アヴァロンの鍵とは、セガが開発したアーケードカードゲームである。
概要
2003年に稼働を開始した。アーケードゲームで本格的なトレーディングカード的要素を持ったカードゲームの草分け的存在である。ゲームバランスの調整は、猿楽庁が行った。
カードを使ってマスを移動する、いわばカードゲームとボードゲームの融合であり、今現在でもこのようなアーケードカードゲームは他に類がない(コンシューマではカルドセプトがあるが、同じく猿楽庁がゲームバランスを調整している)。昨今のアーケードカードゲームと違い、アクション要素がないのが特徴(強いて言うならタッチの速さ)。そのため、読み合いによる戦術要素が特に大きな割合を占める。また、デッキ構築の幅も広く、多種多彩なデッキが組める。
しかし、後続開発である三国志大戦やQuest of Dと違い、オンライン対戦の要素がなかったのに加え、そちらのほうに開発スタッフも割かれたため、徐々に衰退の道を辿っていった。
※Quest of Dでは一時期、特定のアヴァロンの鍵のカードを使用することができた。また、技術的にはアヴァ鍵のオンライン化も可能だったらしいのだが、頓挫したらしい。
店舗からの撤去も相次ぎ、2008年末現在、稼働店舗は数えるほどしかなくなってしまった。
加えて、最終エキスパンションである鍵聖戦の排出カードも2009年3月31日を以って生産終了と、もはや全国各地から完全に姿を消すのも時間の問題かも知れない。しかし、今現在でも根強いファンがいるのも事実である。
大きなVer.UPも2005年を最後に無く、続編などの情報も音沙汰が無かったが、2008年12月にオンラインPCゲーム「アヴァロンの鍵 ONLINE」が発表された。そして2009年7月に最初のロケテスト(α版)が開始、同年12月10日に正式サービスを開始した。だが2012年7月31日を以てサービス終了。最後の望みも断たれた。
歴史
- 2003年7月 稼働開始。初期のカードは100種類。
- 2003年10月 1.10改定。当時あまりに猛威をふるった一部のカード(具体的に言うと蟻とか)の修正。
- 同時にオーバーキル上限を緩和。初期ライフも5→7へ。
- 1.00当時は初期ライフが5なのにもかかわらず、オーバーキル次第で-6まで吹き飛ぶ仕様であり、一撃でゲームオーバーになる可能性があった。(主に蟻のせい。)当時300円1クレ、500円2クレという高い料金設定であり、ほとんど何もせずに金だけ消えていくという光景が多々見られたからであろう。
- 2004年4月 1.20、新たなる召喚エキスパンション。カードは52種類増え合計152種類に。
- 「確率避け」と「確率即死」の支援カードが追加された。これにより更に読み合いの幅は広がった。従来の常套戦術、超破壊力で圧倒するという戦術では確率避けの餌食になってしまうからである。同時に「避け無効」「即死無効」も同時期に追加され、戦術の幅は広がったと言える。
- またSR故に万能過ぎる性能だったかすめ取りの仕様変更もここ。Rが光らなくなったのもここからである。
- 2004年7月 1.30、混沌の宴エキスパンション。カードは35種類追加。合計187種類。
- カルト・ホールやレッド・アイズ等構築工夫で一気に化けるカードが追加されている。
- 2004年11月 2.0、アヴァロンの鍵-弐-稼働開始。新カード61枚追加。合計248種類。
- 既存のカードの大規模な修正に加え、プレイヤーキャラも2名新規で追加された。一人用プレイも追加され、カード掘り等には専らこっちが使用されるように。
- また当時最高階級であったアヴァロンより上の称号が設定された。この当時は全能の神まで。ただし対人戦でないと上がらない仕様、しかもランク差があると上がりづらいため、生で見ることはほとんどなかったという現実。
- 魔神の麓やセラフィー・ルカ、名刀の刃紋などの人気、強さ共に優秀なカードも多数追加されている。
- 2005年8月 2.5、鍵聖戦(最終エキスパンション)稼働。
- どう見てもホストにしか見えない悪魔軍団(1名女性だが)やガチムチな冥界軍団(こっちも女性1名いるけど)などが追加。
- レジェンドという特殊レアリティのカードも追加された。47枚追加。合計295種類。また称号はさらに上限が増え全宇宙の神まで追加されたが、やはり上記の理由により(ry。
レアリティが高いカードは単純に強いことが多い三国志大戦と比べると、レアリティが高いカードは戦闘面で強いカードが多いが、移動面が犠牲になっていることが多いため多用すると移動事故を引き起こすなどバランスは取れている。
(例として初期のケルピー(スーパーレア)は万能過ぎたが、どんどん調整され、最終的に移動後効果処理と無条件移動が重なり移動時間がとんでもなく長くなったため、末期では使う人はほとんどいなくなった。)
一世を風靡したカード
- ディープシーカー
- 通称魚。初期は配置するだけで同じ色のカードをデッキから2枚ドローできるアドバンテージの塊的な存在だった。配置してなおかつ手札が1枚増えるので、遊戯王でいう強欲な壺みたいな存在。
- のちにタイムコスト(使うと制限時間が減る)が導入され弱体化、弐に入ると手札1枚がコストで必要となり、最大の利点である手札アドバンテージが消えてしまい、完全に廃れた。
- ポイズンスパイク
- 攻撃すれば即死効果によりどんなに耐久があろうと瞬殺出来た優秀レアカード。これ+フェレットまたはフィールドアーマは当時の黄金必勝法の一つだった。Ver1.00ではこれを打ち破れるのが封じ込めかダゴンか心眼(いずれも採用率が低い)だったため、安定していた。ゴーストを手札に加えるのも強力で次のターンの移動が楽になった。
- 1.20で即死無効の支援カードが導入されたため敵が増えた。また素で先制を回避するカード等が増えたため、先制をつけずに耐久を増やして耐えて即死等の選択肢が考えられる。
- アーミーアント
- 通称蟻。初期はディスプレイスとのコンボで大量に増殖し、その圧倒的な殲滅力でワンサイドゲームを招いた張本人。1.10で大幅に弱体化された結果廃れた。
- 類例にカリバーホーンがいる。こちらも配置数に従って攻撃値が増大する仕様で、蟻とよくセットで使われた。こちらの通称は鹿。そしてメルトダウンも良くお供で使われた。
- フェレット
- 万能支援モンスターカード。Ver1では支援モンスターで唯一攻撃値+3、先制と二つの能力を持ち合わせており、どのデッキにも安定して入るカードの一つだった。
- 後に支援モンスター効果の全体的なアッパー調整により以前より地位は低下した。
- メルトダウン
- 初期は配置した自分のモンスターの数×3相手モンスターの耐久値を下げる支援カード。問題となったのは、この効果で耐久値が0になった場合戦闘が起こらず相手が消滅して無条件勝利となる事だった。特に初期はディスプレイス+蟻の凶悪コンボによりメルトダウンで死亡、死亡しなくてもアーミーアントの超攻撃力&耐久を崩せず敗北ということがままあった。
- 後に耐久は1までしか削れないように変更。だがこれが却って、オーバーキルを生み出す結果にもなった。
そしてVer2で効果が配置数と同じ数だけ攻撃と耐久を削る、と大幅に弱体化。趣味のカードに転落した。また配置したモンスターの自然消滅ターンも昔より早くなったため、配置を重視したデッキは徐々に姿を消した。
- かすめ取り
- 初期最強支援カードと謳われたSR支援カード。相手の支援カードを奪って使用するという外道効果で、読みを封殺した。
- 後に相手が未使用の時は負ける仕様となった。使わないという選択も要求されるようになり使い手を選ぶカードとなった。
- ケルピー
- 移動力4無条件移動、18/16というハイスペックと移動にも戦闘にもそつがない初期青SR。
- しかし徐々に無条件移動にタイムラグが導入され、移動は先手を取る事が基本的に有利なこのゲームにおいて足かせとなりはじめた。
- そして弐になって最大のメリット移動力4が3に下方修正され、かつての栄光を失った。
- 下位互換として鬼ブルが存在する(ケルピーは無条件移動の他に手札破壊の処理が入るため、こちらの方が早いので一概に下位互換とも言えないが)。
- スカルマン
- 手札を全て捨て、戦闘支援カードを一枚サルベージ。初期は使用後破壊されなかったため支援カードを何度も使い回す戦法が横行した。後にこの効果でサルベージしたカードは破壊される仕様となったため弱体化したがそれでも十分に利用価値があるカードである。
- セラフィー・ルカ
- その絵柄、祠ガン待ちキラーとも呼べる能力で人気強さ一線級。
- 同時期に登場した名刀の刃紋との相性も良く、第一線で活躍した。
- このカードの登場により「祠またはその隣にモンスター配置し、ホルダーが来たら真っ先に奪う」という当時の基本戦術は大きく転換を迫られた(以前からもインフィニティーの存在によりアンチはいたのだが)。
- バルキリー燕
- 絵柄が非常に人気であり、戦闘シーンがかっこいいので有名となった。同時期に出た鬼神と同じく新キャラのエースモンスター的な扱いもされていた。
- 彼女の妹という設定で後にバルキリー雀というカードも登場した。
- 鍵聖戦で草薙の燕というカードも登場している。初代にもバルキリーというカードがあり、1.20ではバルキリークララというカードも追加された。初代から続くバルキリーシリーズの一枚でもある。
- 魔神の麓
- 戦闘1回ごとにモンスターを捨て山からサルベージ、おまけに強化つき。
- どう見てもSRの魔神の果てより強いです。能力により支援モンスターを使い回せるという万能っぷり。アヴァロンの鍵での戦闘時の手札枚数は単純に多いほうが勝率が上がるからである。
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