ニコニコ大百科

西日本は昨日より暑い　東日本北日本は涼しい

だがどうすればいいのだろう。　魔動人形はそう簡単には壊れない。
それに多少の損壊ならきっとすぐに父の手で直されてしまう。


次の敵との戦闘でわざと致命傷を負うべきか。
いや、私が倒されては父の身にも危険が及ぶ。　次も妹がうまく守ってくれるとは限らないのだから。

今日、生前退位の検討する有識者会議かぁ

任務受けたしもうひと眠り　おやすみとなり

妹、か――

いくつかの案を巡らせながら
自分よりも聡明で思慮に長けた、そうなるように創られた妹に助力を請うことを考え始めていた

いや、そんなものは言い訳だ

私はただ、この感情の矛先を彼女に向けていい理由を探していた

自分という存在を諦めてなお
いや、自分という存在を諦めたからこそ

自分の存在価値を根幹から揺るがしたこの感情に身を委ねたいという衝動は募り続けていた

私だけがこの苦しみを抱えて果てるなど有り得ない

この羨望も嫉妬も敵愾心も全て打ち明け、妹にぶつける

そして必ず心中する

それが私の最期の願いだ

妹の中に私と同じ醜さがあったなら死に方の模索に協力してくれるかもしれない

もしも父の理想通りの純粋さを持っていたとしても、私の心の内を知ればきっと私と同質のモノが妹の中にも芽生える
そうなれば彼女にも共に死ぬしか道はなくなるだろう

頭ではわかっている
妹が父の美を体現していたならばそれは父の理想に牙を剥くということ

本当に父を思うなら なんとしてでも私が自分で自分に始末をつけ、妹は理想の美への糧として残すべきだと

だが
仕方ないじゃないか

理性で感情を制御できたなら　そもそも私は自死を選ぶ必要などない

失敗作がこれまでずっと正しさを演じてきたのだ
最期くらい失敗作らしく間違いに身を委ねても許されるのではないか

おはよぉ

そんな言い訳を自分に対して繰り返しながら
やがて決意を固めていく

その日 いつも二人で過ごしていた部屋で いつも通りの妹を前に
私は初めて自分の心の全てを打ち明けた

妹はどのように応えるのだろう
もしも私とは違う美しさを持っていたなら、悲嘆に暮れてしまうだろうか。 私が始めそうだったように

私と同様に醜かったなら、安堵に胸を撫で下ろすだろうか。 今の私がそう願っているように

わからない
妹は何を思うだろう。　私は本当は妹に何を望んでいるのだろう。

ハンプデン

なんにせよ答えはすぐに出る。

そんなことを考えながら 私は口を開き、言葉を紡ぎ始めた。
慎重に自分の胸の内を確かめながら、今こそ偽りのない この心の有様を伝えるために。

今来たにとなりー

ふー

私たちが生まれた意味について

自分の愛に疑問を持った事はあるか

父の意思をどう考えている？

お前が大怪我を負ったあの日私がどんな感情を抱いたか

それからの日々がどれほど苦しかったか

くー

ぽー

ぬー

ひー

ふー

ぷー

こー

ぴー

ぷー

いー