オーテモン 単語

2件

オーテモン

4.0千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

オーテモンとは、1955年生まれの日本競走馬種牡馬である。黒鹿毛

距離を得意とする種牡馬ライジングフレーム産駒の中で一の、天皇賞勝利した晩成の名

な勝ち
1960年:天皇賞(秋)(八大競走)、東京記念、日本経済賞

1960年啓衆社賞最優秀5歳以上

※当記事では活躍した当時に合わせて旧馬齢表記(現在の表記+1歳)を使用しています。

概要

ライジングフレームカネユキプリメロという血統。

ライジングフレームは同時代のライバル種牡馬ヒンドスタンべると大競走に縁がなかったものの、場でよく組まれていた短・中距離ハンデ戦で本領を発揮し「格のヒンドスタンハンデライジングフレーム」と呼ばれていた。ヒンドスタンはるかえる産駒勝利1379と戦艦勝利数176はノーザンテーストサンデーサイレンス更新されるまで残り続けていた。時代を越していたと言える種牡馬成績を誇っていた。

カネユキ中央競馬で60戦15勝。1949年優駿牝馬2着や50年の天皇賞(秋)4着などの実績がある。オーテモンは3番産駒

プリメロは現役時代愛ダービーセントレジャーなど15戦3勝。日本小岩井農場で種牡馬入りした後はダービー4頭を含むクラシック勝利15頭を送り出す大成功を収めた。としても現在も様々な名系に入って現代までを残している。

1955年3月11日河の冨岡牧場で誕生。トキノミノル馬主として知られる永田一氏に購入されると「オーテモン」と名付けられた。オーテモンの名の由来が日本の正門として使われていた「大手門」からなのはわかるのだが、なぜそれを競走馬に…?それとも実業らしく千代田区の大手町から取られたのかもしれない。永田京都出身だけど。
3歳になったオーテモンはトキノミノルライバルとしてクラシックで鎬を削ったイツセイを手掛けていた尾形藤吉厩舎に入厩した。

現役時代

1957年10月新馬戦トキノミノル戦だった岩下密政騎手を背にしてデビューし5着。その後2戦してどちらも2着した後11月末の3歳特別戦で勝ち上がった。翌には中央2歳の大一番朝日杯3歳ステークスに格上挑戦し、1勝にもかかわらず1番人気に支持されたが、重馬場に足を取られてカツラシユウホウの3着に敗れた。2週間後の優勝戦も同じく2着に敗れ、3歳時は6戦1勝だった。

4歳時は1月千葉4歳特別から始動。1番人気の支持を受けたが同期ガーネツトの3着。そこからオーテモンは1月に2回のペースレースに出走し続けだが、特別戦2着、弥生賞4着、スプリングステークス3着と前戦で善戦して名を挙げることには成功するものの地方からやってきたダイゴホマレの前に敗れ、肝心の皐月賞タイセイホープ[1]の14着。NHK杯6着を挟んだダービーダイゴホマレの14着とさっぱり振るわず、岩下騎手とのコンビはここまでとなった。

オーテモンは新しく野好男騎手コンビを組むと、次走は当時「残念ダービー」と言われていた中山4歳ステークスとなった。しかしここもあえなく8頭立て7着(後繰上り7着)に敗れ、2勝7月の4歳特別戦(30万下)であった。その後もオーテモンは4歳王道とも言えるセントライト記念菊花賞カブトヤマ記念有馬記念に出走を続けたが、好走すれども勝ち切れず、結局合い間に出走したハンデ戦で1勝を挙げるに留まっている。

5歳時の1959年も4歳時と同じくどの重賞掲示板に入るものの勝てない日々が続いた。10月まで14戦、その内重賞は8戦も走って勝ったのはハンデ戦1勝とオープン戦2勝の僅か3勝。勝った相手は後の天皇賞クリペロ、安田記念ヒシマサルダイヤモンドステークスを勝ったアヤノボルなど決して弱くはないのだが[2]、何故か勝てそうなレースになると馬場状態が悪くなるという運の悪さもあってなかなか勝利に結びつかなかった。

11月になるとオーテモンは初めての天皇賞挑戦の為前戦の目黒記念(秋)4キロハンデ差があったエドヒメに1身半及ばなかったものの2着として天皇賞(秋)へ歩を進めた。1959年天皇賞(秋)実績が少なく、ライバルアヤノボルも調子を落としていた。馬場も良馬場であったためオーテモンは1番人気に支持され、馬主永田氏もその気になって競馬場に足を運んでいた。レースではアヤノボルが大逃げを仕掛け、オーテモンは後ろから、エドヒメがその後ろにつけていた。アヤノボルは差を付けたまま最終直線までったが、外からガーネツトが上がり始め、一手遅れてオーテモンが仕掛けた。オーテモンは先に抜け出したガーネツトしてじりじりと迫り、並んだところがちょうどゴール板前だった。

永田氏は写真判定中にもかかわらず意気揚々と表台の方へ移動を始め、同じく移動し始めたガーネツト営の前で「が勝ったんだぞ!」と大永田ラッパを吹き鳴らした。ガーネツト営はそれを聞いてすっかり意気消沈してしまったが、長い写真判定の結果オーテモンはガーネツトの2着となってしまい、ガーネツト営は大喜び。勝利を全く疑っていなかった永田氏は逆に愕然とした表情で固まってしまったという。年末の有馬記念不良馬場での開催だった為悪が知られていたオーテモンは6番人気まで人気を落としたものの、他のメンバー不良馬場ではいつも通りのレースが出来なかったのか、地力を見せて4着とした。結局5歳時も重賞勝利できなかった。

6歳となった1960年、オーテモンはこれまで所属していた尾形厩舎から田中和夫厩舎に移籍した。移籍初戦は2月京王スプリングハンデに決まり、トップハンデを背負って4着に好走。3月に新設された第1回東京記念でシゲミノルハナ差で破り6歳にして遂に重賞勝利。当時6月に行われていた日本経済賞でも前年の菊花賞ハククラマを半身差で破って重賞2勝を挙げた。ハククラマとはハンデ4kgあったけど。ただ自身も前年の活躍で斤量を背負うことが多くなり、場のオープン戦は1戦しか出走せず、重賞でも掲示板にギリギリ入るか入らないかと言った成績だった。

前年2着の辱を果たすべく出走した天皇賞(秋)は、から小雨が降りしきる11月に行われた。この天気ではもはやレースどころか競馬場に行く前からすらオーテモンの勝ちは理だと思われたか、11頭立て8番人気と大きく人気を落とし、永田オーナーも肩を落としつつ挨拶回りをしつつの走りを見ようと東京競馬場へ足を運んだ。しかしやはりオーテモンの悪下手を良く知るオーナーは最初から勝てるとは思わず、姿であった。

しかし、レース本番でオーテモンは最後の直線で前年の皐月賞イルデイールと一緒に鮮やかに群から抜け出すと、ウイルデイールを置き去りにしてどんどん足を延ばして行く。最後には内の方から迫ってきたオンワードベルを振り切り6歳にして八大競走初制覇。前年2着に敗れた辱も果たした。レースを見ていた永田オーナーに返ると大慌ててで表式に出るためにから背広姿に着替えることになった。オーテモンはこの活躍により続く有馬記念では12頭立て1番人気に支持されたが、前を走る当年のオークススターロツチを最後まで捉えきれず。1と4分の3身差の2着に敗れた。しかし二冠馬コダマを始め、前年ダービーコマツヒカリ菊花賞キタノオーザ、皐月賞2着のマツカゼオー、後の天皇賞ヤマニンモアーなど多くの強に先着している。オーテモンは2戦の活躍を評価され最優秀5歳以上を受賞。これをもって引退となった。通算成績54戦9勝。うち重賞3勝。

引退後

引退後はリーディングサイアーライジングフレームの後継として種牡馬入りしたものの、中央で活躍する産駒は現れなかった。しかし地方ではNTV盃を勝ったマルヤマオカンと、69年の南関東アラブ三冠を制したアラブの名セカンドホーリを輩出している。しかしオーテモンは産駒たちの活躍を見ることなく1966年以降は行方不明になってしまっている。当時は引退馬に対する意識は全くなかった時代であったため、消息の手掛かりは残っていない。

血統表

*ライジングフレーム
Rising Flame
1947 黒鹿毛
The Phoenix
1940 鹿毛
Chateau Bouscaut Kircubbin
Ramondie
Fille de Poete Firdaussi
Fille d'Amour
Admirable
1942 黒鹿毛
Nearco Pharos
Nogara
Silvia Craig an Eran
Angela
カネユキ
1946 鹿毛
FNo.12
*プリメロ
1931 鹿毛
Blandford Swynford
Blanche
Athasi Farasi
Athgreany
第四バツカナムビユーチー
1940 黒鹿毛
*ダイオライト Diophon
Needle Rock
ツカナムビユーチー *シアンモア
第三ビユーチフルドリーマー
競走馬の4代血統表

クロスPharos 5×4(9.38%)

主な産駒

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *ちなみにタイセイホープトキノミノルの2着に敗れたイツセイ産駒であった。
  2. *3頭とも重賞舞台で敗れた経験がある相手だった
この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
東ローマ帝国[単語]

提供: 暗黒騎士

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/03/27(木) 13:00

ほめられた記事

最終更新:2025/03/27(木) 12:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。