ゾロアスター教とは、古代ペルシャ発祥の宗教である。拝火教とも呼ばれる。
概要
原始アーリア民族の神官、ザラスシュトラ・スピターマによって開祖された。教典は『アヴェスター』。
前十二世紀から前九世紀に成立したかなり古い宗教で、キリスト教などアブラハムの宗教や仏教に影響を与えた部分も大きいという学説もある。ニーチェの著作『ツァラトゥストラはかく語りき』のツァラトゥストラとはザラスシュトラその人であり、西欧ではキリスト教における神とは対なる概念としてゾロアスター教を挙げる向きも少なくない。
善悪二元論を特徴としており、善神「アフラ・マズダー」を主神として崇める。ゾロアスター教の世界観ではこの世は善悪の闘争の世界とされているが、善が勝利することが決まっており、最後の審判と全世界の浄化の後、完全な世界を確立するとされる。このような世界観のためか、苦行などには否定的であり、ゾロアスター教の影響下にあったペルシャ人は享楽的な生活を送ったという。
メディア王国のマゴス神官団など、古代アーリア人の他の宗教の教義などを広く教義に取り入れてきた歴史があり、拝火、曝葬、近親婚の奨励など特徴的な教義を持っている。
現代
かつてペルシャ帝国の国教であり、紀元前には世界最大の勢力範囲を誇っていたゾロアスター教であるが、イスラム教に駆逐された結果現在の信者は全世界に30万人もいないほどである。しかしながら、インド最大の財閥であるタタグループはパールシー(インドのゾロアスター教徒)らによる財閥であったりと、信徒数の割に今なお世界に与える影響は大きい。
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