iOS6マップ不具合事件とは (アイオーエスマップフグアイジケンとは) [単語記事]

iOS6マップ不具合事件とは、~~Appleによる新世界創造~~Appleの携帯端末向けOS、iOS6の標準地図アプリ、「マップ」に大規模な不具合が発生した事件である。

経緯

2012年9月19日、Appleは新型スマートフォン「iPhone5」の発売に先駆けて、iPhone/iPad/iPod touch用OS、「iOS6」を提供開始した。この新OSにおいて、Appleはこれまで標準の地図アプリだった「Googleマップ」と決別し、同社が独自開発した新たな地図アプリ「マップ」との入れ替えを行った。

作りたかったのは、これまでで最も美しく、最もパワフルな地図機能を持つアプリケーションです。

アップル - iOS 6 - マップ

しかし、この新しい「マップ」は駅・空港・公共建造物等の主要なランドマーク等に限らず、日本はおろか世界中のあらゆるものの位置・場所・名称などが間違った表示をする欠陥商品であった。

なお新しい「マップ」との入れ替えはiOS6にバージョンアップすると自動的に成されるので、旧Googleマップをそのまま使いたい場合はiOSをバージョンアップさせてはいけない。

不具合事例

日本の至る所で新駅設置や駅・施設の改名、増殖、水没、大移動が相次いだ。携帯端末の需要・利用頻度の高い標準機能としては使いものにならない状態である。

一部紹介

羽田空港→大王製紙（外部リンク）
駿河湾→フィリピン海（外部リンク）
尖閣諸島魚釣島が2つ存在（外部リンク）
「パチンコガンダム駅」（外部リンク）
「マクドナルド駅」（外部リンク）
「餃子の王将駅」（外部リンク）
「スターバックス駅」（外部リンク）
「バーミヤン駅」（外部リンク）

更にあちこちの施設の表記や施設カテゴライズが狂う中で「病院が来い」「病院逃げて」「ここに病院を建てよう」等の病院関連タグが充実しているニコニコ動画を運営するドワンゴには、「病院」のアイコンが備え付けられた。（外部リンク）。病院が来いどころではない、ここが病院だったのだ。

不具合事例まとめリンク

iOS5のマップから機能的に退化してしまった極めて残念な事件に対し、多くのiOS6利用者達は果敢にネタとして笑い飛ばす道を選んだ。

Apple CEOの謝罪

At Apple, we strive to make world-class products that deliver the best experience possible to our customers. With the launch of our new Maps last week, we fell short on this commitment. We are extremely sorry for the frustration this has caused our customers and we are doing everything we can to make Maps better

Tim Cook
Apple’s CEO

アップルにおける私どもは、可能な限りお客様に最高の体験をお届けするワールドクラスの製品作りに邁進しています。先週私どもが提供した新「マップ」はこのお約束を裏切るものでした。このマップがお客様にご不快な思いをさせてしまい大変申し訳なく思っています。そして私どもはマップを改善するために出来る事を全て行なっています。

ティム・クック
Apple CEO

Apple - A letter from Tim Cook on Maps

どうしてこうなった

iOS6のマップの地図データは海外ではオランダのTOMTOM社、日本ではインクリメントPのデータが使われているが、決して地図データが誤っていたわけではなく、地図ソフト作りが初めてのAppleのデータ取り扱いミスが原因であると言われている。

なので、地図データ提供元がゼンリンだろうが昭文社だろうがOpenStreetMapだろうがこの惨事が起こったと言える。

2005年7月に登場したGoogleマップも現在では精度の高い地図となった。Googleの地図関連製品にはGoogleストリートビューカーの収集するデータ加えに、フルタイム従業員1,100人と契約労働者6,000人もの人員が投入されている。（→出典）。世界規模の地図製品事業にはそれだけ膨大な人・物・金・時間のリソースが必要とされる。

余談

株を上げたゼンリン

この騒動の余波で、これまでiPhone/iPad/iPod touchで使用されていたGoogle マップに日本のデータ提供を行っている地図会社ゼンリンの株価が値上がりをした。相対的にゼンリンのデータに対する評価が上がったものと思われる。

しかし、例えゼンリン製データを使用していても、Appleのデータ取り扱いミスが原因であるため大きな不具合は避けられなかった可能性が高い。

ソビエト復活

まさかのソビエト社会主義共和国連邦がマップ上に復活（外部リンク）し、twitterや2chで話題となる。それに伴いムー大陸や邪馬台国（外部リンク）などが次々と復活する異例の事態となった。

ちなみに紫色のピンはドロップ（ブックマーク）であり、赤色のピンは検索すると実際に表示される。…あれ？

代替の地図アプリ

現在、Google純正のiOS向け地図アプリは存在しない。Google マップを利用したい場合は、SafariからWeb版のGoogle マップ（https://maps.google.co.jp/）を利用することができる。Safariの下部メニュー中央のアイコンから、「ホーム画面に追加」でホーム画面にGoogle マップへのショートカットリンクを配置することで、擬似的な地図アプリのような利用ができる。

その他にも、以下のようにGoogleマップ対応の他社製地図アプリや、独自の地図アプリが存在する。

アプリ名	価格	備考	サイト	App Store
Google Apps Browser - G-Whizz!	無料	Googleマップ対応アプリ。		Store
簡易カーナビなびすけ	無料	Googleマップ対応アプリ。		Store
地図マピオン	無料	（比較サイト）	→	Store
地図　Yahoo!ロコ	無料	iPad限定。（比較サイト／開発者向け）		Store
いつもNavi	800円／年		→	Store
MapFan for iPhone	2,300円	オフライン利用対応。容量約1.9GB。	→	Store

iOS6マップ不具合事件単語

経緯

不具合事例