二人乗りとは、乗り物に二人で乗ることである。俗に「二ケツ」とも言う。
車・バイク・自転車・飛行機・はたまたUFOや箒に脱出ポッドなどの実在しない乗り物を含め、二人乗りができる乗り物は多い。
フィクション作品では、異性(場合によっては同性)と二人乗りするシーンは、両者の関係性の進展としてひとつの山場となる。『耳をすませば』のポスターに描かれたシーンなどは特に有名。
男性の場合、後ろに乗っている女性がしがみつき、胸とかが当たることもあるわけで、女性としたいこと、萌えシチュエーションとしても語られる。
なお、「二人乗り」とは言っても、1人で乗ることが多いものに2人で乗れるようになっている場合と、3人以上乗れることが多いものが2人しか乗れないようになっている場合では意味合いが異なる。
現実のものについては法律上の扱いについても述べる。フィクション作品で現実の法律を持ち出すのは野暮ではあるが、それはそれとして知識を持っておいても損はない。
近年ではフィクションでの描写でも視聴者からツッコミが入る場合がある(こんなもの描くな! という意味合いだけではなく、法律上はそうだよねー、ぐらいの意味合いも含まれる)。直近の例では、小説/アニメ『スーパーカブ』で免許取得1年未満と思われる高校生が二人乗りしていることがコメントで議論になった。
後ろの荷台に2人目が乗るパターン。アニメでは、登場人物が学生であることも多く、最も描かれることが多いシチュエーション。荷台がない場合は、後輪車軸にハブステップを装着して乗る(が、後述の理由により現代ではハブステップ自体が条例で規制されていることもある)。
以下のように、ほとんどの場合で違法なので現実でやらないこと。アニメでは、近年まで取り締まりがさほど厳しくなかったこともあり、気にせず描かれることが多い。
二人乗りが合法なのは、16歳以上の運転者が6歳未満の子どもを載せる場合で、前か後ろに専用の座席がある場合だけである。両方にある場合は3人乗りも可能である。努力義務ではあるが、同乗者には幼児用ヘルメットの着用が義務づけられている。
フィクション作品における様々な乗り方を示す。バイクでも同じである。
なお、現実では跨座以外は違法である。
跨座(こざ)
荷台や後部座席にまたがって乗る。椅子の座席では脚を前に出すこともできる。
この際、後部座席に掴まるところがあれば片手でそれを掴み、もう片方の手で運転者の肩を軽くつかむ(強く掴むとハンドル操作の邪魔になる)。前の搭乗者の腰を抱える方法もあるが、この際は重心移動の邪魔にならないよう、体を掴むのではなく手を組む。
バイクで女性の場合は、胸部プロテクターの硬い感触が楽しめるはずである。もちろん大事な彼女に安全対策は十分してますよね? 柔らかいおっぱいを押しつけてもらいたいならバイク降りてからにしましょうね?
横乗り(ハコ乗り)
またがらず、脚をそろえて横向きに乗る。
左右非対称になるため、不安定な乗り方であり、スタントマンを目指すのでもない限りは推奨されない。マンガやアニメでは、上品な見た目からよく描かれる。
立ち乗り
ハブステップの上に立ち乗りする。荷台のない自転車での乗り方。この際、両手は運転者の両肩に乗せるが、ハンドル操作の邪魔にならないようにする。
前カゴに入る
自転車や、一部スクーターの前カゴに入る。極端に小さなキャラクターがこのような乗り方になる。
現実でやったら、運転者より危険にさらされるので絶対にやってはいけない。
サイドカーつきであっても、二人乗りの基準は上記に準じる。すなわち、原則として(専用の座席がある場合に限り)子どもしか乗せられない。東京都では、独自の規制としてサイドカーに人は乗車できない。
総排気量50ccを超過するバイクには、特定条件下で二人乗りが可能。
すなわち、原動機付自転車の二人乗りは違法である。サイドカーがあってもダメ。
50ccを超えるバイクは、運転者が免許取得1年以上経過した場合で、バイクが定員2名以上の場合に二人乗りが可能である。多くのバイクには標準で2人乗り用座席とステップが用意されている。そうでない場合も、オプションでつけられることがある。定員1名と車検証などにある場合は諦めよう。
同乗者に自動二輪免許は必要ないが、ヘルメット着用義務がある。
高速道路の場合、上記に加えて運転者が20歳以上で免許取得後3年以上である必要がある。
また、「大型自動二輪車及び普通自動二輪車二人乗り通行禁止」の道路標識がある場合(首都高速道路の一部区間など)は、二人乗りが全面的に禁止される。
かくのごとく現実の日本では少し条件が厳しいのだが、フィクション作品では、かつては暴走族漫画が一斉を風靡していて二人乗り違反など些細なことであったことや、外国である、無法地帯である等の理由で交通ルールが緩い世界を描いている作品も多いことなどから、やはり特に気にせず書かれている場合も多い。
たまに、作者がバイクの免許を持っておらずバイク専用の交通ルールを知らないで書いている場合もある。
漫画がアニメ化したときは、放送コードの問題から少し法律に準じられることもある。
一方、『仮面ライダー』シリーズなど実写ドラマでは、使用許可を得て現実の道路で撮影している関係上、たとえ悪者や悪ぶったヤツであろうと律儀にルールを守る。二人目用のヘルメットも、専用バイクから四次元ポケットのごとく取り出している。これは、交通法規の問題と共に、スタントマンが代行しているのを隠す目的もあると思われる。
ただし、背景がCGである、私道である、役者だけアップにして撮影している、バイクは走っておらず牽引車で引っ張っている、バイクっぽく見えるが法律上普通自動車である(例えば仮面ライダーセイバーのライドガトライカー)などで法的な問題をクリアしている場合もある。
上記法律上の制限が少し緩和される。
免許取得後1年未満であっても、二人乗り禁止標識がある場所であっても走行可能である。
また、定員が3人以上になっているものもある。サイドカーに1人、後ろに1人乗せられたり、サイドカーに2人乗れる場合もある。
一方、サイドカーに乗っていてもヘルメット着用義務はあるため、人数分用意することが求められる。
上述の通り、原付はサイドカーがあっても二人乗りはできない。荷物専用となる。
→ニーラー
レース用サイドカーつきバイク。ライダーとパッセンジャーが呼吸を合わせ、バランスを取ることで速さを競う。これを扱ったフィクション作品も存在する。
見ての通り非常に場所を取る。折りたたむことはできるが、乳児2人を抱えながらベビーカーをたたむのは非現実的である。見かけたら大人の側が道を譲る、エレベーターなど安全な場所へ誘導する、など配慮を心がけるようにしたい。
馬が日常の交通手段であった時代には二人乗りも珍しくなかったが、現代では馬への負担から、乗馬教室などでもあまり推奨されていない。あえて行う場合も、馬の品種や年齢、運動能力や気性などによって、二人乗りが可能かどうかが異なる。必ず乗馬施設やインストラクターに確認を取り、双方が一人乗りでも十分な技術を持った上で乗るようにしたい。
特に、サラブレッド(系種)の場合は脚が弱く、競走馬から乗馬に転用されているものが多いことから高齢の可能性も高い。二人乗りは原則できないものと思った方がよい。斤量66.5kgのテンポイントですら危険と言われ、事実予後不良の主要因となったし、晩年90kg以上の斤量を負って遊園地で酷使されたハードバージは斃死してしまった。人間の二人乗りは斤量およそ120kgであり、非常に危険である。
なお、大人と子どもの場合は、専用の乗馬教室が開かれていれば可能。この場合、「大人」はインストラクターであることが望ましい(乗馬教室によっては親でもよい場合がある)。
道交法では、馬は軽車両に分類される。すなわち、二人乗りに関する法律も自転車に準じるので、原則違反と見なされるだろう。しかしながら、そもそも馬が公道を歩くこと自体が現代では希なケースなので(トレセン近辺でたまに見られる程度)、わざわざ二人乗りをすることもないと思われる。
フィクション作品では、馬が現役の交通手段である作品が多数描かれており、二人乗りも珍しくない。
時代劇では、専用に調教されたタレント馬による二人乗りが見られることもある。一方、そのような馬が用意できない場合は、役者をアップにして切り抜ける。
何でもありのカオス競馬を描く『JAPAN WORLD CUP』には、騎手二人乗りの競走馬「ハリウッドリムジン」が登場する。馬自体も体長が長い。
馬車は二人乗りできて当たり前であるが、定員2名の小さな馬車が存在し、クーペと呼ばれた(下記四輪車の「クーペ」の語源)。もっとも、乗客の定員なので、馭者を含めれば3名となる。
ばんえい競走では、原則騎手は1人のみ。JRA騎手を招待してのエキシビジョンマッチでは、指導のために本職のばんえい騎手と二人乗りになったことがある。
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https://twitter.com/golshichang/status/1399930247726997504
繋駕速歩競走では、繋駕車は一人乗り専用なので、二人乗りは存在しない。
→車の種類
現代の乗用車は4人以上乗れるものがほとんどであり、「二人乗り」という場合は通常「2人までしか乗れない」という意味である。
かつて、車が趣味の乗り物であった頃は、2人乗りのクーペやスポーツカー、オープンカーなどが流行した。現代では車は日常の乗り物になり、夫婦に加えて子どもや祖父母が乗れなければ使い物にならないため、最低でも4人乗りのものが多い。
ミニカーは定員1名であり、二人乗りはできない。
2020年より、定員2名の超小型モビリティが実用段階に入っている。
スポーツカーレースやラリーでは、二人乗り四輪車による競走が行われる。
こちらも「二人乗り」の意味が文脈によって異なる。
旅客機の場合、乗客や客室乗務員を除いたコックピットの乗員数を指す。
ある程度以上の規模の航空機は万一の場合に備えて操縦士が正副2人必ず搭乗する。したがって、「二人乗り」とは(航空機関士など)3名以上の搭乗が必要な航空機に対する呼称である。「2名体制」ともいう。
かつての航空機は、膨大な情報の読み取りや複雑な操作が必要だったため、航空機関士の補助が不可欠だったが、コンピューターの発達により、操縦士のみでの操縦が可能な航空機がほとんどとなった。このことから、新型機の導入と共に2名体制に移行する航空会社も増えたが、これはリストラにつながる上、コンピューターが代行してくれるとはいえ人間に必要な仕事に関しては負担となる。そのため、労働組合がそのような機種の導入に反対したり、導入したとしても当面の間3名体制での運航を求めることもある。
→戦闘機
操縦席の後ろにもう1人乗れる戦闘機を、複座機という。
後部座席には教官や、戦闘・偵察に関わる業務の者が搭乗し、操縦者は操縦に専念する。
安全対策や様々な業務が求められる現代の宇宙開発では、一人や二人で宇宙に行くのは無謀ともいえる。
しかし、開発途上の段階においては多人数を運べないこともあり、二人乗り宇宙船も開発されていた。代表的なのは、米国のジェミニ宇宙船である。現代においても、宇宙実験室や宇宙ステーションに向かうための有人宇宙船に、二人乗りのものがある(中国の「神舟11号」など)。
フィクションでは、大勢のクルーが巨大宇宙船を駆るストーリーか、気ままな一人旅というものが多く、「二人乗り宇宙船」は探してみるとそれほど多くない。例えば、『キャプテン・フューチャー』ならば人格を持ったクルーが少なくとも4人いる。
『ぱにぽにだっしゅ!!』には、主人公・レベッカ宮本を監視する2名の宇宙人が登場する。しかし「二人乗り」というには巨大であり、乗員がこれだけかどうかはわからない。
魔女の乗り物として有名。通常一人乗りだが、緊急時には2人乗ることもある。
『魔女の宅急便』は二人(?)乗りが通常である希有な例。もっとも、人間のキキと黒猫のジジである。
ディズニー版『アラジン』では、アラジンとジャスミンが2人で魔法の絨毯に乗るシーンがある。
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最終更新:2024/12/04(水) 03:00
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