ワンステップバスとは、出入口の段差(ステップ)を1段に抑えた低床バスである。
概要
出入口に段差は残るが1段しかないので乗り降りはしやすく、中ドアにスロープを設置すれば車椅子での乗り降りも可能。走破性能もノンステップバスより高いので山岳路線などでも運用しやすく、収容力もノンステップバスより大きい。
現在販売されているワンステップバスは中ドアから後ろを1段段上げし、段上げした部分の床下に走行に必要な機器類を収容している。これは京浜急行と日野自動車が共同で開発したもので「京急型ワンステップバス」という通称があり、高価だったワンステップバスの車両価格低下に大きな力を発揮した。
構造別ワンステップバスの分類
京急型ワンステップバス
現在国内で活躍しているワンステップ車のほぼ全てがこのタイプ。先述の通り、中ドアから後ろを一段段上げし、段上げした部分の床下に走行に必要な機器類を収容している。
日野自動車と京浜急行電鉄が共同開発したので「京急型」と呼ばれている。
東京都型ワンステップバス
エンジンの置き方を工夫することで車体後部までワンステップとしたタイプ。東京都交通局(都営バス)に多く投入されたのでこの名を持つ。
日産ディーゼル(UDトラックス)と日野自動車はエンジンを縦置きにして運転席側にオフセット、三菱自工(三菱ふそう)はエンジンを横置きにしてTドライブを採用、いすゞ自動車はエンジンを直列6気筒からV型8気筒に変更してエンジンの全長を縮め、低床エリアを広くした。
構造が特殊なのと、多く投入した東京都が東京都型の退役が進んだ2005年以降車両譲渡を原則認めなくなったために中古での流通はあまり多くなく、移籍例も少ない。
西鉄型ワンステップバス(中型ロング)
全長9mの中型車のシャーシを大型車並の10.5mに延長したもの。西日本鉄道が開発に関与したのでこの名を持つ。
そもそも中型車は大型車に比べて機器類やタイヤが小さいので低床化がしやすく、平成元年から日産ディーゼルよりワンステップバスが正式販売が開始されている。
西鉄型ワンステは日産ディーゼルの中型ワンステのシャーシを切断して延長用スペーサーを入れて再結合し、大型車並の定員を得られるようにしたもの。
当初は西鉄のみだったが、安価に大型車並の定員を持つワンステップバスが導入できると事業者の間で評判になり、更にノンステップバスが全国的に浸透すると西鉄型ワンステはノンステップバスへと発展的解消を遂げた。
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関連項目
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