貴族主義とは (キゾクシュギとは) [単語記事]

貴族主義（英:aristocracy アリストクラシー）とは、思想の1つである。反対語は民主主義（デモクラシー）である。

貴族主義を体現する政治体制のことを貴族制という。

概要

定義

貴族主義とは、少数の貴族に権力を多く与えて支配者として君臨させ、貴族以外の多数者に権力を少なく与えて被支配者として従属させることを肯定する思想である。

典型例

21世紀の日本は少数の世襲議員が多数の国民を統治する政治体制になっている。政権与党の自民党に所属して親から後援会を世襲した立候補者が衆議院選挙や参議院選挙で当選して世襲議員になり、当選回数を積み重ねて自民党内での地位を固め、党内で党三役の座を掴み、優先的に内閣に入って大臣政務官・副大臣・大臣に就任していく。

世襲議員のことを一種の貴族とすれば、21世紀の日本は典型的な貴族制の国ということになる。

貴族主義の短所

貴族主義の短所は、階級社会を生むところである。社会が「貴族を含む上位階級」と「貴族を含まない下位階級」の2つに分裂する。

世の中には様々な階級社会が存在するが、どの階級社会も共通して大きな欠点を抱えている。階級社会になると、人が「所属する階級が異なる人」に対して話しかけることをためらう社会になり、人が「所属する階級が異なる人」に対して積極的情報提供権（表現の自由）を行使することを遠慮する社会になり、情報伝達が盛んに行われない社会になり、風通しが悪い社会になる。