ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 単語


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ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島とは、任天堂がファミコンディスクシステムで出したアドベンチャーゲームである。

略称は「新・鬼ヶ島」など。

概要

「ふぁみこんむかし話」シリーズの第1作として、ディスクシステムにソフトが供給された。前編は1987年9月4日に、後編は1987年9月30日に発売された(ディスクシステムの配給方式で前後編型のものが幾つかある)。

任天堂にとっての初のアドベンチャーゲームであり、またディスクシステムでは初のディスク2枚組ソフトでもあった。このアイディアは後発のディスクシステムのアドベンチャーゲームにも受け継がれ、『ファミコン探偵倶楽部』や『タイムツイスト』といった任天堂ソフトのほかに、『神宮寺三郎』シリーズにも採用された。

当時ディスクシステムの容量を活かすゲームジャンルを任天堂が検討した際に、アドベンチャーゲームで幾つか制作する事が決まった。そして宮本茂に任せたのがこの『ふぁみこんむかし話』、坂本賀勇に任せたのが『ファミコン探偵倶楽部』である。開発スタッフは監修に宮本茂。脚本・演出は菱田達也。プログラムは橋下友茂と亀山雅之。音楽は近藤浩治。

本作の内容はタイトルの「むかし話」にあらわれているように、日本のさまざまな昔話(御伽噺)がミックスされており、幼少時にこれらの絵本を読んだことのある人々に親しみやすい世界観となっている。

本作は幾つかのハードで移植が行われたり、サテラビューで「BS 新・鬼ヶ島」が配信されたり、それをベースにしてSFCのニンテンドウパワーで新作「平成 新・鬼ヶ島」が製作されたりしており、人気の高さをうかがわせる。

特筆できる点として、「ひとかえる」コマンドで男の子と女の子の操作を入れ替えることが出来ることが挙げられる。これは、たとえば男の子だとできないことも、「ひとかえる」をして女の子に行わせれば、イベントが解決して先に進める…といった、要はザッピングシステムである。続編の「ふぁみこんむかし話 遊遊記」でもこのシステムは受け継がれ、こちらは複数人を使い分けて謎を解くといった、システムの向上が図られている。

本作は様々な場面にゲームオーバーが用意されており、選択肢を誤ると呆気なくゲームオーバーになってしまい、最後にセーブしたところからやり直しになる。これは続編の「ふぁみこんむかし話 遊遊記」でも同様である。

移植

本作品は複数のハードに移植されている。

  • SFC(ニンテンドウパワー)での新作『平成 新・鬼ヶ島』の前編・後編をクリアした後のそれぞれのソフトで、ディスクシステム版の前編・後編を遊ぶことが出来る。
  • GBAのファミコンミニシリーズのひとつとして移植。前編・後編を1本のソフトにまとめてプレイすることが出来、ディスクの入れ替えが不要になった。2004年8月10日発売。
  • Wiiのバーチャルコンソールでも配信されており、ファミコンミニ版と同じく前編・後編をひとまとめにしてプレイできる。2007年6月19日配信。600Wiiポイント。

これらの移植版には、「(その時点では)差別表現に該当する」と思われる言葉には修正が入っている部分がある(基本的なストーリーには変更なし)。

ストーリー

ストーリーはタイトル通り、昔話の「鬼ヶ島」をベースに、主人公の男の子と女の子が、鬼に魂を奪われたおじいさんとおばあさんを助けるために、鬼ヶ島を目指して旅をするといったものである。

途中に、犬の「りんご」、猿の「まつのすけ」、雉の「おはな」が仲間に加わり、共に旅を続ける。なお、主人公の男の子には成長イベントがあり、小さい子供であったのがいっぱしの少年に成長する。

登場人物

男の子(名前はプレイヤーが決める)
主人公その1。青い髪の男の子。おばあさんが洗濯をしに川に行った時、流れてきたカップめんから登場。前半では幼い男の子で、ちょっと抜けているが、後半では凛々しく成長する。名前はプレイヤーが付けるが、ほぼ公式の名前として「どんべ」がある。
女の子(名前はプレイヤーが決める)
主人公その2。巫女姿の女の子。おじいさんが山へしばかりに行った時、光る竹の中から登場。子供っぽい男の子に対して、ちょっとませたところがある。名前はプレイヤーが付けるが、ほぼ公式の名前として「ひかり」がある。
Wii用ソフト『キャプテン★レインボー』でも「ひかり」の名で登場しているが、こちらはやや派手な出で立ち。
りんご
お供その1。犬。
まつのすけ
お供その2。猿。
おはな
お供その3。雉。
おじいさんとおばあさん
男の子と女の子を拾って育てた老夫婦。鬼に魂を奪われてしまう。
いったいさん
物語のあちこちで出てくる謎のおじいさん。
京で暴れるという謎の黒い龍。鬼を生み出し、人々を襲わせている。
龍に生み出された謎の存在。人々の魂を奪う。

関連動画

あまり知られていないが、漫画(作者:みなづき由宇)やゲームブックも発売されている。

BS 新・鬼ヶ島と平成 新・鬼ヶ島

『新・鬼ヶ島』にはSFCで続編が出ており、1996年にサテラビューで配信された『BS 新・鬼ヶ島』と、それをベースに製作され、1997年にニンテンドウパワーで配信された『平成 新・鬼ヶ島』(後にカートリッジ版が1998年に発売)の2作が存在する。

これらはディスクシステム版を補完する外伝で、りんご、まつのすけ、おはな、といったサブキャラクターにもスポットが当てられているのが特色である。また、アクションゲームのようなパートもある。

BS版をもとに作られた平成版は、ディスク版同様に前編・後編で配信された。後に、カートリッジ版も前編・後編の2本で発売されている。配信版とカートリッジ版に違いはない。ディスクシステム版と違い、こちらは前編・後編のどちらからでも自由に遊べるようになっている。また、クリア後にディスクシステム版が遊べるようになっているが、台詞など一部異なる部分が存在する。

なお、平成版は前編・後編共にWiiのバーチャルコンソールで配信されている(2010年6月1日配信開始、各800Wiiポイント)。

関連作品

ふぁみこんむかし話」の記事も参照のこと。

ふぁみこんむかし話 遊遊記
ディスクシステムで配信された、「ふぁみこんむかし話」シリーズの第2弾。『西遊記』をベースとした物語。わずかに『新・鬼ヶ島』のキャラクターが登場している。こちらはファミコンミニにもなっておらず、またバーチャルコンソールでも配信されていないため、移植や配信が望まれる次第である。
タイムツイスト 歴史のかたすみで…
「ふぁみこんむかし話」のシリーズではないが、開発スタッフが一緒であるアドベンチャーゲーム。こちらもディスクシステムで配信された。内容は肉体を悪魔に奪われた少年が肉体を取り戻すためにタイムトラベルを繰り返して色んな時代へ行くというもの。こちらもやはり、移植や配信などがなされていない。
ファミコン文庫 はじまりの森
「ふぁみこんむかし話」のシリーズではないが、開発スタッフが一緒であるアドベンチャーゲーム。ニンテンドウパワーで配信された。夏休みを利用して田舎にやってきた少年の、ひと夏の不思議な体験を描く話。こちらはバーチャルコンソールでも配信されている。

関連項目

  • ふぁみこんむかし話
  • ファミリーコンピュータ
  • ディスクシステム
  • 任天堂
  • アドベンチャーゲーム
  • ゲームのタイトル一覧
  • VC配信ソフト

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