ハイクレア(Highclere)とは、1971年生まれのイギリスの元競走馬・繁殖牝馬である。
父Queen's Hussar、母Highlight、母父Borealisという、日本ではあまり馴染みのない血統。父はサセックスS、ロッキンジSを制した一端のマイラーで、かの名馬Brigadier Gerardの父でもある。母は8戦2勝で、その母Hypericumはイギリス1000ギニー馬。母父は名長距離馬Alycidonの半兄で、自身もコロネーションカップを勝った長距離寄りの馬。日本でもタニノハローモアやアサカオーの母父として血統表に名を見ることが出来る。
そんなハイクレアを生産・所有したのは英国女王エリザベス2世。「クイーンエリザベス2世」の名を冠した競走が各地で施行されているとおり、女王が競馬に熱心であることは世界でもよく知られるところであり、馬主としても数多くのG1馬を所有した経歴を持つ。ハイクレアもその中の1頭である。なお、母のHighlightを所有したのは女王の父で前英国王のジョージ6世である。
2歳時は3戦1勝と振るわなかったハイクレア。しかし3歳初戦のG1イギリス1000ギニーでは単勝13倍の伏兵評価を覆し優勝。女王に16年ぶりの英クラシック勝利をプレゼントした。
通常ならその後イギリスオークスに向かうところだが、陣営は父がマイラーであることから距離適性を不安視しこれを回避。代わりにイギリスオークスより約300m短いディアヌ賞(フランスオークス)に出走し、2馬身差の完勝を収める。
この勝ち方で気をよくしたか、前走で不安視していた12ハロン戦のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走(女王の両親の名を冠した競走でもある)。しかしここに待ち構えていたのが1歳上の伝説的名牝Dahliaであった。道中終始Dahliaをマークし続けたハイクレアだったが、直線でも全く差は詰められず2馬身半差の2着に敗れる。
続くG1ベンソン&ヘッジス金杯(現イギリスインターナショナルステークス)はまたもDahliaの前に6着と完敗。それでも陣営は凱旋門賞に挑戦したが、今度は地元フランスの伝説的名牝Allez Franceに当たってしまい、添え物にもなれず最下位18着。このレースを最後に引退した。
繁殖牝馬としても英最優秀2歳牝馬Height of Fashionを産むなど一定の実績を残し、1992年に世を去った。Height of Fashionが二冠馬Nashwan、G13勝のNayefの兄弟を産むなど成功、他にも一族からG12勝のAskやマイルG1で2度レコード勝ちしたGhanaatiなどが出ている。
そして、Height of Fashionの2歳上の姉であるBurghclereが産んだのが*ウインドインハーヘア。彼女が日本競馬にとてつもない衝撃をもたらすのだが、それは当該馬の記事に譲る。それ以外にも一族の牝馬が数多く輸入され、その中からウインクリューガー、ソリッドプラチナムなどが出ている。現在もファミリーは広がり続けており、今や日本競馬に与えた影響は計り知れない。ちなみに前述のNashwan産駒である*バゴも日本に輸入されてクロノジェネシスを出すなど成功しており、この方面でもハイクレアは日本競馬にその血脈を残している。
ハイクレアが世を去った30年後。所有者のエリザベス2世も70年間の女王としての務めを終えこの世を去った。今後は天から陛下が愛した競馬界の未来をハイクレアらと共に見守っていく事だろう。
Queen's Hussar 1960 鹿毛 |
March Past 1950 黒鹿毛 |
Petition | Fair Trial |
Art Paper | |||
Marcelette | William of Valence | ||
Permavon | |||
Jojo 1950 芦毛 |
Vilmorin | Gold Bridge | |
Queen of the Meadows | |||
Fairy Jane | Fair Trial | ||
Light Tackle | |||
Highlight 1958 鹿毛 FNo.2-f |
Borealis 1941 栗毛 |
Brumeux | Teddy |
La Brume | |||
Aurora | Hyperion | ||
Rose Red | |||
Hypericum 1943 鹿毛 |
Hyperion | Gainsborough | |
Selene | |||
Feola | Friar Marcus | ||
Aloe |
クロス:Hyperion 3×4(18.75%)、Fair Trial 4×4(12.50%)、Fairway 5×5×5(9.38%)
なかったので孫の勇姿でも……
掲示板
6 ななしのよっしん
2022/09/09(金) 11:17:32 ID: 3MIuZa5s7R
女王陛下、競馬を愛して頂いてありがとうございました
JRAのCMになってたんだねこの馬
まさかその馬の血を引く者が次の世紀に日本の競馬を、
そして今、世界の競馬を変えようとしてるとは
https://
7 ななしのよっしん
2023/08/21(月) 23:00:07 ID: Be6hXIDXg9
ウイポだと持っておけば虹一枚でディープナシュワンバーイードフクム等のトップクラスの史実馬を大量に入手できるのが本当に大きいな
8 ななしのよっしん
2024/12/25(水) 05:06:48 ID: 4RQDxWN+Bp
母系の4代前であるフェオラを、女王の祖父王ジョージ五世が外部から買い付けた事から始まる、英王室牝系である。
ハイクレア牝系以外の、フェオラ牝系子孫である成功種牡馬は、オリオール・ラウンドテーブル・プルピット(タピットの父)・ヨハネスブルグ(スキャットダディの父)・テイルオブザキャット等である。
フェオラの母アロエからも牝系が延びていて、主要な馬はノウンファクト・ゴーンウエストの伯父甥である。この牝系は日本の重賞馬が多く、代表例は、ドゥレッツァ・テンハッピーローズ・ブローザホーン等である。
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最終更新:2024/12/26(木) 23:00
最終更新:2024/12/26(木) 22:00
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