



船(船舶)とは、主に水上を移動する乗り物である。
海や河川、湖沼といった水上で濡れることなく移動・運搬・活動できる。
地球全体の71%は海であり、レジャーや趣味、漁業、貿易から軍用まで幅広く利用されている。内陸部ではあまり馴染みがないが、海に囲まれた島国である日本には重要な乗り物。
概要
- 動力としては手漕ぎ、風力、蒸気機関、内燃機関(エンジン)、電気推進、原子力機関まで幅広い。
- 浮力を利用しているため、他の乗り物より大型化しても低燃費といった特徴がある。
- 車両と比べても低速で、22ノット(40km/h強)を越えれば高速艇の扱い。
- 水の抵抗があるため高速化には限度がある。(低燃費のメリットが相殺されてしまうなど)
- 低速であるため長距離移動や陸地の反対側への移動には大きな時間がかかる。
- 結果的に、高速だが大量輸送に向かない航空機の真逆の特性ともいえる。
- 右側通行(国際ルール)
- ただし運転不自由な船舶(引き網等の漁労中)等は操縦自由度の高い船側が譲る。
- 単に船の大きさだけでは運転不自由なのか、何の作業をしているのか、種類が何なのかが判断しにくいため、船によっては「信号旗」、球体や円錐といった「形象物」を見えるように掲げる義務がある。
- 海外船舶(タンカー等)が不慣れな海域、狭い湾内を航行するのは危険が伴うため、その際は「水先案内人」が活躍している。(海域進入前に乗り込むパターンもある)
- 全長50m以上の船舶は航路を通行する義務がある。(港湾内など)
- 大型船においてはヘリコプター等が離着陸可能であったり、給油や格納整備拠点を兼ねている場合もある。
標識・信号機
海は広いがどこを通っても良いわけではなく、特に大型船は浅瀬や暗礁に突っ込む危険がある。
- 航路標識(光波標識・電波標識・音波標識・船舶通航信号)で航路や通行状況が定められている。
- 「灯台」は光波標識、夜標のひとつ。港湾等の航行目標とするもの。
- 夜標はモールス信号のように規則的・連続的に点滅を繰り返すものもある。
- 「ここから東は危険だから通るな!」(浅瀬や岩礁等)と、危険エリアを示す方位標識もある。
- 道路標識のような標識もある。(河川など)
- 乗入不可な船種、停泊・係留禁止、離岸距離、船幅や喫水(水面下の高さ)制限など。
- 港にある巨大な「F」「I」「O」「X」が常時点滅してるのは信号機。(航路管制信号)
- F:自由(Free) I:入航のみ可(In) O:出航のみ可(Out)
- X:許可船以外は全禁止、または文字の切替直前に他文字と交互表示する。
- 船舶の往来が少ない時間帯はFになっている場合が多い。
- 港によっては矢印や「N」「E」「W」「S」といった方角を示す文字と同時表示される場合もある。
特性
- 速力と操舵性能は比例する。速度があるほうが舵が利く。
- 超低速=超安全とは限らず障害物を避けられない場合もある。
- ブレーキを掛けても惰性で前進するため、停止までの制動距離が非常に長い。
- 厳密にはブレーキではなく、水の抵抗やスクリューの逆回転を利用する。
- 全速力から完全停止するまでの距離は船全長の約10倍以上。(船・環境によってはこれ以上)
- 船は全速前進状態から全速後進をかけ、船体長の15倍以内で停まるように設計されている。(船舶法)
- 左右どちらかに曲がる事で対象への回避・減速の一種とする場合もある。
- 大型船舶ほど、急ブレーキや急激な操舵が利きづらく、近距離での下方視界が狭い。
- 船舶重量や規模によってはかなり長い時間惰性で前進し続けるため、大惨事は免れない。
- 操舵もブレーキもあまり利かず強力な引き波を立てながら航行するため、興味本位に大型船舶に近づくのはガチで自殺行為。
- 「でかい船が我が物顔で航行している」のではなく、単純に航行の自由度が低い。
- 前述したが、全長50m以上の船舶は航路を通行する義務がある=喫水による座礁などのリスクがあるため、航路以外を通ることができない。
- 一部の大型船舶は後退できないものもあるため、小型高馬力のタグボートの助けを借りる。
- 大型船舶においては外殻内側へ注水・排水、前後左右へのバランス調整を行う。
- バラスト、バラスト水といわれる。水自体を錘として使用するもの。
- 空荷で航行する場合は不必要そうだが、浮きすぎてしまい安定性がなくなるため逆に沈ませる。
- スクリュー等が一部露出してしまい、推進性能がガタ落ちになってしまう欠点もある。
- 潜水艦の潜航・浮上、姿勢制御にもバラストを使っている。
- 現地の海水もバラストに利用できるが、現地の汚染や生物まで拾ってきてしまうため、外来種の拡散(生態系の破壊)や海洋汚染といった無視できない問題を引き起こす。注水・排出禁止の海域なども指定されている。
- 水上オートバイは転覆も想定されて設計されているため、一人でも比較的容易に復元する事が可能。
- 航行すると船の後方に「引き波」(蹴波)が発生する。
- 速力を上げるほど大きくなり、周囲の船や作業している人の邪魔になる。
- 湾内では引き波で流れた船が他船や岸壁、桟橋と衝突するため大迷惑となる。(基本的に湾内徐行)
- 大型船舶は押しのける波の量も大きくなるため、最悪の場合、小型船舶を転覆させる威力がある。
喫水
船体・人員・貨物の重量分が水面下に沈む。(喫水)
喫水の浅い小さな船であっても、航行するうえで非常に重要な要素のひとつである。
- 喫水は、水に浮かべた際の船底~水面部を指す。
- 水に浮かべた際、船から見た水面の高さ位置を「喫水線」という。重量等によって変動する。
大型船であるほど、航行には多くの水深が必要となる。
=大型で重量のある船ほど深く沈むため、水深が浅いというだけで大きな危険を伴う。
内海や湾内など、比較的小型の船舶では水深を気にせずどこでも悠々と航行できるが…
大型船が同じ事をすると水底に激突・座礁してしまうため、行動範囲が限られるといった場面も珍しくない。(元々は浅い海だったが道なりに深く掘り、航路標識による経路表示で大型船も通れるようにしたパターンもある)
- 水面下の障害物は脅威。漁具、暗礁、浅瀬、沈没船、機雷、魚雷、水中作業者、遊泳者といった「水面下に存在するもの」はすべて脅威となりうる。航路標識、ブイや信号旗によって通知されているものもあるが、船団で行う漁業や広範囲に渡る設置物もあるため、迂闊に接近するのは危険。(沈船は海図にも記載されている)
- 水面下の障害物は基本的に見えづらく、結果的に水面下の見えない障害物に突然足をすくわれる形となりやすいため、気づいた時にはもう遅く身構える猶予すらなく転覆したり海面へ投げ出される危険性もある。
- 常に姿の見える水上岩から、潮が満ちれば姿を消してしまう干出岩・洗岩もあり海図に示される。
- 大型船には喫水線を視覚的にも判断できるよう基準線(ドラフトマーク)がついている。船体側面下部、水面から露出している数字の書かれた定規のような目盛り。
- あまり沈みこまない平底の船(フラットボート)もあるが、波の影響をまともに食らうため安定性や快適性は損なわれ、外洋の長距離航行には向かず、河川や池など比較的穏やかな水面に向く。
- 大型船舶では座礁してしまうが、連絡や補給で港湾設備の不十分な小島へ行く必要がある場合には船に搭載された小舟を降ろして使っていた。装載艇・カッターボートとも。
水上オートバイでも、直撃すれば細めの流木をぶった切る威力があるため、遊泳者のいる海水浴場などは進入禁止に指定される。(免許を持っているのか、進入していく悪質な輩は存在する)
災害時など
災害時など、陸路が塞がれていても海上からの輸送が可能。港湾が無事であれば大容量の輸送能力を活かした特性をフルに活用できる。海に囲まれた島や半島などへは有効な手段となり、上陸可能な砂浜があればホバークラフト等による重機搬入も行われる。
病院船や大型の軍用艦艇などが海上拠点となったり、避難先として活用される場合もある。
ただし津波によって多数の障害物が浮遊/水面下に堆積すると輸送活動は大きく阻害されてしまう。水面に浮遊する障害物はもちろん、特に水上から見えない水中の障害物はスクリューに絡まる、激突・座礁してしまうといった問題もあり、ゴツい軍用艦艇だからといって水上/水面下の瓦礫を無視して前進できる無敵モードではない。
特性としては大容量を輸送できても船舶自体が低速であるため、長距離移動は非常に時間がかかるといった欠点がある。低燃費とはいえ給油や必要物資を積み込む、運航計画といった手間・時間もかかる。
(例)東京湾近海から反対側の能登半島まで北回りで派遣すると1500km以上かかる。
(例)大阪湾(瀬戸内海)から能登半島まで西回りで派遣すると1000km以上かかる。
トラブルは命取り
船は比較的低速であり見通しも良い事から安全そうに見える。![]()
ただし相手は大自然であり、海は波風や潮流で常に揺れ動く。水面下の危険(前述)は直前や事故発生まで気付けない事も多く、甘く見ていると容易に人を死の淵へ誘う。古今東西、太古の昔から多くの人間を葬ってきた事故現場である点も忘れてはいけない。
また、故障やガス欠を起こしても、海上では助けがすぐに来てくれない。[1]
航空機のように墜落する心配はないとはいえ、過信や慢心はそのまま死亡フラグになりうる。
GPSやレーダー、無線、捜索・救助ヘリコプターといった各種手段が発達した現代においても、世界中で船舶事故は起こっている。見通しの良さそうな海上はもちろん、狭く混雑した海峡・運河などでの衝突・座礁といった事故も多い。
- 船舶の往来がない場所では、水上で長時間孤立してしまう羽目になる。(遭難)
- 沈没・雨でずぶ濡れになれば真冬の海はもちろん、夏であっても状況次第では低体温症で死ねる。
- 船長は日常点検、事前準備、海図、当日の気象海象も見ながら運航計画が求められる。
- 緊急時の対処(機関故障、衝突、浸水、火災、乗揚、転覆、同乗者の落水等)も幅広く求められる。
- 人的・物的被害のほか、積載物によっては致命的な被害が出ることで賠償がとんでもない事に。
救助も簡単ではない
SOS(救難信号)の発信に成功しても安心できない。
船舶や障害物の多い広大な海洋では、真昼の上空からでも要救助者の発見は容易ではない。
夕方・夜間・沈没済・沈みかけていれば被発見率もぐっと下がるため、より一層発見は困難となる。
正確な発信位置が分からなければ、残りの燃料を気にしながら
長時間・長距離を捜索する必要があるため、捜索範囲・捜索時間は無制限ではない。
SOSを発信する暇もなく沈没してしまう場合もある。
想定の範囲外…?
誤解のないように言えば、「海が荒れていたら出航してはいけない」という法律はない。自己判断や自己責任という側面もあるが…
逆を言えばそれで事故、怪我人、重傷者、死傷者や行方不明者が出た場合、船長や管理会社に大きな運航責任が問われる。船長というのは「今日は俺が船長やりたい!」といった軽いものではなく、船舶自体の点検確認や安全な運航、同乗者の安全まで管理しなければならないとても責任が重い立場なのである。
船舶免許の教本の時点で様々なトラブルや危険の事例、日常点検や危機管理、回避方法は載っているため、よほどのレアケースでなければ「知らなかった」「想定外だから仕方ないよね」といった言い訳は通用しない。
管理会社も同様であり、利益を上げるため欠航すると儲からないからと「船長に全部強制して、何かあったら全部船長のせいにすればいい」「だから俺は悪くない」という「免罪符」にはならない。
それはただのブラック企業である。(→知床遊覧船)
余談だが、アマチュア無線では金銭上の利益となる業務用無線をしてはいけない。
(事故・災害時など、緊急の場合に限っては可能)
船のサイズ(日本の場合)
- 小型船舶 - 総トン数20t未満
- 大型船舶 - 総トン数20t以上
- 巨 大 船 - 全長200メートル以上
- 「中型船舶」もありそうだが、一部の企業団体等で区切りとして扱うのみ。
- 小型船舶は20t未満だが、18歳に満たない者は5t未満という制限がつく。
- 船舶免許によって許可されている航行区域・船の大きさ・エンジン出力、種類などが異なる。
- 総トン数は船自体の重量…ではなく、船の容積を船舶法の計算法で算出したもの。
- 全長50m以上の船舶は航路を通行する義務がある。
- 全長200m以上の巨大船は航路を通行する際に海上保安庁に通告義務があるほか、航路通行に多数の制限が課される。
- エンジンの無い5トン未満の船舶は免許不要。
- エンジンがあっても3m未満の2馬力(1.5kw未満)以下の船舶は免許・検査不要。
- ただし一定以下の面積の湖など、それを使える場所に制限が多いため自由度に欠ける。
- 無線機は平水・沿岸部を航行する場合や、全長12m未満の船は任意。沿海から必須。
水域(参考用)
汽笛
- 厳密には「汽笛合図」。海上衝突予防法では「音響信号」。
- 自動車のように警告目的だけでなく、多様な合図や応答に使用される。
- 音階はない。モールス信号と同じ要領で長短を組み合わせて行われる。
- ー(長音) 約5秒(4秒~6秒)
- ・(短音) 約1秒
- 濃霧や見通しの悪い場合は「霧中信号」を扱う。(2分を超えない間隔で行う)
- 自分の船の存在を霧の向こうへ知らせる。
- 濃霧で視程500mのレベルでは、見えていても大型船舶は止まりきれないため。
汽笛 |
意味 |
備考 |
・ |
右へ曲がる |
|
・・ |
左へ曲がる |
|
・・・ |
後退 |
|
ーー・ |
右側から追い越すよ |
追い越す船 |
ーー・・ |
左側から追い越すよ |
追い越す船 |
ー・ー・ |
追い越していいよ |
(応答)追い越される船 |
・・・・・(急速に5回以上)
|
え?何だって?聞こえんかった |
(応答)疑問信号 |
・・・・・(急速に5回以上)
|
警告 |
車のクラクションと同じ |
ー |
ここに船おるよ |
霧中信号 動力船 |
ーー |
ここに動いてない船おるよ |
霧中信号 速度のない動力船 |
ー・・ |
ここに作業中の船おるよ |
霧中信号 漁労中・制限/不自由船 |
・・・ーーー・・・
|
SOS / 救難信号 |
モールス信号と同じ |
操舵号令
船の作品などでよく「面舵(おもかじ)いっぱい!」などと言うシーンがある。
そうすると、乗組員が威勢よく操舵輪をぐるぐる回し、船が大きく曲がっていく。
それを見た視聴者の皆様は「なるほど、面舵と命令すれば船が曲がっていくんだな」
…と思うかもしれない。だいたいあってる。
厳密には 操舵号令 のひとつで、羅針盤の十二支が基準となったもの。
漢字 |
読み |
方向 |
語源 |
面舵 |
おもかじ |
進行方向の 右 へ舵を取る |
卯(う) → うも/うの/うむ → おも |
取舵 |
とりかじ |
進行方向の 左 へ舵を取る |
酉(とり) → とり |
そして現在も日本全国の船では威勢よく面舵・取舵が使われ …ている訳ではない。
この操舵号令は現在、海上自衛隊や海上保安庁などの限られた業種のみ使われている。
一般的な商船においては
Starboard 10(右へ10度)や、Port 10(左へ10度)のような操舵号令を行う。
英語では(進行方向に向かって)右舷をStarboard side、左舷をPort Sideと呼ぶ。 …次項参照。
ちなみに国際条約で統一されている。
部位・場所
- 舵(ラダー):船舶の進行方向を決める機構。転じて航空機など他の乗り物にも用語的に使われる。
- 操舵輪:船を左右に操舵するでかいハンドル。(ステアリングホイール)
- 船橋/艦橋(ブリッジ):運転席の大きな部屋は
- 船首/艦首(バウ):船の先端
- 衝角(ラム):船首/艦首下にある体当たり攻撃用の巨大な出っ張り。
- 近代の軍用艦船は装備されない。次述の船首バルブとは異なる。(大きさが異なる)
- 船首バルブ(バルバスバウ):船首/艦首下にある出っ張り。球状船首とも。
- 前進時に受ける波を打ち消すことで水の抵抗を軽減し、航行を手助けする。
- 衝角より小さい。衝角とは異なり現在の大型船にも装備される。
- 舷:船の側面。船縁/ふなべりとも。
- 船底の背骨となる部分は「竜骨」、事故や戦闘によって損傷すると致命的。
- 旋回窓:ワイパーの代わりに窓自体が回転するもの。艦橋などにあり荒天でも使用可能。
- 船長室・艦長室。
- 特に説明する事はなさそうだが、船で個室があるのは結構贅沢だったりする。
- 個室と言っても広大な部屋ではなく、独房未満のこじんまりとした部屋の場合も多い。
- 乗組員・下っ端は相部屋の狭い2段・3段ベッドで寝たり、魚雷の下で寝る場合も。
- ただし船長・艦長は元から忙しく、状況により呼ばれるため割と部屋でのんびりはできない。
- 機関室(エンジンルーム)
主にエンジンがある場所。
- 機関制御室(コントロールルーム)
- 航行中、エンジンやその他出力を監視制御する。
- 意外と強い権限がある。
- プロペラ:エンジンやモーターからの動力を水に伝える装置。推進器。詳しくは個別記事 ⇒ プロペラ
- 手動で船を前進させるもの
- 櫂(かい):船側面から突き出し、船をこぐもの(オール)
- 櫓(ろ):船尾部で左右にこいで船を前進させるもの
- 棹(さお):水底を突いて船を前進させるもの(河川など)
- 船外機:小型のモーターボートや漁船の船尾についている小さなエンジン。取り外し可能。
- 夜は航海灯(夜間航海灯)を点灯させる義務がある。
- 右舷側が緑色/左舷側が赤色で、前方にいる船から見ると緑赤の信号機のように見える。
- 暗闇においてもその船がどちらの方向に向いているかが一目で分かるようになっている。
- 暗闇に緑色の灯火のみ見えれば、前方の船は右を向いている/進んでいる。
- ちなみに後方から見ると白色の光が見える。
- 小型の船舶においては3色がワンセットになったものを装備。
- 同様の意味で緑色/赤色の灯火を航空機も点灯させている。(航空灯/航行灯)
- 航海灯がなくとも、日の出から日没までの夜間以外に航行する分には問題ない。
- 伝声管
- 艦船の各部を繋いでいる連絡用の長いパイプ。構造が単純な内線電話代わり。
- 旧式の船など、昭和~平成初期くらいまではついている艦船もあった。
- 電源不要な反面、浸水時は水まで物理的に伝わってしまうリスクもある。
- 潜望鏡(ペリスコープ)[2]
- 潜水艦等が水中から外を見るための装置。垂直方向に伸びるあの装置である。
- ちなみに水中に対して使っても、水中は透過性が低いため昼間でもほとんど見えない。
- ソナー(魚群探知機・音響探知機とも)
- 錨/イカリ(アンカー)
- 水上停泊時に流されないよう留めておく、水中に沈ませる巨大なオモリ。
- 錨を沈ませるのは投錨、錨を引き上げるのは抜錨。
- 大型船のものは非常に巨大で、連結している鎖も非常に長大で迫力がある。ただし場所を取る。
- 特に投錨時は危険で、万一巻き込まれると一緒に海の底である。 → こちら
- 錨を使った停泊は錨泊、使わないものは停泊と使い分ける。
- 船のシンボル・ロゴマークに描かれることも多い。(海上自衛隊のマークにも描かれる)
- 造船所(Shipyard)
- 船を作る場所。
- 造船、点検整備・荷役する作業場自体は「ドック」(船渠/せんきょ)
- 船底まで作業できるよう水を抜く事が可能なものは「乾ドック」(乾船渠/ドライドッグ)
- ドックに入るのは入渠(Docking)、逆は出渠(Outdocking)と呼ばれる。
- 進水式
- 完成した船を初めて水面に移動させるもの。
- ちなみに乾ドック内にそのまま注水したほうが安全確実である。
- 稀に勢いがつきすぎ、ひっくり返って転覆するなどドリフのようになる事も。
船のような要素を持つ乗り物(船舶も含む)
その他
- 車のような自賠責はなく任意保険。
- 「漁業・漁法」も船舶免許の教本や問題に出てくる。仕事中の漁船や漁法、漁具の特性も知っておかないと漁師さんの邪魔になるどころか、漁具に突っ込んで派手に自爆する事になり大怪我では済まない事も。
- 普通自動車免許を持っていれば原付は乗れるが、小型船舶免許を持っていても、特殊小型船舶操縦士の資格がなければ水上オートバイは操縦できない。
- 水上に止まっている船も、錨(いかり/アンカー)の使用の有無で意味が異なる。
- 停泊は全般、錨泊(びょうはく)は錨を使用して停泊しているもの。
- 係留施設・港に繋がれているのは「係留」。
- 自動車の駐車禁止のような、「停泊禁止」の指定もある。狭い水路など。
- 常に船底が水に晒されるためフジツボ等が付着・堆積していく。
- 見た目が悪いだけでなく重量増加、抵抗になるため、推進力・燃費を徐々に奪っていく。
- 対策としてそれらが嫌う成分の塗料を塗ったり、一部では常に微弱な電流を流すものもある。
- 不審な船が無許可停泊していると船舶名や登録番号もあるため、地元の漁業者等に即バレる。さらに入り江や岩場の合間に隠して停泊していると「私は不審船です」と言ってるようなもので余計にバレる。村ぐるみで隠してる場合は別だが、「なんでバレた!?」と驚かれる。
- 無人の船が漂流していると海上保安庁等に通報され捜索される。(操縦者が転落した可能性があるため)中には係留が不十分で港から勝手に船が流れ出てしまい、大捜索されて大恥をかくパターンもあったらしい。
- ヨットなどの帆船は逆風方向が目的地でも、帆の張り方によってゆっくり逆風方向へ前進できる。
- 厳密には風上に対し斜め45度ほどへ前進するため、左右反転を繰り返しジグザグな進路を取る必要がある。(風上に一直線は不可)もちろん順風満帆・追い風というように後方から風を受けたほうが楽。
- 人数分が乗れる救命ボートを備える義務がある。
- ボート内に非常食や飲料水などの便利グッズも常備されている場合も多い。
- ちなみに非常食は食べ過ぎないよう味はおいしくない場合も。味よりも保存性重視というのもある。
- よく船体に救難用の浮き輪が付属しているが、プールで遊ぶ子供用とは異なり硬質。
- 事故・沈没時など、浮遊している瓦礫に当たっても容易に穴が開かないようになっている。
- 客船など、寄港した先で乗り遅れると待ってくれないので要注意。(自己責任)
戦闘・軍用など
昔の船
- 天気予報も冷蔵庫もGPSも無線も無い時代の航海はかなり命懸け。
- ちなみに海賊でも一定の航海術や操船技術が必要となる。
- いくら脳筋の素人だけよせ集めても技術が無ければ勝手に自滅してしまう。
- 操船技術が皆無な山賊が巨大な船を手に入れてもいきなり海賊にはなれない。
- チームワークも必要であり、狭い船内が無法地帯にならないよう荒くれ船員達の治安維持も大変。
- 沈没時の元祖救難艇は「偶然近くを通りかかった船」。
- 現代でもそういった船やSOS(身振り手振り)を見かけたら助けに行く海難救助の義務がある。
- 逆に海賊などは海賊旗を隠し、積み荷を片寄らせあえて沈没間際の船を装うことで、救けに来た優しい船を襲うという方法も。まさに外道。
- 大砲は積んでいたが連射速度は遅く(再装填が数分以上もザラ)、砲弾自体は爆発しない。
- 命中して破壊できればそれに越したことはないとはいえ、実質的には敵船に乗り込む前に損害を与え、少しでも戦力を減らしておこうぜ!という意味合いも強い。もちろん大砲の数=戦闘力である。
- 敵船からの物資や食料の略奪もよく行われていたため、その場合は逆に敵船を一撃で見事に沈めてしまっては元も子もない。戦争中はこの限りではないが。
- 爆発する砲弾(弾頭内部に炸薬が仕込まれた炸裂弾→榴弾)は昔はない。
- 弾頭の強度や構造、射撃時に誘爆しない爆薬と着発信管(起爆装置)なども必要で、技術不足で無理矢理同じものを作ると発射時に大砲ごと吹っ飛ぶ羽目に。[4]
- 砲身内部にライフリング(飛翔時に弾丸・砲弾を横回転させて安定させる)がなく船も揺れるため、命中精度も思ったほどない。逆に陸上からの砲撃は地面が揺れないため安定して砲撃でき、さらに近代になるにつれ技術向上で命中精度が高くなり艦船の脅威となった。(沿岸砲・要塞砲など)[5]
- 逆に大砲の特性を逆手に取り、入港時に敵意(交戦の意思)がない事を示すのにも使われた。
- いわゆる祝砲・礼砲と呼ばれる。
- 「再装填に時間と手間のかかる大砲を全部撃ちましたよ、すぐに撃てませんよ」である
- 発射時は大砲を外に出し、再装填時は船内にしまうため、不審な動きがあればその時点でバレる。
…とまぁ、上記のように細かく突っ込んでいては楽しくないため
海賊や船の作品などは、こまけぇこたぁいいんだよ!と楽しんでください。
海自と海保
海上保安庁と海上自衛隊の違い。
知らない人には初見殺しである。
「どう違うの?」と思う人がいるかもしれないため、念のため記載しておく。
どちらも大きい船があり、ヘリコプターも飛行機も持っていて、装備上にアサルトライフルもある。
よくあるご質問(FAQ) (mlit.go.jp)
基地開放イベントや基地見学、宿泊体験をしている場合もあるので行ってみよう!情報は公式HPへ。
※一般公開イベントを除き、基本的には予約が必要なので注意。
用途
※浚渫(しゅんせつ):海底や河川の水底の土砂を除去したり、水深を深くする作業。
種類
歴史
歴史は古く、有史以前から木をくり抜いたり並べて束ねたものが運用されていた。
※追記修正募集(見やすければ、細かいルールは問いません)
乗組員
※船舶のサイズ、種類、航行領域、職務内容によって異なるため一概にはいえない。
船上での長期間業務となるため、雇用形態は「労働基準法」とは異なる「船員法」が適用される。
ストレスなど
船上では、終業時間後や休日にコンビニや居酒屋に立ち寄るという事が簡単にはできない。
軍用艦艇など、手当はついても娯楽が少なく規律と圧迫感、死の危険のある戦場の狭い艦内生活でストレスが溜まりやすいのは現在もあまり変わっていない。潜水艦などは(基本的に)外も見られないし窓もない。…百歩譲って窓があっても真っ暗な水中しか見られないが。
…逆に、たまに港などに上陸した際はテンションが上がり、船上で使えなかった分を気前よく散財してくれる人もいるため港町としては大きな経済効果となりとても助かる。(特に大人数が乗り込んでいる軍艦など)
アンケート
関連項目
※記事がなくても有名・代表的なら追加してください
航路・連絡船
実在する/かつて実在した個別の非軍用船の記事
(軍用艦船については上記「軍用艦艇の一覧」を参照)
作品中に出てくるもの(非実在艦)
※作品名も併記してください。長い場合は略称や小文字のほうが見やすいかも。
※船舶のため、地球外で活動する宇宙船や宇宙戦艦は除きます。
※簡易な種別もあると助かります(複数可)
※船が多すぎる作品は、ある程度代表的なものを選抜して頂けると助かります。
架空世界側
現実世界側
セリフ等
脚注
- *水・食料がないからと海水をそのまま飲めば、飲んだ以上の水分を失う羽目になる。(→サバイバル)
- *同様に、戦車など車内から外を視察する小窓もペリスコープと呼ばれる。
- *ヘリを水面に浸しつつ超低空位置(高すぎず低すぎず)を保つパイロットも実はすごい。機種はCH-46、CH-47、CH-53など。
- *炸薬(着弾時に爆発するもの)と発射薬は異なる…念のため。(→爆薬)
- *現代はほとんど対艦ミサイルや対戦車ミサイル(対舟艇対戦車誘導弾)等に取って代わられる。
- *陸自と空自はMaritimeの部分が異なる(JGSDF、JASDF)。JSDFでも「自衛隊」にはなる。
- *必要時以外は艦内に格納してある。