金星探査機「あかつき」とは、日本の惑星探査機(惑星気象衛星)である。
2010年5月21日(金)6時58分22秒、H2Aロケット17号機によって、7機の相乗り衛星とともに種子島宇宙センターから打ち上げられた(当初は同年5月18日午前6時44分の予定であったが、天候不順のため延期された)。この模様はインターネットでライブ配信され、ニコ動でも早朝に関わらず、多くの視聴者が打ち上げの瞬間に歓声を上げた。
所属と運用は宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所(JAXA/ISAS)、あかつきプロジェクトマネージャーは中村正人(JAXA/ISAS教授)、機体製造はNEC東芝スペースシステム他(「はやぶさ」でおなじみ)。
基本システムは、無事に地球帰還を果たした「はやぶさ」ことMUSES-Cをベースとし、さらに改良を重ねたものになっている。
しかし、同年12月7日、周回軌道突入に向けた逆噴射の際にトラブルが生じて軌道に乗らず、断念の判断を下した。だが、6年後(2016年12月~2017年1月)、本機と金星が再接近するので、再度周回軌道への突入を試みることも発表された。なお、6年間の気になる維持費であるが、1年あたり1億円程度かかると言われている。限られた予算の中で、仕分けをくぐり抜けて維持費を確保するには、中の人だけでなく外からの応援・支援が欠かせないのは言うまでもない。
今なお謎に満ちた金星の大気。これを赤外線カメラ・紫外線カメラで観測すること。
2010年12月、近金点300km、遠金点80,000kmの傾斜角172度の金星周回軌道に乗り、最低2年(金星暦で3年)金星大気の調査を行う予定である。あった。
しかし、前述の通り、2010年12月の周回軌道投入は断念。6年後に再起を図ることになった。
「第24号科学衛星」、開発名「PLANET-C」、愛称「あかつき」。
日本の探査機としてはMS-T5「さきがけ」と共にハレー彗星を目指したPLANET-A(「すいせい」)、壮絶な旅路の果てに力尽きたPLANET-B(火星探査機「のぞみ」)、7年をかけて地球に帰還した工学実験衛星MUSES-C(小惑星探査機「はやぶさ」)、小惑星探査ロボット「ミネルバ」に次ぐ6番目(ミネルバは本来の目的から外れているので、厳密には5番目になる)。
また、惑星探査機シリーズという点では、上記の「すいせい」「のぞみ」の後継に当たる3番目という意味で、PLANET-Cという開発名が付けられている。
愛称の『あかつき』は、金星が最も美しく輝く時間である「日の出直前の東の空が白み始める頃」を指す言葉『暁』が由来になっている(「明けの明星」という言葉もあります)。打ち上げ前に名称を公開することは異例であるが、衛星と計画をより身近に感じてもらうため、今回のような措置をとった。
アメリカやソ連(ロシア)の惑星探査が地表構造の調査に重きを置いているのに対し、ISASの(地球を含む)探査機は惑星上層の大気や電離層調査に重きを置くのがある意味伝統である。当然、あかつきも金星の大気調査を目的としており、探査が成功すれば世界初の地球外惑星の気象衛星となる。また、今回先行して2006年4月にヨーロッパ宇宙機関(ESA)からVenus Expressが金星探査に投入されており、共同で金星大気の謎解きに挑戦することにもなってる。
さらに、旅の同行者として世界初のソーラーセイル実証機「IKAROS」(イカロス)も同時に打ち上げられたが、こちらも無事にH2Aからの分離に成功し、新技術の確立に向けた実証実験に入っている。
地球と同時期に生成されたにもかかわらず全く違う姿を成した「金星」。どうして金星は地球のように生命に溢れた星とならず、厚い二酸化炭素のコートに覆われた星となったのか。地球の大気生成について知ることにもつながる謎に、そして「のぞみ」が果たせなかった遥かなる旅路にあかつきが挑む!
JAXAでは、のぞみ・はやぶさ・かぐやに引き続き、「お届けします!あなたのメッセージ、暁の金星へ」と題して、探査機に搭載するメッセージを募集したが、結果として計26万人が応募に応じた。そこには初音ミクのファン14,000人も含まれており、ミク専用に3枚のアルミ・パネルが割り当てられて話題となった(詳細は、「初音ミク絵を搭載する署名プロジェクト」を参照のこと)。
PLANET-Cプロジェクトのマスコットキャラクター。いわゆる、ゆるキャラ。当初はプラCくんだったが、『あかつき』命名後は『あかつきくん』となった。相方?は金星をモチーフにした『きんせいちゃん』。
| あかつきくん | きんせいちゃん |
イカロス君やみちびきさんともに、twitterを通じて日々色々と掛け合いをしている。ちなみに、あかつきくんは真面目で優等生、というキャラ付けをする人が多い模様。
___
/ || ̄ ̄|| ∧,∧
| ||__|| ( ....:::::::) 「副長、これを見たまえ。」
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | ( ./ 艦長 /.
http://www.jaxaclub.jp/cgi-bin/index.cgi?MODE=SPECIAL_DETAIL&ID=548
( ー中-●-)「ついに、JAXAが中村ハーロックを公式に認めたぞ。」
( `今_ゝ村´)「おめでとうございます艦長。これで僕もイマムラン副長ですね。」
だってニコ動だもん。仕方ないね。
2010年3月17日
相模原キャンパスを出発。
2010年3月19日
種子島に到着、種子島宇宙センター第二衛星組み立て棟にて待機
2010年5月6日
フェアリング(ロケット先端の風防)4S型に格納完了。ロケット本体への搭載待機。
2010年5月9日
フェアリング、ロケット本体に接続完了。
2010年5月18日
天候不順につき打ち上げ延期。
2010年5月21日
H-IIAロケット17号機にて打ち上げ成功。あかつきからの電波を受信、正常動作を確認。
2010年6月28日
世界初・セラミックスラスターによる軌道制御に成功。
2010年12月7日
早朝、金星周回軌道に乗るため逆噴射を開始→本体が金星の影に隠れて通信途絶(ここまで予定取り)
→影から出るも想定していた時間に通信復帰せず→非常用アンテナで通信回復(通常アンテナは不可)
→テレメトリが取れた。海外のアンテナで電波の受信もしている→つまり本体は生きていることは間違いない
→でも周回軌道に乗ったか不明→場合によっては、再度噴射も検討か(燃料が残っていれば)(リミットは8日)
2010年12月8日
・同11時からの記者会見
1)金星周回軌道への投入ができていないことが発表される。
2)探査機自体は健在だが、現状では燃料が足りず再投入作業は実施できない。
3)第1回アプローチから6年後の2016年12月と2017年1月に金星に再接近、この時投入を試みる方向で検討。
・同20時30分からの記者会見
1)逆噴射を開始して2分25秒後に姿勢が大きく乱れ、自動姿勢制御による姿勢復旧&減速続行ではなく、
セーフモード(退避姿勢)に移行した、ということが判明した。
2)余談。この模様はニコ動でも生中継されたが、質疑応答の中でニコ動の亀松記者が、「中村先生がんばれ、
「あかつき」がんばれとのコメントが多数寄せられている」と中村PMに報告を入れたとのこと。[3]
(忙しい人のための「6年後に再チャレンジ」の分かりやすい解説)
2010年12月10日 (情報元:松浦晋也のL/D[4])
1)あかつきが姿勢を崩し始めた時間、正しくは2分32秒後。角度も360度ではなく42度。
2)燃料タンクを加圧[5]するヘリウムが何らかの原因で規定の一定圧に加圧をせず、
エンジン始動から徐々に燃料タンク内の圧力が減り同時に加速度も低下。
3)始動152秒後に急激に加速度低下、158秒後スラスターによる姿勢制御からリアクションホイールを使った
姿勢制御に移行、推進剤弁閉鎖しエンジン停止。375秒後、姿勢安定せずセ-フモードに移行
4)停止後通常よりゆっくりした戻り方ではあるものの、圧力は正常値に戻る。(=燃料漏れの場合の結果と矛盾)
5)原因特定・各データの見直しの合間にテスト対象がある内にカメラ・デジタル処理系及び
通信系のテストを行いつつ、6年間の休眠期間にどの機材の火を入れたままにし、
どの機材を眠らせたことでどういったリスクがあるのかを精査、年明け3~6ヶ月後に休眠モードに移行予定。
また、探査機の機能確認作業の際撮影された金星の画像も公開される。
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/1210.shtml
2010年12月19日
あかつきのエンジンが、正常時の6割程度の推進力を持っていることが判明したとのこと。[6]
※編集者の方へ。動きがありましたら、随時、加筆をお願い致します。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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