カーネルシンボリ(Colonel Symboli)とは、1971年生まれの日本の競走馬である。
類稀な素質を見せつけながら度重なる故障に泣いた悲運の馬である。
主な勝ち鞍
1973年:北海道3歳ステークス
1974年:東京4歳ステークス、弥生賞
1975年:目黒記念(春)
父はシンボリ牧場の至宝パーソロン、母は同牧場で一大牝系をなした英国産のローズライラック。
ローズライラックにとっては輸入されて最初の産駒とあって関係者の期待は大きく、「大佐」を意味するカーネルという名前にもそれは見て取れる
多大なる期待を背負って野平省三厩舎に入厩し、7月の札幌でデビューしたカーネルシンボリは、これを9馬身もの大佐もとい大差で圧勝。
続くオープンも難なく勝ち、重賞初挑戦の次走北海道3歳Sも不良馬場の中を勝利。雨の日も有能であることを見せつけるとともに、まだ減量騎手だった鞍上西野騎手に嬉しい初重賞をプレゼント。
余勢を駆ってホームの中山へ乗り込みオープンを制し、更には京成杯3歳Sをも制覇。
シーズンを締めくくる朝日杯を一番人気で迎えたものの、まさかの6着と大敗。しかし東のナンバーワン3歳馬の評価は揺るぎのないもので、期待を持たせて3歳シーズンを迎えた。
明けて4歳シーズンは万全を期して騎手の乗り替わりが行われ、鞍上は野平師の息子でミスター競馬こと野平祐二に替わった。
あれは…いい馬だと言ったかは定かではないが、新コンビは2月の東京4歳Sで始動。2番人気に評価を下げたもののこれを危なげなく勝利。
続く弥生賞では朝日杯で後塵を拝したヒカルランザンやダービーを制することになるコーネルランサーを撃破。押しも押されぬ東のクラシック候補筆頭として、西で勇名を馳せていたキタノカチドキと皐月賞で激突!
…するはずだったのだが、あろうことかその皐月賞を前にして骨折。引退は免れたものの、クラシックは全て棒に振ることとなった。
さらに悪いことに調教師の野平師が休養中の8月に逝去する不幸にも見舞われ、秋のダービー卿CTで復帰はしたもののこれはいいとこなしの8着。
それでもファンの期待は大きく、有馬記念に選ばれたもののやはり精彩を欠き6着。キタノカチドキの踏み台にされるような不本意なシーズンとなってしまった。
それでもカーネルシンボリは終わったわけではなかった。
明けて5歳の初戦は春の目黒記念。父の後を継ぐために相棒野平はこのレースを最後に現役を退くことになっていた。
競馬の神様も踏んだり蹴ったりの4歳シーズンを哀れに思ってサービスサービスぅしてくれたのだろう。ミスター競馬のラストランはカーネルシンボリの劇的な復活勝利で終わったのだった。
…のだが、カーネルシンボリは続いて中山記念で5着とした後もう一回骨折してしまった。きついジョークだと思いたいところだが、この馬はあまりに不運である。
だがカーネルシンボリは負けなかった。秋には戦線に復帰し、因縁のダービー卿CTで3着。
続く天皇賞では道中不利がありながらフジノパーシアの2着と素質の片りんを見せつけた。
類稀な素質と根性で二度の骨折を克服したカーネルシンボリだったが、その輝きもこれまでで、有馬記念は3番人気に押されたものの期待を裏切る10着。
6歳になっていよいよ衰え激しく、雪辱を狙って秋の天皇賞に出走するものの8着と敗れた、これを最後に引退した。
ダートの短距離で頭角を現しながら3200mの天皇賞で勝ち負けをし、重馬場も全く苦にしないオールラウンドな馬であり、それだけに度重なる故障が惜しまれる
思えば大佐というのは一見大物のようで上には上がいる中間管理職であり、このネーミングが八大競争制覇を阻んだのかもしれない。大物になりきれなかった将軍もいるが
引退後は種牡馬となったが、内国産種牡馬不遇の時代とあって思うように牝馬が集まらなかった。
だが数少ない産駒は意外に良く走り、高い勝ち上がり率をマーク。クイーンブレスト、シノンシンボリと2頭の重賞馬も輩出し、種牡馬としてはまず成功と言ってよい成績を収めた。
母の父としても中山大障害をレコード勝ちし、引退後は競技馬としても活躍したシンボリモントルーや、クイーンCを制したスイートミトゥーナを輩出。現在も子孫は残っており、直近だと中山大障害を2勝したニシノデイジーの母母父セイウンスカイのさらに母母母父にカーネルシンボリの名が刻まれている。
晩年は熊本で種牡馬生活を送り、1991年に老衰で世を去った。
ビッグタイトルには手が届かなかったが、軍隊に大佐クラスの将校が必ず必要なように、こういう馬が居るから競馬は楽しいのだ。
*パーソロン Partholon 1960 鹿毛 |
Milesian 1953 鹿毛 |
My Babu | Djebel |
Perfume | |||
Oatflake | Coup de Lyon | ||
Avena | |||
Paleo 1953 鹿毛 |
Pharis | Pharos | |
Carissima | |||
Calonice | Abjer | ||
Coronis | |||
*ローズライラック Rose Lilac 1964 青毛 FNo.9-c |
Zimone 1953 黒鹿毛 |
Persian Gulf | Bahram |
Double Life | |||
Lady Mary Rose | Nearco | ||
Rosemain | |||
Lilac Belle 1953 青鹿毛 |
Petition | Fair Trial | |
Art Paper | |||
Belle Travers | Mr. Jinks | ||
Futurity |
クロス:Pharos=Fairway 4×5×5(12.50%)、Blandford 5×5×5(9.38%)、 4×5×5(12.50%)、Tourbillion 5×5(6.25%)
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最終更新:2025/03/14(金) 16:00
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