スカーレットインク(Scarlet Ink)とは、1971年生まれのアメリカの競走馬。栗毛の牝馬。
輸入された日本で「スカーレット一族」と呼ばれる名牝系の祖となった。
父Crimson Satan、母Consentida、母父Beau Maxという血統。
父はアメリカで最優秀2歳牡馬に選ばれ、5歳まで走って58戦18勝の戦績を残した、いわゆるヒムヤー系(Domino→Commando→Peter Pan→Black Toneyという当時のヒムヤー系の主流ライン)の馬。
母はアメリカで2戦0勝。
母父は*ダンシングブレーヴ(母母母父)やCigar(母母父父)などの血統表に名を残しており、産駒Solazoがアルゼンチンで種牡馬として成功したそうなのだが、調べてもどういう馬なのかよくわからない。
1971年5月5日にアメリカで生まれ、競走馬としてデビューしたスカーレットインクだが、競走馬としては1戦0勝、2歳で引退したので何も書くことがない。両前脚が大きく内向しているという欠点があり、競走馬として何の実績も残せなかったのはそのへんもあったのかもしれない。
そんな彼女を13000ドル(当時のレートで約400万円)で購入し、繁殖牝馬として日本に連れてきたのが社台ファーム代表の吉田善哉であった。吉田は本馬の3代母Your Hostessの牝系が活躍馬を多数出していることに注目しており、その血を日本に入れるために彼女を購入したのだった。安値の理由と思われる前述の脚の形のことは「脚の形は遺伝しない」と気にしなかったそうな。
そんなわけで3歳の1974年から日本で繁殖生活を送ることになったスカーレットインク。しかし最初の3頭の仔はさほど目立った結果を残せず、さらにそこから(3頭目の仔が5月半ば生まれと遅かったので1年空けたあと)3年連続不受胎。期待外れに終わりかけていた。
しかし1982年産の第4仔スカーレットブルーからノーザンテーストを配合するようになると大逆転が始まる。彼女は9戦1勝に終わったがその1歳下の全弟ダイナブルータスが5戦3勝の成績を残し、第7仔スカーレットリボンが1985年の4歳牝馬特別(西)を勝利して重賞制覇。第9仔スカーレットブーケは重賞4勝を挙げて1991年の牝馬クラシックにおいて「五強」の一角を担う大活躍を見せた。
重賞牝馬2頭を出しただけでも充分な成績だが、ここからがさらに凄い。スカーレットインクの仔たちは次々と活躍馬を輩出。スカーレットブーケがダイワメジャー・ダイワスカーレット兄妹を産んだのを筆頭に、第8仔スカーレットローズの仔スカーレットレディはサカラート・ヴァーミリアン・キングスエンブレム・ソリターリーキングのダート重賞馬4頭を輩出。スカーレットブルーの牝系からはダート重賞6勝のトーセンジョウオーに豪州GⅠ2勝のブレイブスマッシュ、ブラックホール・ライラック兄妹などなど……この「スカーレット一族」は日本を代表する名牝系に発展した。
簡易ファミリーラインにまとめるとこんな感じ。青字は牡馬。太字はGⅠ馬。
*スカーレットインク 1971
|スカーレットブルー 1982
||アナスミラビリス 1991
|||トーセンジョウオー 2001 '04関東オークス、'05・'07マリーンC、'05・'08スパーキングレディーC、'07エンプレス杯
|||トーセンスマッシュ 2004
||||ブレイブスマッシュ 2013 '18フューチュリティS、'18マカトニS、'15サウジアラビアRC
||フェスタデルドンナ 1994
|||クォークスター 2007 '10セントライト記念
||ブルーリッジリバー 1999 '02桜花賞2着
|||ヴィーヴァブーケ 2006
||||ブラックホール 2017 '19札幌2歳S
||||ライラック 2019 '22フェアリーS、'22エリザベス女王杯2着
|スカーレットリボン 1985 '884歳牝馬特別(西)
|スカーレットローズ 1987
||スカーレットレディ 1995
|||サカラート 2000 '05東海S、'05ブリーダーズGC、'05日本テレビ盃、'08マーキュリーC
|||ヴァーミリアン 2002 '07JCダート、'08フェブラリーS、'07-09JBCクラシック、'07・'10川崎記念、'07東京大賞典、'09帝王賞、ほか重賞4勝
|||キングスエンブレム 2005 '10シリウスS
|||ソリタリーキング 2007 '12東海S、'12日本テレビ盃、'13マーキュリーC
|スカーレットブーケ 1988 '90札幌3歳S、'91クイーンC、'92京都牝馬特別、'92中山牝馬S
||ダイワルージュ 1998 '00新潟3歳S、'00阪神3歳牝馬S2着、'01桜花賞3着
|||ダイワファルコン 2007 '12・'13福島記念
||ダイワメジャー 2001 '04皐月賞、'06天皇賞(秋)、'06・'07マイルCS、'07安田記念、ほか重賞3勝
||ダイワスカーレット 2004 '07桜花賞、'07秋華賞、'07エリザベス女王杯、'08有馬記念、ほか重賞2勝
最盛期は間違いなくダイワメジャー・ダイワスカーレット・ヴァーミリアンが現役で活躍していた2007年前後だが、令和になってもライラックがエリザベス女王杯2着など活躍しており、まだまだ元気な牝系である。ダイワメジャーは種牡馬として成功を収めたので、その後継種牡馬たちの活躍次第ではさらに父系でも発展していくかもしれない。
スカーレットインク自身は22歳となった1993年8月27日に用途変更となり、没年月日は不明である。
Crimson Satan 1959 栗毛 |
Spy Song 1943 黒鹿毛 |
Balladier | Black Toney |
Blue Warbler | |||
Mata Hari | Peter Hastings | ||
War Woman | |||
Papila 1943 栗毛 |
Requiebro | Re-Echo | |
Trepadora | |||
Papalona | Papanatas | ||
Tarumba | |||
Consentida 1962 鹿毛 FNo.4-d |
Beau Max 1947 鹿毛 |
Bull Lea | Bull Dog |
Rose Leaves | |||
Bee Mac | War Admiral | ||
Baba Kenny | |||
La Menina 1958 栗毛 |
Royal Charger | Nearco | |
Sun Princess | |||
Your Hostess | Alibhai | ||
Boudoir |
クロス:Peter Pan 5×5(6.25%)、Man o' War 5×5(6.25%)
掲示板
掲示板に書き込みがありません。
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/15(水) 09:00
最終更新:2024/05/15(水) 09:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。