HTVとは、
ここでは4.について説明する。
国際宇宙ステーション(ISS)に衣類や食料などの消耗品、各種実験装置を輸送する軌道間輸送機。無人だが、気密区画を持ち、宇宙飛行士が宇宙服を着る事無く内部に入る事が出来るため、“宇宙船”のカテゴリに入れられる。つまり事実上日本初の宇宙船という事になる。初号機は2009年9月11日にH2Bロケット試作初号機に登載して打ち上げられ、その後は年に一回の割合で打ち上げる予定である。
ISSに6トンまでの物資を輸送する事が出来る。貨物区画は空気のある与圧部と宇宙空間にさらされた非与圧部からなる。与圧部は消耗品や国際標準実験ラックと呼ばれる室内実験装置を収納し、非与圧部は日本の実験モジュール「きぼう」の室外実験区画用の実験装置などを収納する。
H2Bロケットで打ち上げられたHTVはランデブー用のHTV軌道に投入され、地上からの指令でISSに接近。その後はGPSとレーザーによる誘導でISSまで10mの距離まで移動後停止する。停止後はISSのロボットアームで掴まれ、手動で共通結合機構(CBM)というハッチに接続される。
HTVが接合するCBMは本来ISSの構造体同士を結合するための機構であり、自動ドッキング機構は持っていないため、このような方法を取る。
接続後は与圧部の物資はISS本体からCBMを通って、非与圧部の物資はロボットアームを使って運び出される。その後ゴミや不要品を予圧部に運び込むとISSから離脱。大気圏に突入して焼却される。
ISSへの物資輸送機はHTVの他にもロシアのプログレス、欧州宇宙機関(ESA)のATVがある。プログレスは2.6トン、ATVは9トンまでの物資を運ぶ事が出来るが、ドッキングするのがAPASというロシアモジュールのハッチである。
APASは自動ドッキング機構を持つ反面、CBMよりずっと径が小さく、国際標準実験ラックのような大型の荷物を運び込む事が出来ない。
逆にプログレスやATVはISSに推進剤を補給する機能を持つが、HTVには出来ない。またプログレスやATVはISSの軌道維持用のブースターの役割も持つ。
現在、アメリカではNASAの商業軌道輸送サービス(COTS)という計画に基づき、スペースX社とオービタル・サイエンシズ社の2社の民間企業がそれぞれドラゴンとシグナスという輸送船を開発中である。これらはISSのロボットアームを用いてCBMに結合されるという点でHTVに似ているが、両者には大気圏再突入能力があり、実験結果を地球に持ち帰る事が出来る。 また、ドラゴンには有人型があり、7名までの人員をISSに送り出す事が出来る。
先述した通りHTVは地球への帰還機能がない事を除けば実質的な宇宙船であり、日本の将来の有人宇宙船開発のための技術開発の基礎を担っている。HTVの各機能はモジュール化されており、モジュールの一部を有人帰還カプセルに換装することなどで有人宇宙船に発展させる事が可能な設計となっている。
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最終更新:2026/01/11(日) 15:00
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