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しーらむちゃん・いーしーえむくん騒動とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」の開発・運営元として知られる株式会社C2プレパラート(C2機関)が、2019年10月5日~6日にかけて行われた令和元年度自衛隊観艦式「フリートウィーク」にて、附帯行事(要するにブースイベント)として海上自衛隊横須賀基地で行った物販商品に関する一連の出来事のことである。
呉鎮守府開庁130周年記念イベントでも同商品を販売している。
2019年9月22日、C2機関公式ツイッター『C2機関(@C2_STAFF)』がある情報をツイートした。
来月挙行される「令和元年度自衛隊観艦式」を、C2機関は応援しています!また、令和元年度自衛隊観艦式「フリートウィーク」の10/5(土)・10/6(日)には、同付帯行事として、【海上自衛隊 横須賀基地】に「C2機関」展開予定です。横須賀基地に来訪予定の提督の皆さん、お待ちしています!
佐世保から戦略機動したばかりのボクカワウソも海自横須賀基地に投入予定!生ボクカワウソを一目見たい(?)提督方もぜひ横須賀基地に!同日の横須賀基地では、艦娘と同じ名を持つ多彩な護衛艦の一般公開も予定されています!
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https://twitter.com/C2_STAFF/status/1175596936922980352
これには訳の分からない告知に慣れている艦これ提督と言えど、「何の縁で海上自衛隊のイベントに?」と困惑の色を隠せなかった。
しかし、次のツイートで様子が一変する。海上自衛隊横須賀地方総監部からコラボのお知らせが流れたのだ。
【観艦式付帯広報行事のご案内⑧自衛隊艦これ艦隊集合 in 横須賀】
ヒトゴーマルマル。全国の提督の皆さん、横須賀地方総監部より入電です!
10月5・6日、海上自衛隊と「艦隊これくしょん」(@C2_STAFF)がコラボします!
提督、横須賀でお会いしましょう!
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https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1176375795654127616
何故かよくわからないけれど、海上自衛隊とのコラボ。
何だかよくわからないけれど、物販コーナーを出すらしい。
艦これ提督達は大はしゃぎしていた。
その裏で動いていた計画を知らずに。
艦これ運営は毎度のことながら物販をするとは告知したものの、何を売るのかなどの情報をいつまでたっても告知せず、開催前日の2019年10月4日のツイートでようやくその一部が公開される。
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https://twitter.com/C2_STAFF/status/1179942475978248192
17秒~25秒のあたりをよく見てほしい。軍事兵器に詳しい方ならピンときただろう。
えっ、一時停止のタイミングが難しい? では静止画を(画像)
名前といい、形状といい、「しーらむちゃん」はレイセオン社(現、レイセオンテクノロジー社)の近接防空ミサイル「SeaRAM」と、「いーしーえむくん」は電子戦装置(ECM)「SLQ-32」と酷似しているではないか。
写真と解説はwikipediaに任せる。
勿論のことだが、軍事兵器にも商標や特許は存在し、侵害して勝手に使用してはならないと定められている。
商標登録は国ごとに取得する必要があり、例えば日本の商標は日本でしか効果がない。同様にアメリカの商標はアメリカでしか効果がない。
それを何とかするためには国際商標出願を行う必要がある。自国の商標を管理する機関(日本の場合は特許庁)に依頼して、他国でも有効にしてもらう手続き(マドリッド協定議定書による国際出願)を行えばよいのである。
では、問題のSeaRAMとSLQ-32は……なんということでしょう。
確かに国際商標出願を行っていたものの、その対象国の中に日本を入れていなかったのである。
C2プレパラート(C2機関)の代表取締役社長、田中謙介はそれをチャンスと捉え、キャラクターグッズを作成するだけでなく、商標出願を行いそれらを自分のものにしようとしたのだった。
どう考えてもパクリ商品なのであるが、商標登録が有効でない以上は販売を行っても違法ではなく、取り締まられることはない。
同じように、他人が最初に思い付いたものであっても、その人が商標や特許を出願していないのならば、先回りして出願をすることが可能である。商標や特許は簡単に言えば早い者勝ちであり、モタモタしている方が悪いのだ。
本来権利を持たない人が、他人の商標・特許を先回りして出願する行為を冒認出願という。
C2プレパラート(C2機関)と田中謙介は、自衛隊のフリートウィークで冒認出願を行った商品を堂々と売り捌いていたのだった。
なお、海上自衛隊の護衛艦にもSeaRAMなどが搭載されており、伊藤忠アビエーションが日本国内の正規代理店として自衛隊およびレイセオンと仲介取引を行っている。
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https://twitter.com/C2_STAFF/status/1180273813537222656
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https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1180036499317772288
2019年10月20日の呉鎮守府開庁130周年記念イベントでも物販コーナーを設置し、横須賀で売っていたものと同じキャラクター商品を販売していたことが確認されている。
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https://twitter.com/C2_STAFF/status/1185379972833144834
「しーらむちゃん」「いーしーえむくん」の商標登録は2019年10月3日に出願され、2019年11月5日に特許庁が出願情報を公開した。
出願者の名称は「株式会社C2プレパラート」、代表者名は「田中謙介」となっている。
これに気づいた一部の人がレイセオン、伊藤忠アビエーションに連絡。
2019年12月、レイセオンがSeaRAMの国際商標の対象国に日本を追加するための手続きを始める。ただ、ECMは商品名ではないのでどうにもならない。
2020年1月と3月、刊行物等提出書が特許庁に送付される。
これは「この出願されているものですが、既に他人が使用しているものです。例えば、この雑誌の〇月号の〇ページ。また、ウェブサイトのこのページ。××町にあるお店にある看板の写真にも使われています。その写真を送りますので確認してください」など、様々な媒体での使用情報を特許庁の審査官にタレコミをすることで「出願されているものは、本来その人のものではありません」「これは一般的なものであって、誰か一人が独占していいものではありません」とアピールできる制度である。
特許庁は「刊行物等提出書が届きましたので確認してください」という通知をC2プレパラートに送るも、C2プレパラート側は無視。特許庁は規定に従い何度も再送を続け、2020年6月になってようやくその内容を確認。
間もなくC2プレパラートは出願内容の訂正を行ったものの、その内容は誤字脱字の修正など、冒認出願とは無関係な部分の修正のみだった。
2020年10月、特許庁が査定を開始。出願から1年近く経過しており、着手が遅すぎると思うかもしれないが、出願する分野によるものの8~12か月が一般的なので平均的な時間である。
審査官は「しーらむちゃん」について『レイセオンが販売している兵器の名前SeaRAMに酷似しており、それは世界的に見ても知名度が高い。混同する恐れがある為に登録を認めない。ただし、レイセオンから承諾を受けていることが確認できるものを提出した場合は再審査する』とした。
続いて「いーしーえむくん」について『出願している商標と区分(用途)を確認すると、既に同一または類似するものが存在している。既に登録されているもの、それに類似するものに関しては登録をすることができないという商標法の規定により、登録を認めない』とした。
理由が異なるのは、「SeaRAM」は商品名であり名前が似ているということでの却下なのに対し、「ECM」は機能や装置の総称であって商品名ではないからである。「SLQ-32くん」という名前なら、同じ理由になったであろう。
言い換えると、「カローラ」と書けばトヨタの商標であり有名な商品名と同じだからダメ、「車」と書けば汎用的・あまりにも一般的な名詞だからダメ、というのと同じ原理である。
「しーらむちゃん」は早い者勝ちの原則に従えば田中謙介に分があったものの、『レイセオンの商品名のSeaRAMが日本国内で見ても国際的に見ても有名すぎるので、間違えてしまいかねないからダメ』という根拠であり、審査官が知名度を認めてくれなかったら田中謙介のものになっていた可能性がある。
「いーしーえむくん」の元になった「ECM」は汎用的なものなのだが、車ほど一般的な名詞であるとは言えなかったので、審査官は通常の審査を行い似ているものがないかを確認。該当するものがあったので認めなかった。
もし該当するものがなかったら、田中謙介が独占していた可能性がある。
何にせよ、どちらも紙一重のところで冒認出願は防がれたのだった。
特許庁はどちらも認めなかった旨と、「内容に不服がある場合は40日以内に意見書を提出し、再審査を請求しなさい」という通知を送るものの、田中謙介は諦めたのか不貞腐れたのか、それを無視した。
2021年1月、レイセオンが求めていた「SeaRAM」の国際商標登録の対象に日本を入れるための査定が終わり、無事承認される。
2月にその旨が通知され、3月に登録料を納付。
これによりSeaRAMの国際商標登録は日本でも有効になった。
一方、田中謙介には2021年3月に「以前、認めなかった時の理由が未だに解消されていないので正式に拒絶とします。不服がある場合は3か月以内に審判を請求しなさい」という通知を発送。
4月にも同じ通知を再送するものの、田中謙介はやはり無視を決め込み、6月に請求期限を迎え、10月に正式に拒絶として公文書に記録された。
本件についてはレイセオン、伊藤忠アビエーションにも落ち度はある。日本で営業活動を行うのなら、商標登録をきちんと行うべきだったのだ。騒動がなければずっと忘れたままだった可能性は高い。
それはそれとして、明らかに他人のものだと知っていながら冒認出願を行い独占を画策し、さらにグッズを取引先である自衛隊基地内で販売するというのは、C2プレパラートという企業としても、田中謙介という経営者としても、コンプライアンスがなっていないとしか言いようがない。
C2機関という同人サークル時代には著作権を無視した二次創作物(同人誌など)を売っていても怒られなかったかもしれないが、それは基本的に黙認であって、許可ではない。その気になれば権利者が裁判を起こして徹底的に追い詰められる可能性だってある行為なのだ(二次創作ガイドラインを定めている作品で、それに従っている場合は許可になるのでセーフだが)。
艦これの提督が問題を起こしたというニュースがしばしば流れているものの、そのゲーム開発・運営会社とその社長すら同人サークル気分が抜けておらず、法の抜け道を探って金儲けを企むのは褒められたものではないだろう。
お手持ちの「しーらむちゃん」「いーしーえむくん」グッズは、前述の通りC2プレパラートが売った時点では違法ではありませんでしたが、現段階では違法商品となります。アニメやゲームの同人グッズと同じく無許諾の二次創作商品と同じ扱いとなります。
レイセオンテクノロジーと伊藤忠アビエーションが二次創作ガイドラインを定めていないため、K-Booksなどで売る・買う行為が犯罪となる可能性がありますのでご注意ください。
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最終更新:2025/12/13(土) 02:00
最終更新:2025/12/13(土) 02:00
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