福知山花火大会とは、京都府福知山市・由良川河川敷でかつて行われていた花火大会である。
概要
由良川河川敷の「音無瀬橋」周辺にて打ち上げが行われていた花火大会で、1932年から開催されていた。1回の大会で約6000発を打ち上げていた。
大会中の人出は1回10万人程度で、京都府宇治市・宇治川河川敷の「宇治川花火大会」(1回20万人程度)と共に、府内では「京都二大花火大会」のひとつとして府民から愛されていた。
後述する2013年の惨劇を最後に大会を無期限で休止、事実上の大会廃止となってしまった。
ちなみに宇治川花火大会も2013年を最後に大会を廃止しているが、後述の事故ではなく、8月の台風11号による被害が原因である。
2013年の惨劇
2013年8月15日の大会会場に出店していたベビーカステラの的屋にて爆発事故が発生し、3名が死亡、59名が重軽傷を負う惨事が発生した。
何故事故は起きたのか
事故発生時、的屋の店員が発電機のガソリンタンクに燃料補給をしようと、ガソリン携行缶の蓋を開けた。すると、ガソリンが一気に携行缶から噴き出した。当然ながらこの手の的屋では調理用のコンロはプロパンガス、つまり裸火が周囲に存在する状態だった。そこに大量の帰化したガソリンが流れ込んだ結果、大爆発となった。燃料気化爆弾と同じメカニズムである。
事故発生当時は猛暑だった。また、的屋の店員は携行缶を直射日光のもとに長時間放置していたほか、発電機の排ガスが直接当たる場所に放置していた。それにより携行缶の内圧が限界まで高まっており、もしそのまま蓋を開けてしまった場合大量のガソリンが噴射されてしまうことになる。一般的なガソリン携行缶は給油口とは別に小さな蝶ネジで締められている「エア調整ネジ」が備えられており、これを少し緩めて携行缶の内圧を徐々に下げてから、車両・機器類の燃料タンクに補給する必要がある。もし安全な場所で内圧を事前に下げてから蓋を開けていれば事故は発生しなかった。
事故を起こした的屋の店員は業務上過失致死傷罪容疑で逮捕された。
事故の余波
事故発生直後、花火大会は中止。死者が発生するという事態が事態なだけに予備日への順延も行われなかった。また、同時開催されていた祭りも15日で打ち切りとなった。
事故発生により福知山市内の祭りの多くが中止となったほか、千葉県銚子市で行われるはずだった花火大会も中止になるなど多くの影響が出た。
2014年の大会は当初行うかもしれないと運営は表明していたが、被害者の救済をはじめ、安全対策の見直しを迫られ開催されなかった。その後も大会開催の模索はされ、2016年に地元NPOの手によって1000発程度の花火大会を実施したが、被害者の会から時期尚早だといった意見が相次ぎ、2回目以降の大会開催は行われていない。そして今日に渡るまで福知山花火大会は無期限の休止、事実上の廃止に至っている。
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関連項目
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