10日
第24話	ラスボスは四万十スイ	2011年9月17日
第25話	私の好きな喜翆荘	2011年9月24日
最終話	花咲くいつか	2011年10月1日