矢吹真吾とは (ヤブキシンゴとは) [単語記事]

矢吹真吾とは、SNKの格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS』（KOF）シリーズの登場人物である。
初出は第4作『'97』。

CVは子安武人。
格闘ゲームに出演したかった子安がSNKに直談判し、本当に起用された逸話で知られる。

概要

草薙京の後輩で普通の高校生。『KOF'96』を切っ掛けに京に憧れ、押しかけ弟子になる。京は面白半分に技を教えているのだが、当の本人は全くそのことに気づいておらず「草薙京の一番弟子」を名乗っている。

いつかは京のように手から炎を出すことを目標にしているが、草薙家の人間ではないのでいくら修行しても炎は出せないと明言されている。『2003』以降は「毒咬み未完成」で稀に火花が出るが、これも真吾の錯覚の表現で本当に炎が出たわけではない。

元々は炎とは真逆のウォータースポーツをやっていたようで、最も体力を消耗するスポーツと言われる水球を得意スポーツに挙げている。身体能力だけなら何気に高く、出会って早々に京が驚くほどの速さでパシリをこなして「陸上部に売り飛ばしてやろうか」と呆れられた。

当初はただの一般人だったが、京が失踪してもKOFに出場したり、神楽ちづるに頼まれ事をされるなどストーリーへの関わりは強く、京の父で師である柴舟からも教えを受ける（よって一応京の弟弟子と言える）など、格闘家としても成長している様子が見られる。

三枚目で普通の人というコンセプトで作られたキャラクターだが、初登場時は大きくプロモーションされ、CVが人気声優の子安武人ということで重要キャラクターかと思ったプレイヤーも多かった。実際に開発当初はオロチの依り代というラスボス候補だったのだが、どんどんキャラの重要性が下がってこうなってしまったらしい。

所属チーム

『'97』と『'98』では特定のチームに所属しない乱入キャラクター。そのため専用BGM（Still Green）を持っている。

タイトル	所属チーム	チームメイト
'99	主人公チーム	K´、マキシマ、二階堂紅丸
2000	紅丸チーム	二階堂紅丸、セス、麟
2001	日本チーム	草薙京、二階堂紅丸、大門五郎
2003	紅丸チーム	二階堂紅丸、大門五郎
XI	京&庵チーム	草薙京、八神庵
NW	混合チーム	草薙柴舟、クーラ・ダイアモンド
2002UM	ジョンチーム	ジョン・フーン、麟
R-2	草薙流チーム	草薙京、草薙柴舟
乙女	京チーム	草薙京、二階堂紅丸

真吾と子安武人

前述の通り、真吾は格闘ゲームへの出演を希望していた子安の念願を叶えたキャラクターである。

出演前には当時放送されていたラジオ番組「子安・氷上のゲムドラナイト」の中でSNKに電話をかけて「KOF'97に出してくれ」と直談判をしており、本人への出演決定の告知も同番組の公開録音で行われた。

当初は三枚目の真吾に対して若干微妙な反応もしていたが、その後は「愛おしいキャラクター」になったと評し、毎回ノリノリのアドリブで真吾のコミカルなキャラクターを引き立てている。『KOF'98』では「肘落とし（仮）」という必殺技に「名前募集中ー！」とアドリブを飛ばし、前述のゲムドラナイトで本当に技名を募集して「月肘（ゲッチュウ）」という技名が決定した。

近年の新作KOFでは既存のキャラクターに新たに声優が起用される例が増えたが、真吾は変わらずに子安が起用され続け、大ベテランになっても健在の少年ボイスを披露している。

キャラ性能

草薙流古武術の技をいくつか習得しているが、京が真面目に技を教えていないためかどれも中途半端である。本来は打撃の連係技である「荒咬み未完成」「毒咬み未完成」は初撃止まりであり、対空技の「鬼焼き未完成」は無敵時間が無いか有っても短く、かかと落としの「轟斧カッコだけ」は見た目だけでしゃがみガードを崩せない。

『'97』『'98』では特殊技以上の技にヒット時にランダムで挙動が変化するクリティカルヒットの性質があり、個性と不安定さが顕著で性能からして色物感が強い。『'99』以降は性能に物足りない部分こそあれ、まともに使える性能になっている。

主力技は『'98』から追加された打撃投げ（近距離でしか出せないガード不能の打撃技）の「真吾謹製オレ式・錵研ぎ」。小技からの連続技やガード崩しに有用であり、追撃まで決めればそれなりのダメージになる。

『XV』では鬼焼きにまともな無敵時間がつき、轟斧が中段判定になる（技名は「カッコだけ」のまま）など中途半端だった部分が改められ、京の連係技の一部を直接出すような中段・下段技の「オレ式・水切り」「オレ式・奈落落とし」が追加され、錵研ぎは緊急回避も掴めるコマンド投げになった。また『'98』以来に毒咬み以外の技にもランダムでモーションやヒット時の挙動が変わるクリティカルヒットが復活し、元々京のコピペだったモーションがより荒削りで勢い任せの動作に差別化されるなど、久々の復活&DLC追加キャラらしく作り込みが凝っている。