鋼鉄の咆哮(クロガネノホウコウ)とは、マイクロキャビンによって開発され、コーエーから発売された戦艦バトルアクションゲーム、及びそのシリーズである。PS2版はコーエーが開発をしている。ここではシリーズ作品全般について解説する。
概要
2000年1月28日にWindows用ゲームソフトとして第一作目が発売、マイクロキャビン開発。後にPS2版にも進出し、こちらはコーエーが開発してる。
よくシミュレーションゲームと間違えられるが、自分で艦を設計、操作をする上に、公式からも戦艦アクションゲームと呼ばれている。
同シリーズにおいて重要な要素の一つが「艦船を自由に設計可能」ということである。鋼鉄の咆哮シリーズでは多数のパーツを船体に配置して艦船を設計していく「HLG」と呼ばれるシステム(後記)があり、プレイヤーは自ら設計したオリジナルの艦船で出撃することができる。
そしてもうひとつの重要な存在がボスキャラクターである「超兵器」、通常兵器を超える性能、ストーリーに大きく関わっている。本シリーズの人気の一つでもある。
世界観は第二次大戦を基にしている。最初は第二次大戦中のレシプロ機や咆哮兵器が登場するが、物語が進むにつれ現代兵器のミサイルやジェット機が飛び、更に進むと近未来兵器のレーザーやレールガン、果てには波動砲、空飛ぶ円盤が飛び交うSF色の強い世界へと変貌していく。
またほとんどの作品では、一定条件を満たすことで「特殊任務」が遊べるようになる。いわゆるおまけステージで、本編とは異なり遊び心豊富なステージとなっている。登場キャラクター達は、キャラクター崩壊を起こしており、メタ発言も自重しない。ただし、ゲームの難易度も跳ね上がっており、場合によってはラスボスを含む超兵器達を狩り続けて回収したパーツを駆使する必要がある。
艦船設計システム「HLG」
鋼鉄の咆哮の艦船設計システム。多数のパーツを船体に配置していくシステムであり、船体への部品の配置は自由度が高く、特定箇所にはめ込むようなものではなく、部品ごとに設定された領域内であればどこにでもおけるようになっている。このため実在したものや計画のみに終わった物、仮想戦記に登場する物などを再現可能である。もちろん、自らの妄想の赴くままに建造することも可能である。もっとも、重量制限や部品の設置数制限、船体上のスペースの問題などと格闘することになるが。
元は開発元のマイクロキャビンが1995年に発売したPC9801版「紺碧の艦隊2PERFECT」の「HLG55」が最初となり、鋼鉄の咆哮のは「HLG58 ver1.0」である。
名前の「HLG」はとある軍人にちなんでいると、初代鋼鉄の咆哮の隠しフォルダ内にある「開発を終えて」というファイルで明言されている。このことから由来は日本の海軍軍人「平賀譲」氏だと思われる。当初は紺碧の艦隊の「皇紀」に合わせた「五五式艦船設計システム」という名前であったが「HLG55」と変更した。変更した理由は監督曰く「めんどくさくなったから」。
コマンダーとガンナー
鋼鉄の咆哮シリーズは主に2種類に分けられ、タイトルに「ウォーシップ○○」と書いてある。
- ウォーシップコマンダー(略称:WSC)
鋼鉄の咆哮シリーズの始まり、自艦を中心とした俯瞰視点、上空から見下ろしている画面である。本家Windows版は全てコマンダーであり、マイクロキャビンが開発。PS2版の「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー」はコーエー開発の別物である。
- ウォーシップガンナー(略称:WSG)
コーエーが開発したPS2版の鋼鉄の咆哮に登場した新たなシリーズ、俯瞰視点のウォーシップコマンダーと違い、ウォーシップガンナーは艦の後方から3D描画で単艦操作でのTPSとなった。またWSCでは全兵装が自動で射撃してくれるが、WSGの場合は一部の兵器を除き、手動のもの以外は停止している。
超兵器
鋼鉄の咆哮シリーズに登場するボスキャラクター。基本的に通常兵器より大きく強大な力を持つ。本シリーズの魅力、人気要素の一つでもある。
詳しくは→超兵器(鋼鉄の咆哮) を参照されたし。
超兵器の影に隠れがちだが、鋼鉄の咆哮シリーズオリジナルの架空艦や架空航空機は多く登場するが、主に
Windows版が主流。
音楽
サンウンドトラックすら発売されていないが、鋼鉄の咆哮シリーズのBGMはシリーズを通して評価が高い。
初代鋼鉄の咆哮は「福田康文」氏が作曲。PC版の初代鋼鉄の咆哮はゲームとサウンドトラックを兼ねている。
鋼鉄の咆哮2シリーズと鋼鉄の咆哮3では「新田忠弘」氏が手がけている。またPS2版の鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダーでは「九十九百太郎」氏が没曲をアレンジした上で幾つか提供している。この九十九氏が手掛けた没曲を収録したサウンドトラックが同人CDではあるが販売されていた。
ウォーシップガンナー2は複数名いるようで詳細は不明。
シリーズ作品
PC版とコンソール版があり、同名であっても3D化などのグラフィック面の変更をはじめ、システム・ゲームバランス・シナリオなど、別物になっていることが多い。
PC版はパーツ数・ステージ数で優れ、またマウスを使えること、パーツ設置上限もなく、設計も容易である。コンソール版は演出面での強化があるほか、インターミッションがフルボイス化されるなどしている。
PC版(マイクロキャビン開発)
鋼鉄シリーズの始まりであり、開発はマイクロキャビン。基本的に俯瞰視点。コーエーらしく鋼鉄の咆哮2にはエクストラキット(拡張パック)も提供されている。エクストラキットは無印のシステムを改良し、新マップを収録した物となっている。単体でも遊べるが、無印と組み合わせることで無印のマップをエクストラキットのシステムで遊ぶことが可能となっている。
鋼鉄の咆哮2はPS2版の元となっているが原因か、それ以降に登場した「戦略爆撃機部隊」や「艦載艇」などはPS2版では登場せずPC版のみのシステムが多くある。超兵器が複数、大量に登場するのもPC版だけの要素である。
また、各兵器の射程が「浬」であり砲は大体史実通り(例:初代と2の46cm45口径の射程が23浬、約42km)、更に敵駆逐艦や巡洋艦は魚雷で一撃、または数発、戦艦は数十発など妙にリアルな性能となっている。魚雷も1門につき2発と貴重であり、小型艦でどれだけ温存して大型艦の砲弾幕を潜り抜け、懐に命中させられるかなどの戦い方もできる。そのため鋼鉄の咆哮シリーズを一言で「戦艦無双」と言い表すことは難しい。(ゲームクリア後は別として)
鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー
2000年1月28日に発売された最初の鋼鉄の咆哮シリーズであり原点。
- ストーリー
1938年、世界の緊張が頂点に達しようとしていた時、列強4国に期せずして興った「超兵器」構想。各国はこぞって、持てる技術の全てをこの降って湧いた”夢”に注ぎ込んだ。「超兵器」の完成は世界のパワーバランスを崩し、大きな災いをもたらすのは自明の理であった。それを阻止すべく、故郷を捨て集まった憂国の志士、彼らは自らを「第零遊撃部隊」と名乗り、超兵器の完成、配備を阻止し、世界のバランスを保たんがために立ち上がった。
設計可能な艦種は駆逐艦、軽巡洋艦、重巡洋艦、空母、戦艦、航空戦艦の6種。プレイヤーは単艦で出撃することとなる。
超兵器の設定が通常兵器の延長線上という設定なため、後のシリーズと比べるとまだ現実味がある作品でもある。波動砲や光子榴弾砲などのぶっ飛んだ兵器は無く、ドリル戦艦や双胴戦艦などの特殊船体も無い。
この頃の巡洋艦は軽巡洋艦と重巡洋艦に分かれており、作戦成功時の報酬や手当ても違った。(次回作以降は巡洋艦で統一される)
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー
- ストーリー
第二次世界大戦が激化する中、プレイヤーは極秘の奇襲作戦で目標海域に向かう途中、突如として出現した光に包まれ、異次元世界(パラレルワールド)へと飛ばされてしまう。その直後謎の軍艦に襲撃を受け危機に陥るプレイヤーだったが、「第零遊撃部隊」を名乗るもの達に助けられる事となる。彼らの話によると光の向こう側の世界では、「超兵器」なる兵器が出現しており、光の向こう側の世界に飛ばされたのもその「超兵器」が持つ特殊能力のためであるらしい。プレイヤー達は「超兵器」を破壊する為、ひいては自らの帰還と、元の世界への「超兵器」の干渉を防ぐため、その発生するノイズを追いかけて世界中を駆け巡る。
鋼鉄の咆哮シリーズの2作目であり、後のシリーズ全ての基礎とも言える作品。
本作はストーリー自体が第二次世界大戦を基にしているため、ゲーム中盤までは史実に起きた海戦があったり、そこに存在していた艦隊、「山本五十六」や「ウィリアム・ハルゼー」など実在した人物の艦隊が登場する。
今までは1ステージにつき目標は1つまでであったが、今作では副目標が追加され随時変化するミッションとなる。またプレイヤー艦に加え従属艦を3隻連れて行けるようになり、4隻での艦隊行動が可能となった。拾ったパーツを研究し、更に強化させる「特殊研究機関」も登場した。
デュアルクレイターやグロース・シュトラールなど、後の作品にも長く登場する超兵器達のデビュー作でもある。
新システム
- 特殊船体
後のシリーズで御なじみの双胴艦や特殊巡洋艦、ドリル戦艦など、今作から通常では手に入らない強力な船体が入手可能となった。この時点では特殊巡洋艦の「特殊」の意味は船体の形状だけであった。 - 副目標
主目標以外の目的。達成する必要は無いが、達成したときは主目標達成時と同じく「編成値」が獲られ、場合によっては進行中のミッションと後のミッションに変化が起きる。 - 組み立てキット
史実艦に基づいた艦が売られており、購入可能。架空艦も売られている。 - 従属艦船
プレイヤー1隻の他、3隻の艦を選択し出撃することが可能。選択可能なのは購入、ミッション中に拾った艦のみで、空母とプレイヤーが設計した艦は連れて行くことができない。編成値というポイントが決まっており、高い場合はミッションの難易度が上がることもある。 - 特殊研究機関
ミッション中に拾った、通常では生産不可能のアイテムを研究、強化するシステム。 - サバイバルモード
今作から新たに登場したモード、4隻の艦で本編ストーリを最初から最後まで続けでプレイする。耐久力は引き継がれるため、如何に損傷せずに進められるかが鍵となる。
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー エクストラキット
2003年に発売、前作鋼鉄の咆哮2の拡張キットで、ストーリーとしては続編に当たる。
- ストーリー
「超兵器」をすべて破壊した事で、元にいた世界に戻る為の光が出現した。艦が光の中に入り込む直前、突如として、全滅させたはずの「超兵器」のノイズが検出された。プレイヤー達、第零遊撃部隊は残った「超兵器」を完全に破壊する為、光への突入、元の世界へ戻るのを中止し、再び世界を回る。
前作の拡張キットであり、ストーリーとしては鋼鉄の咆哮2の続きとなる。通称「EK」あるいは「曰く」と呼ばれている。
パワーアップキットの一種であるが単体でもプレイすることが可能だが、その場合一部の機能にロックがかかっている上に2のシナリオはプレイ不可能となる。前作の従属艦は購入またはドロップアイテムとして入手したものだけしか選択できなかったが、EKを導入することにより、プレイヤーが設計した艦を連れて行けるようになった。またヘリコプターの追加、一部の船体に艦載艇が搭載可能となっている。また一定の条件を満たすことによって、とある超兵器を使ってサバイバルモードをプレイすることが可能となる。
ステージ数や超兵器の数、特別作戦ネタやネタ兵器の多さ、ゲームバランスなどから鋼鉄の咆哮シリーズ最高傑作と呼ばれることもちらほらある・・・が、現在では値段が高騰しているため入手困難。
艦載攻撃艇や超兵器自体が使えるのはエクストラキットのみである。
新システム
- 従属艦
今作ではプレイヤー設計した艦も選択可能となった。そのため空母4隻での出撃なんてことも可能。 - 艦載攻撃艇
空母や特殊艦に搭載できる小型の攻撃艇(魚雷艇やミサイル艇)。対艦、対空、対潜の3種類に分かれており、それぞれの任務に対応した行動を行う。特殊巡洋艦や特殊戦艦の「特殊」はこの攻撃艇を搭載可能という意味が明かされた。 - 摩天楼サバイバル
今作のみのモード、超兵器超ヴォルケンクラッツァー(性能は微妙に違う)を使用して前作の2シナリオを最初から最後までプレイする。若干だが敵の配置が変更されている。
鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー
2004年発売、鋼鉄シリーズ3作目、EKを含めると4作目になる。
- ストーリー
1931年、地球規模のエネルギー危機が叫ばれる中、南極大陸に誕生した新独立国家より「レアメタル」が発見された。各国はレアメタルを用いて新たな機関を開発、研究した。この「新機関」は世界に平和と安定をもたらすものと考えられていた。ところがレアメタルと新機関が新たに「超兵器」の開発競争を呼び、時を経たずして連合軍と枢軸軍に分かれ世界大戦が勃発。この状況を危惧した新独立国家は「レアメタル」の輸出を禁止、列強は相次いで新独立国家に宣戦布告してきた。プレイヤーは新独立国家の部隊を率い、祖国を侵略の手から守る為、列強に立ち向かう。
前作までは2D画面だったものが、鋼鉄の咆哮3では3D化され、自作艦の姿を3Dで見られるようになった。鋼鉄の咆哮3ではプレイヤー艦を主力とする「主力艦隊」に加え、最大4隻で構成される「支援艦隊」を最大3つまでミッションに投入することが可能となった。つまり最大16隻での出撃が可能となる。
今までは駆逐艦、巡洋艦、戦艦、 航空戦艦、空母しか設計できなかったが、鋼鉄の咆哮3では「潜水艦」と「潜水空母」に「航空機」、そして「超兵器級」が設計可能となった。指定した地点に爆撃を行う「戦略爆撃機部隊」、LCACや大発などを使った上陸部隊との共同作戦などは鋼鉄の咆哮3のみのシステムである。
- バグ
本作はバグが多く、パッチが配布されるまでは評価が散々だった。もっとも発売当時はそれなりのパソコンスペックでないと快適にプレイできず「動かない」という多くの声、人気の一つであった副長の声が本作では微妙だったなどの様々な要因が重なったのもある。そのため発売直後の2chのスレは大荒れだった。
コーエー版はパッチを当てる必要があるが、ソースネクスト版は最初から適応状態なので後者の購入をオススメする。
新システム
- マルチシナリオ
ストーリーが進行すると、各エリアの最後に「進行ルート選択」イベント発生し、選んだ選択肢によって、後のストーリー展開やミッション内容が違ってくる。選択ルートしだいでは入手アイテムや敵超兵器なども変化し、連合軍、枢軸軍どちらかと同盟を組む場合もある。 - 戦略爆撃機部隊
配備した爆撃機部隊がクリックした地点に対して爆撃を行う。階級によって配備数が変化する。 - 上陸部隊
空母や特殊艦船に搭載した艦載艇が、付近の海岸で戦車や兵員を上陸させ、敵地上施設や敵部隊に対して攻撃が可能。ミッションによっては上陸部隊との連携が鍵となる。前作『EK』にあった攻撃艇は今作では登場しない。 - 航空機設計
その名の通り航空機の設計。ただしHLGシステムのように組み立てるわけではなく、ベースとなる機体を選択し、エンジン、搭載兵器、補助兵装などを選択するようになっている。 - 新規船体
潜水艦、潜水空母、超兵器級が新たに設計可能となった。しかし超兵器級、潜水空母は今作のみとなっている。 - 支援艦隊
プレイヤーの主力艦隊の他、4隻からなる艦隊を3つまで選択してミッションに投入できる。ただし主力艦隊と違い設計したものと空母は連れて行けない。これにより最大16隻での出撃が可能となる。
コンソール版(PS2,PSP)
コーエー開発の鋼鉄の咆哮シリーズ、原作のPC版を開発したマイクロキャビンは協力という形で開発に参加している。そのためコーエーの持つ「無双」感が作品を追うごとに強くなっていく。
鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー(PS2)
PC版の初代鋼鉄の咆哮の移植であるが、ストーリーの変更、ゲームスピードの上昇、兵装エフェクトの差し替えなど細かい変更点があるのだが、最大の違いは戦闘画面でフリーカメラが不可能になった。そのため射程があまり機能しなくなっているという大問題がある。特別作戦の(おまけステージ)出現条件の簡易化や、ドック画面での自艦が3Dになるなどの良い変更点もある。
またフルボイス化されており、「巨大戦艦、荒覇吐、出現!」などのボイスは本作が初となる。
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー(PS2)
2003年発売、初のコーエー開発の鋼鉄シリーズであり、ウォーシップガンナーシリーズの第1作目。
- ストーリー
作戦行動中、突如として謎に光に包まれパラレルワールドへと飛ばされてしまう、その直後、謎の艦隊から攻撃を受けたが、「解放軍」と名乗るもの達に助けられる。彼らは現在世界を支配する独裁国家と戦っており、先の戦闘を潜り抜けたプレイヤー艦の手腕を高く評価し、解放軍への参加を要請してきた。2番艦を失ったプレイヤー達は、艦長以下クルー全員の賛同により「解放軍」へ参加をし、帝国との戦いに身を投じることとなる。
初の完全PS2版新規作品であり、初のコーエー産鋼鉄の咆哮。グラフィックは完全3Dとなり、戦略ではウォーシップコマンダーと違い高低差による影響もある。コーエー開発であるが、ゲームのバランスやシステム自体はマイクロキャビン産のPC版WSC2に近い。
またBGMはPC版のものと同じであるが、各パートの音の強弱が変わっている他、数曲だが新規のものもある。
新システム
- 副目標
- 特殊船体
- 完成キット
- サバイバルモード
- WWIIモード
本作のみのモード、通常のシナリオをプレイするのだが、生産される部品や手に入る部品は第二次世界大戦までのものとなっている。そのためレーザー兵器やミサイルなどは出現しない上、敵や超兵器も外観とは関係無しに、第二次大戦装備となっている。(ルール違反の超兵器もいるが)
鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー(PS2)
2004年発売、鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダーのPlayStation2版だが、内容は全くの別物である。
- ストーリー
世界を二分する大国として認識されていたナーウィシアとウィルシア、その微妙な軍事バランスの元、かろうじて軍事的停滞状況による平和を維持していた。しかし突如としてウィルシアが周辺諸国へと侵攻を始め、その平和は破られる事となった。ナーウィシアを始めとした各国は独自戦力でこれを迎え討ったが、その侵攻は止まる事は無く、遂には最前線に存在したナーウィシア軍作戦司令部が陥落してしまう。様々な情報を収集、統合した結果、ウィルシア軍が現代の技術水準を超越した「超兵器」と呼ばれる巨大兵器を戦線投入している事が判明。指揮系統を失ったプレイヤーを含むナーウィシア残存艦隊は、独自にウィルシア軍に対する戦闘行動を開始する。
2004年に発売された鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダーのPS2版・・・と思いきや、内容は全くの別物となっている。そのためPS2版では1作目と違いPC版の移植ではなくオリジナルの作品となっているので注意が必要。従属艦を3隻まで出撃可能、副目標の追加などのシステムは一緒であるが、グラフィックは完全な3D化となり、それ以外は全くの別物と言って良い内容となっている。
グラフィックや一部のシステムはPS2版の前作にあたる鋼鉄の咆哮2ウォーシップガンナーを基礎としている。
こちらも前作とBGMは同じだが、新たな曲が多数増えている。
新システム
廃止されたシステム
ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮(PS2)
2006年に発売されたウォーシップガンナーシリーズの第2作目、タイトルがややこしい事で有名。
- ストーリー
1939年3月、シベリア東部に存在する小国家「ウィルキア王国」で行われていた国防軍と近衛軍による総合大演習中に突如クーデターが勃発、反乱軍はウィルキア帝国を名乗って世界侵略を宣言する。国王と共に脱出したウィルキア海軍士官シュルツは世界中の反帝国戦線を転戦し、帝国の野望の阻止と祖国奪還の為に闘う。
従来の作品と比べてキャラクターも多数登場し、ストーリー性がかなり重視されているのが特徴で、ミッションの進め方によって副官が選択され、ストーリーが分岐する。鋼鉄の咆哮3から登場した「潜水艦」が復活し、新たに「フリゲート」の設計が可能となった。アイテムコンテナを回収する能力を持つ「救助ヘリ」やVTOLなどの追加もされた。
また従来の作品にあった日米英独の建造タイプを選択することがなくなり、一度開発をすればどの国のタイプの部品も入手できるようになった。そのため部品の組合せの自由度が非常に高くなった。
鋼鉄シリーズを開発したマイクロキャビンが関わっていないようで、コーエー独特の「無双」の色が最も強い。そのため全鋼鉄の咆哮シリーズの中でも特殊なゲームバランスとなっている。
改めて注意しておくがこの作品は鋼鉄の咆哮2ウォーシップガンナーではなく「ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮」である。
新システム&廃止システム
亡国のイージス2035をベースとしているため、旧作と比べると変更点が多くかなり別ゲー化している。
ウォーシップガンナー2 ポータブル(PSP)
2009年にPSPに移植されたウォーシップガンナー2 。PS2版WSG2のアッパー移植とも呼べるもので、全パーツ開発の実装、出現艦船の見直し(航空戦艦マラソンとはおさらば!)、難易度の上昇(経験者でもEASY開始推奨)、設計パーツ制限があるが協力プレイ・対戦プレイモードが追加されている。
2012年に値下げされたベスト版、DL版と出ており、DL版はPS Vtaでもプレイ可能。DL版の検索の際は鋼鉄の咆哮ではなく「コーエーテクモ the Best WARSHIP GUNNER 2 PORTABLE」で探す必要がある。
稀にPSP版を「海鮮バトルアクション」と言う者が居るが、発売から暫くの間、公式ページの紹介に誤字があった事に由来する為。特にディスっている訳ではなくそういうネタである。内容的にも間違っているとは言い難い。
もう一つのウォーシップガンナー「亡国のイージス2035」
鋼鉄の咆哮シリーズではないが、WSGのシステムを踏襲した「亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー」が発売されている。
亡国のイージスを題材に原作者監修の下で作られた作品で、小説、映画、両方の要素を受けた正当な続編。原作中の事件より30年後に最新鋭護衛艦の強奪が起き、それを引き揚げレストアされた「いそかぜ」で追うストーリーになっている。
プレイ形式はWSGを踏襲しているもののプログラム並びシステム面は新規設計されている部分が多い。WSG2はこの作品をベースに作られており、マップや曲はWSG2にも使われている他、操作面や描画回り、主立ったシステム面なども受け継がれている。
物語は、いそかぜの事件より30年が過ぎ、各国が共同体化しつつある世界。日本において、各部がモジュール化され換装が容易な最新鋭の可変兵装型護衛艦「ヴイ・ウェッブ艦(Variable Equipment : Weapon, Engine and Bridge Vesselの頭文字を取ってVE-WEBV)」複数隻が、千里馬(チョンリマ)艦隊司令「ホ・ヨンファ」を名乗る人物により強奪される。
「ホ・ヨンファ」とは、30年前の事件の首謀者と同じ名前。そして日本政府への声明もまた、同じもの。事件を受け、急遽かつ秘密裏に「いそかぜ」は引き揚げられ、ヴイ・ウェッブ艦にレストアされる。身動きが取れない自衛隊に代わり、(プレイヤーこと)艦長に抜擢されたのは、30年前の事件で反乱を起こした宮津弘隆の甥である事から、海上自衛隊内で閑職に追いやられていた宮津直基(CV:田中秀幸)だった…。
海外版(Naval Ops)
海外版でもPS2版が発売している。
「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー」が「Naval Ops: Warship Gunner」
「ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮」が「Naval Ops: Warship Gunner2」
「鋼鉄の咆哮2ウォーシップコマンダー」が「Naval Ops: Commander」
として販売されており、台詞の英訳は特殊任務にもしっかり及んでいる。
また一部の超兵器の名前が変更されていたり、撃破ボーナスでの景品が違うなどの変更点もある。バグが修正されているものもある。
近年の動き
PlayStation Storeで「コーエーテクモ the Best WARSHIP GUNNER 2 PORTABLE」が配信されて以降は特に動きが無い。本家開発元のマイクロキャビンは現在はフィールズの子会社となっており、パチンコの液晶開発を行っている。
2018年元旦、鋼鉄の咆哮3でCGと超兵器デザインを担当した開発スタッフが、当時のムスペルヘイムのモデルに手を加えて改良した画像を「年賀絵」としてツイッターに公開。鋼鉄3発売から約14年、WSG2Pからは約9年ぶりの「2018年版ムスペルヘイム」である。
2018/04/21に行われた「『World of Warships × アズールレーン』スペシャルトークイベント生中継」において、アズールレーンの総合プロデューサーのメッセージ内に過去にプレイした海戦ゲームとして「鋼鉄の咆哮」の名前があったのだが、声優が読み上げる際にルビが振られていなかったのか「鋼鉄の哮咆(こうてつのこうほう)」と読み上げられた。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- コーエー
- マイクロキャビン(開発)
- 大艦巨砲主義(このゲームの真理)
- 鋼鉄の東方(なぜか先に記事が出来ていた)
- 超兵器(鋼鉄の咆哮)
- 紺碧の艦隊
- 終戦のローレライ(亡国の~で「システムL」という名で登場)
- 蒼き鋼のアルペジオ(何故コラボが無いのかと思ったプレイヤー多数)
- 艦隊これくしょん(いっそコラボ来ないのかなと思ったプレイヤー少数)
- ゲームのタイトル一覧
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