管弦楽とは、オーケストラの邦訳である。
打楽器「解せぬ」
遥か昔バロック音楽の中頃からオーケストラにはティンパニが用いられるようになっている。無論日本にオーケストラが伝搬された頃はロマン派盛期だったはずなので、打楽器は前時代に増して豊富に用いられていたはずである。にもかかわらずこんな訳語をあててしまった所以は、雅楽の舞を伴わない演奏を「管絃」と呼んでいたことにあるらしい。「合奏形態」の意を一番忠実に表す、日本に昔からあった語をそのままあてているのである。無論、雅楽の演奏には管楽器と弦楽器のみ・・・って管絃にも鼓あるじゃねーか。
バラバラな邦訳
通常「Orchestra」の対訳が「管弦楽」となるが、個別の楽団そのものに焦点を当てている時は「管弦楽団」と訳している。たとえば「The Cleveland Orchestra」は「クリーヴランド管弦楽団」となる。「Philharmonic Orchestra」の場合も「フィルハーモニック管弦楽団」と訳すことが多いが、「Symphony Orchestra」は「交響管弦楽団」とはせずに「交響楽団」と訳すことが多い。「The Boston Symphony Orchestra」は「ボストン交響楽団」となるわけである。
以上は英語の対訳の例だが、他の言語からの邦訳でもだいたいおなじような訳し方をしている。
関連項目
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