タイムカプセルEXPO'70とは、1970年(昭和45年)に大阪にて開かれた日本万国博覧会を記念して当時の科学技術の粋を集めて造られ埋設された、タイムカプセルのことである。
タイムカプセルEXPO'70の概要
タイムカプセルは第1号機と第2号機の合計2機あり、そのいずれも大阪城公園天守閣広場前の地下に埋設されている。それぞれの埋設日は第1号機が1971年1月20日、第2号機が1971年1月28日であった。そのうちの第1号機は万博から5000年後の西暦6970年に開封される。
もう一方の第2号機は2000年3月15日に第1回目の発掘が行われた。そののち慎重に開封・収納品点検・再密封を施したうえで2000年11月23日、再び同じ位置に埋められた。このタイプカプセル第2号機に関しては以後100年ごと、すなわち西暦の下2桁に「00」の付く年に同じ事が繰り返される。なお、第2号機50回目の発掘~再埋設は6900年となるが、第51回目(最終回)は第1号機と一緒に6970年発掘される予定。
埋設地の地表にはタイムカプセルの埋設地点であることを示すモニュメントが設置され、深さ14.3mの地下に第1号機、地下9.5mに第2号機が埋められている。浅い方の第2号機は100年ごとに開封点検を行うが、深い方の第1号機は5000年間、誰も手を触れることはない。内容物は「1970年時点の文化を示す物」計2098点である。
下記見出しの関連リンクをご覧いただければ解ると思うが、第2号機に課せられた100年ごとの発掘・開封・点検・再密封・再埋設のプロセスはかなり大掛かりである。しかしながら、この100年ごとの「定例作業」が続く限り、作業工程や技術は未来へ継承され、取り扱い方を記したマニュアル類はそのつど複写、その時代での「現代語」に訳されてゆく。
いわば、伊勢神宮における「式年遷宮」のタイムカプセル版と言ってもいいだろう。
これによって、タイムカプセルの埋設箇所の忘却や、開封方法の手違いによる内容物の破損・汚濁等の失敗をあらかじめ防ぐことが出来る。これが続く限りは5000年後に訪れる第1号機初開封の成功も夢物語ではないだろう。
……っていうか、誰だよ! タイムカプセルの中に「びっくり箱」(市販品)とか「シンナー遊びの写真」とか「ジョン・ケージの楽曲」とか「いびきの音声」を入れたのは!w
タイムカプセルEXPO'70に関するリンク集
タイムカプセルEXPO'70 トップ(Panasonic公式サイト内)
http://panasonic.co.jp/history/timecapsule/index.html
タイムカプセルEXPO'70開封の仕方
http://panasonic.co.jp/history/timecapsule/overview/openingtheway.html
タイムカプセルEXPO'70主要事項一覧
http://panasonic.co.jp/history/timecapsule/overview/article/index.html
タイムカプセルEXPO'70収納品リスト
http://panasonic.co.jp/history/timecapsule/storage/index.html
補足事項「5000年間ってどれくらい?」
一口に「5000年間」と言ってもピンと来ないかもしれない。そういう訳で、なにか実感の湧きやすそうな事例を挙げてみる。
【現代から5000年前の人類は何をしていたか?】
- 新石器時代が終り、場所によっては青銅器が造られ始めた頃。
- 古代エジプトで初期の王朝が始まった頃。
- メソポタミア文明が成立した頃。くさび形文字もその頃発明された。
- 古代ギリシア文明がもう少しで始まる頃。
- 日本は縄文時代まっただ中。当時の日本列島の人口は約26万人位。稲作が伝搬した頃。
このように、世界では初期の文明が開花し始めた頃とほぼ同じあたりということが解る。それでは、この当時の人類が5000年後の現代社会やテクノロジーがどんなものになるのかを想像できただろうか?
まず不可能だ。古代人がどんなに知恵を絞ろうとも、現代社会は彼らの想像の範疇を遙かに超えている。
これが現実である。
同様な事が現代から見た5000年後の世界にも言える。もちろん、5000年後も人類社会が継続していればの話だが、その世の中は、理解を絶する世界であることはまず間違いない。現代人からすれば、おそらく未来社会の概念すら理解できない可能性が高い。
加えて、5000年後を迎える前に人類は技術的特異点(Wikipedia)に到達している事も考えられる。こうなると、そこから先の未来予測は一気に不可能になる。
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関連項目
- 1970年 (日本万国博覧会 開催年)
- 1971年 (タイムカプセルEXPO'70 第1号機・第2号機 埋設年)
- 2000年 (タイムカプセルEXPO'70 第2号機1回目の発掘・開封・点検・再密封・再埋設年)
- 6970年 (タイムカプセルEXPO'70 第1号機発掘・開封年 第2号機51回目の発掘・開封年)
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