習近平(しゅうきんぺい、シージンピン、キンペー)とは、中華人民共和国主席(国家主席)である。ほかにも共産党の党首である中国共産党総書記および中国人民解放軍最高指揮官である中央軍事委員会主席にも就任している。つまり今の中国で一番偉い人である。
中国国内では簡体字を使用するため「习近平」と表記される。英語は"Xi Jinping"、拼音声調は2・4・2。
概要
父親はかつて鄧小平政権の頃、事実上の最高権力を手にしていた八大元老の一人として国務院副総理を務めた習仲勲である。そのため彼は世襲政治家であり、太子党の一人として注目を浴びていた。こうしてみると、安倍晋三(岸信介元首相の孫)、朴槿恵(朴正煕元大統領の娘)、それと申すまでもなく金正恩ともに同時代の東アジアのリーダーは皆、世襲政治家で揃っているから面白い。
しかし、そんな世襲政治家としての華やかな家系とは裏腹に、父習仲勲が文革で迫害されたため息子である習近平もまた農村へ下放された。そのため、けして容易な青春時代を過ごしたわけではなかった。(ちなみに、かれらは教育機能が停止していた文革時代にちょうど思春期を迎えたため無学なものが多かった。そのため失われた世代と呼ばれておりちょうど現在の指導部世代がこれにあたる。)
政治家としてのキャリアは福建省や浙江省、上海市っといった沿岸部の首長を努めており、勢力基盤からして江沢民に近い人物と目されていた。しかし、汚職問題には常日頃から厳しい姿勢を貫いており、汚職の常習犯ともいうべき江沢民派の人間に対しても容赦なく摘発している。その姿勢は江沢民の親族(外甥)であり公安のトップを務めた周永康を失脚させるほどだ。そもそも習が指導者に選ばれた大きな要因は出自の他に汚職に無縁のクリーンな政治家であるといった理由からだ。
こうした綱紀粛正な彼の姿から親分と目されているはずであった江沢民が習に命乞いをしているやら拘束されているやらでなにかと不自由な老後生活を迎えているような噂が絶えない。
かつて、鄧小平の猿真似をしてまでも院政によって権力にしがみつこうとした江としてはなんとも哀れな話である。
日本では、2009年12月に来日しており、一ヶ月ルールに違反した形で天皇との会見に望んだために問題視されたことを記憶している人もいるだろう。つまりこのころからすでに次のリーダーにほぼ確定していたため、当時ナンバー6であったにも関わらず彼は有望株として日本の政界も一目置いていたのである。
外見の特徴としては、高身長で恰幅のよい体格であるが、つねに首を曲げている姿は時折かっだるそうにも見える。ちなみに彼の身長は180cmである。なお安倍首相(175cm)が握手した際に一回り日本が小さく見えたのはある意味外交戦略での一種の成功かもしれない。
羨ましいことに、奥さんは中国の美空ひばりと言っても過言ではないほど、知らぬ人はまずいない紅色歌謡曲の大スターである彭麗媛(人民解放軍文工団の歌手・階級は少将)であり、外交の場では彼女の美貌のせいで主席自身の影が薄れてしまっていることは否めない。なお夫よりも中国人民の間では知名度が上らしい。
孫文、蒋介石、毛沢東、鄧小平、胡錦濤、温家宝など歴代中国の指導者はさすが本場の人だけあって達筆な人が多いが、彼の字はあまりうまいとはいえない。
近年では、一帯一路のスローガンを掲げAIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立するなど世界の経済圏を牽引し責任ある大国として中国の国際的地位を高めようと積極的である。
一方の対日姿勢では、過去の歴史問題から前政権以上に日本に対し批判的である。戦後70周年を迎えた抗日戦争勝利記念式典では史上初めて大規模な軍事パレードが天安門広場にて執り行われた。
同じく、ここではもうすまでもない韓国とは対日歴史認識で共鳴しあっているので、かつて無いほどの良好な関係を築いている。(それをネタに歴史上、中国と朝鮮半島の因縁ともいうべき主従関係で揶揄されることもしばしば。)
こうした対日姿勢を執る理由は、それまで順調に発展してきた経済に陰りが見え始めたがために人民の不満を外へ向けさせるためとも、あるいは軍事費の削減により軍へのご機嫌取りへの一貫などが挙げられている。いずれにしろ中国には中国なりの大人の事情ってものがありそうだ。
父親がダライ・ラマ14世と親友であったため、もしかするとチベット問題も改善に向かう可能性がある。
2018年の全人代で国家主席に再選されたが、この全人代で習近平は憲法を改正、「2期10年」と定められていた国家主席の任期を撤廃し、2期目が終わる2023年以降も国家主席を続けることが可能になった。[1]
関連動画
関連項目
脚注
- 16
- 0pt