速記(shorthand; stenography)とは、発言などを書取る為に編み出された速書きの技法である。
発言を正確に書き取るにはその話されるスピードに引き離される事無く同等の速度で記述する必要がある。その為には書取りに要する時間を短縮するのが一番で、頻出する単語や表現を略記したり、省略する事が最も有効な手段の一つである。速記はこうした数々の手法を実用に耐えるレベルの技術体系に纒め上げたもので、主に議事録を記録する用途として発展してきた。
速記は紀元前一世紀のローマが起源と言われ、速記法の発明者として知られるのがマルクス・トゥリウス・ティロである。彼はキケロの口述筆記を担当し、議会演説の記録などでその手腕を発揮した。彼はキケロの死後その遺構や著作を纒めて出版していたされる。
ティロが編み出した速記術は彼の名をとってティロ式速記法(notae Tironiae; Tironian notes)と呼ばれるようになり、中世でも主にキリスト教修道院で使われた。
独自の速記術を考案し自ら用いていた人物として知られるのがレオナルド・ダ・ヴィンチで、彼は略号を駆使しながら13000ページに上ると言われる膨大な数の手稿を書き残した。また彼は利手の関係もありその内容は全て鏡文字(字形が左右反転した文字)で書かれていた。
国内では速記技能検定という日本速記協会認定の資格制度(文部科学省後援)が存在する。
速記技能検定の等級は一級から六級まであり、六級で分速80字、一級で分速320字程度の記録力が求められる。いずれの級位も高い正確性が必要とされ、六級で96%、二級以上では98%の正確度が合格基準となっている。受験料は六級が1,200円、一級が5,000円。受験資格はなく、下級資格から段階的に受験する必要もない。
受験時の速記法に指定は無く、試験問題の朗読を速記符号で記録し、それを訳したものを原稿用紙に書いて提出する(速記符号は審査対象外)。一級・二級合格者はそれぞれ「1級速記士」、「2級速記士」に認定され、速記士証書と速記士証の交付を受ける事が出来る。合格率は六級で六-七割、一級で7〜15%程度となっている。
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最終更新:2025/12/13(土) 12:00
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