饑とは、凶作という字である。
漢字として
- 意味
- 穀物が不作、(飢と通じ)飢える。
- 〔爾雅・釈天〕に「穀の熟せざるを饑と爲し、蔬の熟せざるを饉と爲し、果の熟せざるを荒と爲す」とあり、穀物の不作を饑、野菜類の不作を饉、果実類の不作を荒というとある。〔説文解字・巻五〕にもほぼ同じく「穀の孰くせざるを饑と爲す」とある。
- 字形
- 形声で声符は幾。
- 音訓
- 音読みはキ(漢音)、訓読みは、うえる。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第二水準。
- 語彙
- 饑厄・饑渇・饑虚・饑饉・饑困・饑溺・饑弊・饑飽・饑狼
異体字
- 𩚮は、〔集韻〕に「饑、――古、𩜆・𩚮と作(な)す」とある異体字。飢の異体字とされることもあり、〔玉篇〕には「古文飢」とある。〔集韻〕にはまたデキと読んで惄と同じとある。
- 𩜆は、〔集韻〕に「饑、――古、𩜆・𩚮と作す」、〔字彙〕に「饑に同じ」とある異体字。
- 飢は古くから通用し、混用された字で、異体字とされることもある。
- 簡体字は饥(飢の簡体字でもある)。
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