フェイジングとは、マジック:ザ・ギャザリングの黒歴史能力である。
概要
シンプルに言えば、1ターンごと戦場に出たり消えたりする能力である。
もう少し追加すると、
- 戦場から消えるときは「フェイズ・アウト」、戦場に戻るときは「フェイズ・イン」と呼ぶ。
- フェイズ・アウトしたパーマネントはいないものとして扱う
- あなたのアンタップ・フェイズの開始時にフェイジングを持ったパーマネントはフェイズ・アウトする
- あなたのアンタップ・フェイズの開始時にフェイズ・アウトしているあなたのパーマネントはフェイズ・インする
以上。 ね、簡単でしょう?
実際のところ
原理を言うだけなら簡単だが、まともに処理するのはめんどくさい。
まず、「いないものとして扱う」という処理からして問題である。
いないんだからいないんじゃんというのは簡単だが、装備品やオーラがついていた時、根元のクリーチャーがフェイズ・アウトしたらどうなってしまうのか。
トークンにフェイジングが付いてフェイズ・アウトしたらどうなってしまうのか。
<<巨大化>>のような期限付き効果が残ったままフェイズ・アウトしたらフェイズ・インした時どうなってしまうのか。
フェイズ・インは戦場に出たのか出てないのか、フェイジングが2つついたらどうなるのか、「カードを追放してすぐ戻す(明滅)」と何が違うのか、など他にももやもやするところが出てきてしまう。
しかも、めんどくささを乗り越えて何をやるのかと言えば、概要に書いてあるアレである。
不毛この上ない。
現在のルール
現在のルールでは、フェイジングは「位相」というルールを用いて処理を行っている。
通常、カードをプレイしてパーマネントとして戦場に出した時、それは「アンタップ、非反転、表向き、フェイズ・イン」という4つの位相を持っていると定義されている。
ここで、フェイジングの効果が誘発すると「フェイズ・イン」位相が「フェイズ・アウト」位相に変化する。そして、「フェイズ・アウト」位相のカードは、以下の状態となる。
要するに「いないものとして扱う」わけである。
この時、パーマネント自体は別の領域(墓地や追放領域など)には移動しておらず、戦場に残ったままである。「戦場に出た時」という効果を誘発することはないし、カウンターが取り除かれることもない。
あとは、個別にルールを定めて対応している。
トークンは「フェイズ・アウト」位相になった場合消滅するとルールに定められていたが、統率者2017の発売と同時のルール改正で消滅しないように改められた。
装備品やオーラは根元のクリーチャーが「フェイズ・アウト」位相になると一緒に「フェイズ・アウト」位相になる。期限付きの効果(継続的効果)はフェイズ・アウトしてようと通常通りのタイミングで効果が切れる。複数のフェイジングがあっても1つと同じ。これはルールで定められている。
そんな感じである。
ちなみに「位相」はカードの物理的な状態を表すものとされている。アンタップ・タップは縦向き・横向き、反転・非反転は正位置・逆位置、表向き・裏向きはそのまんま。
では、フェイズアウト・フェイズインは? カードが物理的に持つ方向は3種類なのでもちろん物理的な状態をカードで表すことはできない。
後付だからしかたないね。
いうほど大したことなくない?
実際、「位相」を用いて処理するようになってからは、やりたいことの割にルールがごつい、程度のめんどくささに収まっている。
では、かつてはどうだったのかというと、「フェイズ・アウト領域」を行ったり来たりすることで処理していたのである。
【フェイズ・アウトして「戦場」から「フェイズ・アウト領域」に移動したが「戦場を離れていない」】、逆に【フェイズ・インして「フェイズ・アウト領域」から「戦場」に移動したが「戦場には出ていない」】という処理をどうルールにするのか。タップ状態でフェイズ・アウトしたパーマネントはタップ状態でフェイズ・インするのがフェイジングのルールだが、「他の領域から戦場に出たカードはアンタップ状態である。」というルールとどう整合性を取るのか。と言った無駄に面倒な問題がおかわりされてくるのである。
当時はどうしてたのか
まぁ、正式なルールはめんどくさいけどさ。その辺は、なんとなーく2ターンに1回出てるんだよって流れでやっていました。ジャッジでもなければそんなもんで大丈夫。
ほら、遊戯王OCGだって正式なルールはとんでもないめんどくささになってるけど、なんとなーくでやる分には小学生低学年だってプレイできるわけですし。
関連動画
フェイジングを活用したデッキとして、サンドポイズというのがある。その動画はこちら。
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関連項目
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