鎌状赤血球症 単語


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カマジョウセッケッキュウショウ

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鎌状赤血球症とは、遺伝性の病気(難病)の一つである。

概要

肺から全身に酸素を運んでいる赤血球が変形して鎌のような形状になり、その能力が著しく低下してしまう病気。鎌状赤血球貧血症ともいう。

後述する理由からアフリカの黒人に多く、白人や黄色人種(日本人など)の患者はきわめて稀である。また、中東(西アジア)やインド、ヨーロッパの地中海沿岸、中南米でも発生がみられる。アメリカ合衆国(北米)でもアフリカ系アメリカ人の血を引いている人はこの病気にかかる可能性がある。

症状

赤血球が非常に壊れやすくなっているため、重度の溶血性貧血が起こる。

また、鎌状赤血球は毛細血管に詰まりやすいため、脳梗塞や急性心筋梗塞、肺塞栓症、急性腎不全、腸間膜動脈閉塞症などの重大な合併症を起こして死亡することもある。

鎌状赤血球が脾臓に詰まることも多く、脾臓が腫れて激しい腹痛発作を起こしたり、(白血球の一部は骨髄ではなく脾臓で作られるため)免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったりもする。

なぜアフリカに患者が多いのか?

鎌状赤血球症は重大な病気ではあるものの、主にアフリカで流行しているマラリアという感染症に抵抗するために身に付けた特殊能力だという説もある。

マラリアとは特定の寄生虫(マラリア原虫)が蚊によって運ばれ、蚊が人間(ヒト)の血を吸う際に感染する病気で、発症すると周期的な高熱や倦怠感などの症状に襲われる。重症化すると脳症や急性腎不全、播種性血管内凝固症候群などの合併症から死に至ることもある恐ろしい感染症である(ただしエボラ出血熱などのウイルス感染症と異なり、早期であれば薬によってマラリア原虫をやっつけて治療することも一応可能である)。

しかし、マラリア原虫は赤血球に感染するため、鎌状赤血球がすぐに破壊されることでマラリアに発症しにくくなるというメリットもある。これは鎌状赤血球症という病気の数少ないメリットでもある。

関連項目

  • 医学記事一覧
  • アフリカ
  • 黒人
  • マラリア
  • 赤血球
  • ヘモグロビン
  • 生物学
  • 遺伝学
  • 進化学、進化論
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最終更新:2025/12/14(日) 00:00

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