王宮の弾圧 単語

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オウキュウノダンアツ

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王宮の弾圧とは、遊戯王OCGカードである。2014年3月現在禁止カード定されている。

概要

第2期のパック、「Mythological Ageりし-」(2001年11月29日発売)で登場した永続

永続
800ライフポイントを払う事で、
モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果を効にし破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

※「BEGINNERS EDITION 2」(2011年発売)収録のカード(BE02-JP162)による

モンスターの特殊召喚を効にできる強カード。現状、特殊召喚が全く採用されないデッキというのはよほど特殊なデッキでない限りほぼないといってもよく、モンスターの展開手段は特殊召喚が中心となっているので、このカードは様々なデッキに対する対抗策となる。
一方で、自分も特殊召喚を封じられるかもしれないというデメリットを忘れてはいけない。この点は、特殊召喚を積極的に行わないデッキや、効化できない(ダメージステップ時の特殊召喚など)、効化する意味がない(してもすぐに復活してくるため。「不死武士」など)モンスターを中心としたデッキなどにこのカードを採用することで、デメリットを軽減できる。もっともこれは、これらのカードに対してこのカードが弱い、ということでもある。
黄泉ガエル」の場合も、このカード効化する意味はないが、「黄泉ガエル」の効果の都合上、同じプレイヤーが併用するのは不可能

無効化するタイミングについて

モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果」

効化効果の発動タイミングについては結構ややこしい。

まず、特殊召喚というのは、「チェーンブロックを作る特殊召喚」(チェーンに乗る効果)と、「チェーンブロックを作らない特殊召喚」(チェーンに乗らない効果)に大別できる(ルールブックによる分類の仕方と少々異なるが、このカードの処理の仕方などから仮にこのように分類する)。

チェーンブロックを作らない特殊召喚」は、「発動しない」ものであり、特殊召喚の前にチェーンの確認をせず、いきなり特殊召喚!してしまうものである。「宣言して行う特殊召喚」という通称もあり、どちらかというとこちらのほうが性質をよくあらわしている。
例としては「サイバー・ドラゴン」、シンクロ召喚エクシーズ召喚ペンデュラム召喚など。

マスタールール3準拠のルールブックでは「特殊召喚モンスターの特殊召喚」として説明されているが、前述の「サイバー・ドラゴン」やペンデュラム召喚されるモンスターなどは「特殊召喚モンスター」ではないため、「特殊召喚モンスターの特殊召喚」と「チェーンブロックを作らない特殊召喚」を同一視するのは正確でない。
マスタールール2準拠のルールブックではただの「特殊召喚」と説明されており、こちらはほぼ「チェーンブロックを作らない特殊召喚」と同じ内容。

チェーンブロックを作る特殊召喚」というのは、その効果の発動に対して何らかのカードチェーンするタイミングがあるもので、「発動する」効果である。特殊召喚する前にまずチェーンを確認するといえば分かりやすいだろうか。
該当する例としては、融合召喚を行うカード儀式魔法全般、「死者蘇生」、「ネフティスの鳳凰神」など。

※備考
特殊召喚の分類について、マスタールール2準拠のルールブックでは「特殊召喚」と「カード効果による特殊召喚」、マスタールール3準拠のルールブックでは「特殊召喚モンスターの特殊召喚」と「カードの効果による特殊召喚」という分類の仕方をしているが、この分類法は今回の特殊召喚を効にするという観点からみた分類としては少々合わないため、ここでは深くは取り上げない。
強いて言うならば、それぞれ前者は「チェーンブロックを作らない特殊召喚」、後者は「チェーンブロックを作る特殊召喚」に近いが、例外がいろいろと存在し、単純にそのように考えることはできないため、ルールブックの該当個所はいったんわきに置いておいたほうがいい。

 

チェーンブロックを作らない特殊召喚」の場合、「発動しない」ので「天罰」などで効化できない。一方で、「昇天」などの「特殊召喚を効にする」ものでは効にできる。
チェーンブロックを作る特殊召喚」の場合、「発動する」効果なので、「天罰」、「マジック・ジャマー」などで効にできる。一方で効果処理で特殊召喚されたモンスターに対して「昇天」など、「特殊召喚を効にする」カードを使うことはできない。

ここで「モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果」というテキストが生きてくる。
チェーンブロックを作らない特殊召喚」の場合、前者の「モンスターの特殊召喚」によって、特殊召喚を効にして破壊する。「チェーンブロックを作る特殊召喚」の場合、後者の「モンスターの特殊召喚を含む効果」によって、特殊召喚する効果を効にして破壊する。
このように、「王宮の弾圧」は「チェーンブロックを作る特殊召喚」、「チェーンブロックを作らない特殊召喚」の双方に対応している。

例えば、「サイバー・ドラゴン」の場合、「サイバー・ドラゴン」が特殊召喚されたところでこのカードの効果を発動、特殊召喚を効にして破壊する。
死者蘇生」の場合、「死者蘇生」の発動に対してこのカードの効果を発動、「死者蘇生」の効果を効にして破壊する。「死者蘇生」を発動したときに効にせず、「死者蘇生」によって特殊召喚された「ガガガマジシャン」の特殊召喚を効にすることは不可能である。


例外的な存在として、「緊急同調」や「フォーミュラ・シンクロン」が存在する。
これらは特殊な状況でシンクロ召喚を行えるようにする効果で、これに対しては、効果を効にすることも、効果によって行われたシンクロ召喚効にすることもできる。
これらのエクシーズ召喚版ともいえる、「高等紋章術」の場合も同様。しかし、エクシーズ召喚を行う魔法カードであっても、RUMの場合は魔法カードによる特殊召喚として扱われるため、RUMの効果を効にすることはできるが、それによって行われるエクシーズ召喚効にできない。

無効化できる範囲について

基本的にどのような特殊召喚に対しても対応できるこのカードだが、例外的に対応できない状況として、ダメージステップ時の特殊召喚がある。

ダメージステップ時に発動できるカードには制限があり、攻守を変動させる効果を持つもの、カウンターモンスターの誘発効果など、限られたカードしか発動できない。どのようなカードが発動可かは各カードごとに確認するしかないが、このカードに関してはダメージステップ時の効果の発動は不可能とされている。
そのため、ダメージステップ時に特殊召喚された「冥府の使者ゴーズ」・「トラゴエディア」などは効にできない。

また、「超融合」は元々自身に対するチェーンを許さない効果を持っているので、これも効にはできない。「超融合」で融合召喚されたモンスター融合召喚効にできないのは前述の通り。
「The splendid VENUS」が存在する(かつ、効果が効化されていない)状況でVENUSコントローラーが発動したモンスターを特殊召喚する効果を持つ魔法効化できない。

さらに、直前のチェーンブロック以外に対しても効化できない。
チェーン1「死者蘇生」、チェーン2「サイクロン」という状態で、チェーン3でこのカードを発動して「死者蘇生」を効にすることは不可能である。
同時に複数の特殊召喚効果が発動した場合、効にできない状況が発生することもある。

例えば、相手が「手札殺」で「暗黒界武神 ゴルド」、「暗黒界の軍 シルバ」を手札から捨てたとする。そうすると、ゴルドとシルバは同時のタイミングで特殊召喚効果が発動する。両方とも強制効果なので、このときにチェーンの順番は相手プレイヤーが任意で決めることができる。
相手がチェーン1:ゴルド、チェーン2:シルバ、とした場合、チェーン3にこのカードを発動して効にできるのは直前のチェーンブロックにあるシルバだけである。逆にチェーン1:シルバチェーン2:ゴルド、とした場合はゴルドしか効にできない。

当たり前だが、「このカードの特殊召喚は効化されない」というテキストを持つ「光の創造神 ホルアクティ」も効化できない。

「モンスターの特殊召喚を含む効果」とは

効果処理時に特殊召喚する可性があるカードの発動に対しては、特殊召喚を行うか否かに関わらず、このカードの効果で効にすることができる。

例えば、「自分のカード2枚以上を破壊する効果を効にし、エクストラデッキから『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚できる」効果を持つ「スターライト・ロード」の発動に対してこのカード効にすることができる。この場合、「スターライト・ロード」の効果が丸ごと効にされるので、「破壊する効果を効にする」効果も効にする。

また、「フィールド上の融合モンスターエクストラデッキに戻し、自分の墓地にそのモンスター融合素材っていればそれを特殊召喚する」効果を持つ「融合解除」の場合も、同じくこのカード効にできる。このとき、墓地融合素材モンスターっていない状態(特殊召喚できないことが明らか)であっても、効化できる。


一部の永続・フィールド魔法など、カードの発動時には特殊召喚できないが、その後の効果発動時に特殊召喚する効果に対しては、カードの発動時に効化することはできないが、特殊召喚する効果の発動時に効化することは可


モンスターの特殊召喚を含む効果」というのは、あくまでその効果の処理の中でモンスターを特殊召喚する可性のある効果ということである。そのため、モンスターを特殊召喚する効果を持つモンスターの特殊召喚しない効果をこのカード効にすることはできない。

例えば、「フィールドを離れたときにエクストラデッキから『シューティング・スター・ドラゴン』を特殊召喚する」効果を持つ「シューティング・クェーサー・ドラゴン」の、「1ターンに1度、魔法モンスター効果の発動を効にする効果の発動を効にして破壊する」効果をこのカード効にすることはできない。

冷静に考えれば当たり前のことなのだが、一時期、これに関するルールがはっきりしていない状態(いわゆる「調整中」)になり、混乱したことがあった。

その後の顛末

1枚であらゆる特殊召喚を封じるという効果は強であり、特殊召喚を行うデッキの対抗策というえて、その特殊召喚を行うデッキですら、「自分のモンスター一通り特殊召喚した後にこのカードで相手の特殊召喚を封じる」など、色々と悪用されることになってしまった。
そのようなこともあって、2010年3月1日に準制限カード、同年9月1日に制限カード定され、最終的に2011年9月1日禁止カードとなった。

禁止化により、特殊召喚への有効な対抗策が1つ失われることとなり、これからは特殊召喚を行うデッキがよりを伸ばすと思われる。また、このカードが禁止定を受けると同時に「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」や「裁きの龍」など、特殊召喚効果を持つ強モンスターがいくつか規制緩和されているので、このカードの禁止で抑止がなくなったそれらのカード暴走するのではないかという懸念もある。

そのようなことから、このカードは禁止にすべきではない、という意見もあるにはあるが、やはり上記のような、先攻プレイヤーが先に発動して後攻プレイヤーの展開を封殺するという使われ方も問題であるため、禁止はやむなしといったところか。

現在では、このカードに近い役割を果たせる「虚無空間」が登場している。向こうは存在する限り特殊召喚を全に封じるが、自壊効果の条件が非常に緩いという点で調整されている。

おまけの知識

初登場時のテキストは以下のようなものであった。

永続
このカードフィールド上に存在する限り、
お互いのプレイヤー800ライフ払う事で特殊召喚を効にし、
そのモンスターを破壊する事ができる。

※「Mythological Ageりし-」収録のカード(MA-43)による

第2期ゆえに現在若干異なる言い回しもあるが、もっとも大きく違うのが、「モンスターの特殊召喚を含む効果」が効にできないことである。後に再録された際、現在のようなテキストエラッタされ、「モンスターの特殊召喚を含む効果」を効にできるようになった。
この旧テキストカードも、ルール上は新テキストカードと同じ効果のものとして扱う。

タッグフォース3WCS2009では、前述の「モンスターを特殊召喚する効果を持つカードの特殊召喚しない効果」も効にできてしまう。調整中状態であったためにゲーム版独自の裁定を用意したのだろう。
そのようなことになったためにWCS2009世界大会ではこのカード禁止カード定された。

アニメ5D'sジャックが使用した通常魔法トラップポーズ」のイラストには、このカード効にされ石化している様子が描かれている。ちなみに「トラップポーズ」の効果は、「相手フィールド上の表側表示の永続の効果をエンドフェイズまで効にし、効にした永続1枚につき1枚ドローする」というもの。

このカードの効果は「~効にし破壊する。」である。

サイバー・ドラゴン」の特殊召喚に対してこのカードを発動した場合、「サイバー・ドラゴン」はフィールドでも手札でもない場所で破壊された扱いになる。それがどこなのかはコンマイのみぞ知る。シンクロエクシーズ召喚ペンデュラム召喚に対しても同様。
これは、このカードの効果に対して「スターダスト・ドラゴン」の効果を発動できるか、ペンデュラム召喚効にされたペンデュラムモンスター墓地へ送るかエクストラデッキに加えるかといった場面で考える必要がある。この例では、それぞれ、「『スターダスト・ドラゴン』はフィールド上のカードを破壊する効果に対してのみ発動できるため、この場合は発動できない」、「フィールドから墓地へ送られる場合のみエクストラデッキへ加えるペンデュラムモンスターは、この場合は墓地へ送る」が正解

一方、「死者蘇生」を効にした場合は、フィールドで破壊された扱いになる。そのため、このときは「スターダスト・ドラゴン」の効果を使える。

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