開運!なんでも鑑定団とは、テレビ東京系で放送されているお宝鑑定バラエティ番組である。
1994年4月19日放送開始。テレビ東京では毎週火曜日20時54分から放送中。放送枠は多少の前後はあれど開始時から全く変わっておらず、改編期などでも休止はほとんどないというテレ東の聖域。
「お宝ブーム」「鑑定ブーム」の火付け役であり、それまで世間では全く価値が知られていなかったブリキの玩具や仮面ライダーカード、超合金などの驚くべき値段や、横山大観や円山応挙の偽物率の高さを世に知らしめた。他局でも「世界お宝ハンティング」「とんねるずのハンマープライス」など模倣番組が多数立ち上がったが何れも短命に終わり、一方で鑑定団は2024年で放送30周年を迎えた。
元々は、この番組の司会者の一人である島田紳助が過去に司会をしていた深夜番組「EXテレビ」(大阪版・読売テレビ)の一企画として放送した「家宝鑑定ショー」がルーツである。
(更に言えば、イギリス・BBCで1979年より放送されている「Antiques Roadshow」という一般人のお宝を鑑定士が鑑定する番組があり、それをヒントに放送作家の三木聡が日本向けにアレンジして「EXテレビ」で放送したものである。)
当初は「EXテレビ」を放送していた読売テレビのキー局である日本テレビに番組化を打診したが断られ、「EXテレビ」最終回において司会であった島田紳助か上岡龍太郎のどちらかをそのまま司会者として起用することを条件に企画を売りに出した。それにテレビ東京が興味を示し、この企画を買ったことで生まれた番組である。
司会は紳助の他に、古美術に興味があることで知られる石坂浩二が番組化される際に加わった。これにより投資には詳しいが骨董に疎い紳助と、それをカバーする石坂という絶妙なバランスが生まれ、紳助いわく「石坂浩二の存在無くしては成功は100%なかった」という。
また、名物アシスタントとして無愛想に見える棒読みぶりでおなじみの吉田真由子がいる。(彼女は実は2代目である)
当初はあまり期待されていなかったことやテレビ東京という事もあり超低予算で番組は始まり、物凄く小さい電光掲示板のセット、放送初回はレギュラー鑑定士6人に対して席が4つしか無い(2人は裏の鑑定ルームで待機)、「鑑定ルーム」での鑑定中の声がマイク入りでモニターに流れておりオープンザプライスの前に写しの茶碗なのが依頼人に丸わかり、とセット・進行ともにガバガバで紳助が直々に苦言を呈していた。これらの問題点は翌週には改善されたが、当の第2回放送では所定鑑定人の存在する棟方志功の依頼品が登場してしまい「真贋をつけることも値段をつけることも不可」として鑑定不能が早々に発生した。
以上のような準備不足も一因で番組開始当初は視聴率が低迷し苦戦したが、1995年1月17日の阪神・淡路大震災当日に、いわゆる「テレ東伝説」により報道特別番組に差し替わることなく通常放送されたことで視聴率が急増。そして本物のように見える鑑定品が実は偽物だったり、逆にそれほど価値があるように見えない品が実は高価なプレミアがついていたりと、その意外性がある番組内容により多くの視聴者がそれ以降定着し、一躍人気番組となった。
この番組によって「お宝」鑑定ブームが起こり、様々なジャンルにマニアが居て市場があることを再認識させることとなった。
番組開始当初は裏番組に「なるほど!ザ・ワールド」(フジテレビ)、「火曜サスペンス劇場」(日本テレビ)など強力な人気番組があったが、「なるほど」を1996年に終了に追い込み、その後。「火サス」も2005年に終了した。2013年でも平均12%前後という安定した高視聴率を誇り、流石にテレビ全体の視聴率が下がった2023年ともなると10%を切ってしまったが、それでも世帯視聴率7~8%で安定している。
テレビ東京を代表する人気長寿番組であるが、「鑑定団」はローカルセールス枠で放送されている。元々火曜日のゴールデンタイムがローカル編成可能枠であった名残であり、テレビ愛知・テレビせとうち・TVQ九州放送では番組開始当初別枠での遅れ放送であった。その後「鑑定団」の人気上昇によりテレビ東京系列局全局で同時ネット化されたが、未だにローカルセールス枠のため各局でスポンサーが異なる。また、テレビ東京系列以外の全国各地の地方局にもネットされており、土曜や日曜のお昼や午後に放送されている。BSテレ東でもレギュラーで再放送されているので、地方によってはCATVも含め週に4回も流れる。
「出張!なんでも鑑定団」のコーナーは現在では珍しくなった、全国行脚の公開収録であり、北海道から沖縄まで全国各地で収録が行われている。
2011年8月で島田紳助が芸能界を引退したため、以降の3週分は今田耕司を代理司会として収録していたが、そのまま正式な司会者とすることが発表された。当初は骨董の知識は全く無かったが、司会を続けるうちに徐々に鑑定眼が身につき、特に気に入ったガレ作品は詳しくなった。
2016年4月より番組内容を大幅リニューアル。今田耕司は続投するが、番組開始以来司会を務めた石坂浩二と長きに渡ってアシスタントを務めた吉田真由子が降板し、新しい司会に福澤朗を迎え、今田・福澤の二人体制での司会となる。(一部で大江麻理子アナも加入するという情報もあったが、嘘だったようだ。リニューアル後はアシスタントを置かず2人で進行していた)。しかし、女性がいないことで華がなかった事もあってか、半年後にテレ東に2016年に入社したばかりの片渕茜アナをアシスタントに起用している。
このリニューアルの数年前より石坂浩二の発言を一切カットするなど露骨な「石坂外し」が行われているのではないかということが報じられ、石坂と番組プロデューサーとの不仲が原因という説まで囁かれた。
リニューアルを期にサブコーナーは「出張!なんでも鑑定団」と「私のお宝売ります」だけになっていたが、久方ぶりに「シロウト目利き選手権」「幻の逸品買います」などが復活した。
コロナ禍では鑑定を担当した鑑定士以外はすべてパネルにする、出張鑑定が出来なくなり無観客での特定ジャンルの鑑定大会や昔の映像のプレイバックなどの対処でしのぎ、無事に2023年出張鑑定が復活した。
当初は「鑑定ルーム」という鑑定専用のセットが存在し、運べる大きさの依頼品は全てそこで鑑定していた。電光掲示板や鑑定士の座る席の下にはターンテーブル状の回転機構が仕組まれており、宇宙船内部の様な特殊な効果音とともに180°回転する。鑑定ルームでは円卓と椅子が置かれており、上座に石坂浩二が座り、その周りに鑑定士が6~7人が座った。現在の鑑定は専門家が1人、SPで多くても2人で行うが、当時は専門外の鑑定士も参加し全員で依頼品を触って協議の上で鑑定額を決めていた。
2024年現在、出番がない鑑定士もスタジオの席に座っているのはこの時のシステムの名残である。
次第に全ての依頼品が鑑定ルームに運ばれることはなくなり、1997年頃からは通称裏鑑定と呼ばれ、依頼品が披露された場に鑑定士が出てきて鑑定する表鑑定と差別化が図られた。裏鑑定は高額鑑定の可能性が高いとされる一種の激アツ演出のような扱いになり、逆に表鑑定は二束三文の可能性大ということで紳助にもイジられていたが、たまに表でも高額というフェイントも混ぜられた。
2000年に入ると鑑定ルームの出番が減り、時々最後の依頼品を運ぶ程度になった。2004年にもなると出番が全く無くなったが回転機構と鑑定ルームのセットは残されていた。しかし全く使わないにもかかわらずコストが嵩むからか、2007年頃には回転機構と裏のセットは取り除かれた。
放送当初は正体不明の品物以外は全てスタジオで一発勝負の鑑定が行われており、故に鑑定不能や宿題(鑑定士が自ら取材に赴き決着を出す)が発生したが、2000年頃からは収録の数週間前から綿密な取材や下調べを行い、確実に値段が出るようになっている(曜変天目の鑑定では何故かあんなことになったが)。スタジオの鑑定は完全にポーズである。時々「キンケシ2099体」のような絶対にその場で鑑定できねぇだろという代物も登場し、何ともシュールな光景となる。
依頼品の鑑定額を表示し、番組の見どころになっている。鑑定額は向かって右側にテンキーのような打ち込みの機械があり、これに石坂→福澤が金額を打ち込んで紳助→今田の「オープン・ザ・プライス!」の掛け声とともに表示される。現在までに4回変更されている。
1994年4月の放送開始時から使用。小さい7セグメント式の電光掲示板で、初期はカンマの表示もなく、「イチ!ジュウ!ヒャク!セン…」の読み上げ効果音もなく一目で鑑定額が分かりにくい問題点があった。後に「 , 」「 万 」「 億 」が白い文字でガラスに書き込まれ改善された。すべての位が表示されると右端にある「 確定 」の赤いランプが「チン♪」というレジスターの音と共に灯りBGMが流れる。
時々「確定」の下の方にある「 審議 」の青いランプが灯る事があり、「リンゴの化石」の場合は国立博物館の取材や非破壊検査の末に正体不明だったため鑑定士全員が「自分なら買う値段」を各々答え、平均3万6,400円という特殊な値段がついた。「チムー文化の壺」は専門の鑑定士が存在せず、東大教授に値踏みを依頼したが値段が付けられず最終的に鑑定不能となった。近年では谷一尚が値段をつけている。
1995年頃から使用。演出や効果音などは変わらず、表示形式も引き続き7セグメントではあるが液晶のサイズが2倍に大きくなった。「確定」と「審議」のランプはそのまま流用されている。途中から電光掲示板の周りのセットが変更され、おなじみの両腕を上げた招き猫型にになった。このセットは途中でメカっぽくマイナーチェンジされながらも20年近く使用された。
1998年頃から使用。赤・黄・緑の3色が発光可能なLED式となり7セグを脱却。簡単なアニメーションや絵も表示可能で、待機時は「 l 開運 l なんでも鑑定団」と表示されていた。確定のランプが廃止され、最後の桁が出ると左から「¥」が流れてきて背景色と数字の色が反転する事で確定を表す(背景が赤→黒)。
白文字での「万」「億」の表示は廃止された一方で、桁が上がる時の音は「チャリン」という電子音だったので再び一目で鑑定額が分かりにくくなったが、間もなく冨永みーなによる「イチ!ジュウ!ヒャク!セン!マン!」の効果音が追加され改善された。ちなみに表示可能なドット数は縦32、横160である。
2012年頃から使用。三代目と同じ大きさあり、演出に関しても特筆すべき変更点はないが、3色LEDからフルカラーLEDとなり、画質や発色の良さも大幅に進化した。どんな映像も表示可能になったので、時々流れる企業コラボCMでは文字や映像も表示している。2016年4月の番組リニューアル時には周りのセットが招き猫ロボ型から虫眼鏡を持った可愛い猫に変更され、あまりの変貌ぶりに賛否があった。
番組の人気は企画の面白さだけではなく、強烈なキャラを持つ鑑定士の魅力も大いに貢献していた。特に喋りが達者な中島誠之助・渡邉包夫・北原照久の人気は高かった。しかし、番組開始間もない1998年に渡邉が亡くなり、番組が長寿番組になるにつれ、健康上の問題や逝去によりレギュラー・準レギュラー陣は頻繁に変わっている。
当初は「史上最強の鑑定士軍団」と称され、毎回番組開始時にレギュラー鑑定士+特殊分野のゲスト鑑定士を紹介する「鑑定士軍団データファイル」が放送されていたが、番組セットが変更された1998年頃からは省略されがちになり、1999年には消滅した。「鑑定士軍団」という呼称も現在では放送紹介ページの出演者一覧での使用に留まっている。
詳細は開運!なんでも鑑定団の鑑定士一覧
「柿右衛門様式の壺」はヘッセン家当主が所有していたもの。最初に大量のコレクションが置かれていた屋敷の中を回りながらの鑑定企画が行われ、1000万単位が続出。食器棚だけで1億円超えが飛び出た。そして中島の判断により「最も素晴らしいもの」として日本のスタジオに持ち込まれた。
「古代中国の青銅器」は通常放送回の最高額で、1960年代にアメリカでカメラと交換したという超掘り出し物。本人評価額は200万円、紳助は数万円と予想していたので本人評価額からのアップ率でも最大。その後4000万円ほどで投資家の手に渡ったらしい。
「岡本太郎の鐘」は良純の父である慎太郎が岡本太郎から貰ったもので、現在久国寺にある「梵鐘 歓喜」の雛形として5個鋳造したものの一つ。今でも岡本太郎記念館に行けば誰でも木槌で鳴らすことが可能。
「アンディ・ウォーホルのシルクスクリーン」は2001年のSPに登場し当時でも1億2,000万円で歴代9位の高額鑑定だったが、2023年の30周年突入SPにて近年高騰しているお宝として紹介されスタジオでオープン・ザ・プライスされた。電光掲示板では番組初の「ジュウオク!」のコールが登場し、特別に桁も1つ多く表示されていた。絵が実際にスタジオに再登場した訳では無いので参考記録。
「隕石」はそのまま、ただの石だったという例で初期に多数発生。しかし近年は「拾いに行った手間賃」「思い出代」としてお情けで100~200円ほど付き、場合によっては石の種類まで同定して1,000円ほどつくこともある。焼け石に水な気も。
「両面に平等院鳳凰堂が刻まれたエラー10円玉」は切断した2枚の裏面を張り合わせた偽造であり、正真正銘の0円。犯罪に抵触し処罰の可能性すら示唆されマイナスまである。
「山下清の将棋盤」も同様で、所定鑑定人によれば筆跡からして異なる上に力仕事を嫌う清が木彫をすることはありえないと結論付けられ、しかも見た目は寿司屋に出てくる下駄のようで将棋盤としての価値も皆無であり0円の値が付けられた。勝手に有名な作家の名前をサインして偽物にしてしまい鑑定額が下がる例は数あれど、とは言え近年では500円くらいの値は付くと思われ放送初期特有の事例である。スタジオは大いに盛り上がり、面白がって裏面に紳助はじめレギュラー陣が寄せ書きサインをした結果15万円で買いたいと電話が来たらしい。
「幾山河」は本人評価額30万円ながら、オリジナルの初版ではなく戦後に出た焼き直しの初版であり、見返しが破れているコンディションも加味し250円。昭和12年のオリジナル初版でも2,000円くらい。
「ナムコ FINAL LAP」は島田紳助の自宅の不用品を一斉に視聴者へ売るという企画の際に出品されたが、「4人対戦専用で切り離せない(2人プレイ不可)」「デカすぎて廃棄・運搬にコストがかかりすぎる」という事で「-1,000円」という異例の値段がついた。送料は購入者持ちだったのだろうか?ちなみに基盤だけなら2024年現在でも2万円前後、壊れやすいハンドルパーツはレストア需要として1本5,000円程度で取引されている。結局いらない部分の解体と廃棄にお金がかかるので一緒だろうか。
オープニングテーマはビートルズの「HELP!」が番組開始当初から使用されている。
その他お馴染みのBGM集
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最終更新:2025/12/11(木) 17:00
最終更新:2025/12/11(木) 17:00
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