アーチャー(Fate/EXTRA)とは (アーチャーとは) [単語記事]

アーチャー（Fate/EXTRA）とは、原作担当のTYPE-MOONと、イメージエポックが開発、マーベラスエンターテイメントから発売されたPSPの対戦型ダンジョンRPG、『Fate/EXTRA』に登場するサーヴァントの一騎である。

なお、作中で姿を見せているアーチャーのサーヴァントは二名存在するが、この記事では敵として登場するアーチャーについて言及する。　
以降はアーチャーという記述で統一するものとする。

もう一人のアーチャーに関しては、アーチャー（Fate/stay night）を参照。

声：鳥海浩輔

概要

第二回戦にて立ち塞がる、緑衣とマントを身に纏ったハンサムな青年の姿をした英霊。マスターは歴戦の軍人であり狙撃手、そして騎士でもあるサー・ダン・ブラックモア。

軽薄な雰囲気のニヒリストでありながら、根は善良でやや小心者と小市民的な性格をしており、その根底には「名誉や理想に殉じた死よりも”生”を尊重し、とにかく生き抜いた末に温かいものが残ればいい」という考えを持っている人物。だがそのようなものを手に入れたことのない彼は「そんなものは夢物語みたいなもんだ」と肩をすくめる。

戦闘では主に闇討ちや奇襲といったトラップ戦術、そして遠距離からの狙撃を得意としており、その実力は生粋の狙撃手であるダンをして「背筋が寒くなる」と言わしめるほどの腕前。
だが単独行動スキルを使った勝手な行動や、マスターの指示なく不意打ちで敵を倒そうとしたため、騎士道精神を重んじるダンと戦闘方針を巡って対立。最終的には彼から令呪で宝具と不意打ちを禁止され、さらにアリーナ側からも戦闘でのペナルティが課せられることになってしまった。

しかし根本的な部分では両者共に深く信頼し合っており、特にアーチャー自身はダンに対して強い憧れを抱いている。また、彼の騎士道を重んじる命令には渋々従いながらも、その一方でどこかまんざらでもない様子。
またアーチャーが独断で奇襲を行った裏には、本当は騎士道精神に則った戦いをしたいと内心で望みながらも、自身の白兵戦の実力の低さゆえに「自分がそんなことをしても勝てない」と否定し、誰に疎まれようともサーヴァントとして純粋にマスターに勝って欲しいと考えた結果であり、その行動こそが彼なりのダンへの忠誠心の現れでもあった。
（ダンも通常の軍事行動ならトラップ戦術や不意打ち云々も認めたと思われるが、今回に限りダン個人の願いによるプライベートな戦いであったこと、またアーチャーの性格と内に秘める願いを見抜いたこと、それらを踏まえた上での最終的な結論が「正々堂々と戦う」だったようだ）

それはまるで悪ガキ小僧と頑固ジジイ素直になれない青年と優しくも厳しく諭す老人のような関係となっている。本来ならは年長者が多い英霊において、サーヴァントが青年でマスターが老人というのは主従としては（作品としても）珍しい組み合わせだろう。

真名は（ネタバレにつき、反転）「ロビンフッド」。イングランドの伝説の義賊であり、シャーウッドの森に潜む狩人だったという。
型月世界におけるオリジナルのロビンフッドの伝説は当時のイギリス人の祈りにより複数の神話や願望が混合して生まれたため、モデルは複数存在する。そうして生まれた個がない「顔のない英雄」の伝説と名を、当時の無名の英雄たちが襲名し「顔のある英雄・ロビンフッド」として活動していた。個を捨てて顔をなくし英雄名を襲名する在り方から、真アサシンと同タイプの英霊と思われる。
このアーチャーも生前にそうしてロビンフッドの名を襲名して活動していたうちの一人の無名の青年である。元はドルイド僧の子供であり、村の厄介者として村外れで生活していた青年だった。
そんな青年が領主の圧政に苦しめられた村を救うために取った方法は、顔を隠し姿を隠し、誰からも（あるいは村人にすら）疎まれながら、あらゆる手段を使って守りたいもののために奮戦することだった。圧倒的な物量で迫る軍に対し、時には奇襲し、時には罠を張り、時には食事に毒を仕込み、卑しい戦いを徹底する。騎士として正々堂々と戦うなど、誰よりもそれができないこと（自身が多少知識のある一般人でしかないこと）を理解していた彼は、己の素性と誇り、そして殺した兵士の「せめて戦いの中で死にたい」という願いすら踏みにじり、ひたすら心を潰して孤独な英雄となった。
村の人たちへ歩み寄ることは最後まで無かったが、それでも自身の誇りや名誉よりも、村の平和を願った人物。村人は愛さなくとも、村人の穏やかな生活を何より愛した者。誰から祝福されることもなく「卑怯者」と呼ばれ続けた英雄は、無理を通して村を守り続けた末に、たった二年で敵の凶弾に倒れる。
ただの一度も騎士として戦うことを許されず、報われることのなかった彼が、死の淵で本当に望んだものは――（反転終了）

ファンからは緑茶と呼ばれ親しまれている（ちなみにもう一人のアーチャーは紅茶と呼ばれることがある）。

なお、主人公のどのサーヴァントとも、最終的に相容れない。

能力

クラス：アーチャー
マスター：ダン・ブラックモア
真名：ロビンフッド
宝具：祈りの弓（イー・バウ）
属性：中庸・善
性別：男性
身長：175cm
体重：65kg
血液型：不明
誕生日：不明
イメージカラー：草色
特技：農耕、調理
好きなもの：ナンパ
嫌いなもの：騎士道、建前、いじけた女
天敵：キャス狐
パラメーター

筋力：C 耐久：C 敏捷：B 魔力：B 幸運：B 宝具：D

スキル	効果
対魔力：D	一工程（シングルアクション）による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
単独行動：A	マスターからの魔力供給を断っても自立できる能力。ランクAならば、マスターを失っても一週間は現界可能。
破壊工作：A	戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。トラップの達人。ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追い込むことも可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。

罠や奇襲を用いた戦法を得意としており、特に毒を用いたものが多い。
またアーチャーのサーヴァントらしく、狙撃を得意としており、腕に装備された小弓を使って物陰から敵を正確に射抜くことができる。
これによって、主人公を毒矢で射抜き、致命的なダメージを与えた。

このように、レンジャータイプの戦法を取っているため、この時点では一番アーチャーらしいアーチャーのサーヴァントとも言える。
というか、以前の二人がぜんぜんアーチャーらしくないだけだが。

作中で彼が用いた主な能力は以下のとおり。

イチイの毒の結界: アーチャーがアリーナに張り巡らせた、侵入者に毒を与える結界。基点となる部分には地面に刺さる矢と、イチイの樹のようなモノが現れる。おそらくは、彼の持つ宝具の能力の一部と思われる。; この結界は、基点を破壊さえすれば解除できるものであり、またこの基点が彼の真名に繋がる重要な品ともなる。
なお、発動時は画面が反転してしまい、プレイヤーにとっても非常に毒々しい視覚効果を与える。
矢尻の毒、繁みの棘: いずれもアーチャーが戦闘中に用いてくるスキル。; 前者は毒矢による筋力ダメージ+毒を、後者は足元からの奇襲による魔力ダメージを与える。
毒蛇の一滴: 『CCC』でアーチャーが戦闘中に用いてくるスキル。; 毒矢による筋力ダメージ+麻痺を与える。麻痺効果は行動阻害を引き起こすため、発生すると厄介。

宝具

祈りの弓（イー・バウ）: ランク：D
種別：対人宝具
レンジ：4～10
最大補足：一人
アーチャーの宝具。標的が腹に溜め込んでいる（毒や病といった）不浄を瞬間的に増幅・流出させる力を持つ。
例えば対象が毒を受けているなら、その毒を火薬のように爆発させる効果を持つ。それ、なんてアクマイト光線。; ゲーム中の演出では「弓」本体から発生した植物の蔓のような力が対象を包んで樹となり、効果が発動する。
ゲーム中の効果は毒ダメージUP＋効果時間延長。ちなみに重ね掛けも可能。
しかし実際のゲーム中では、毒を受けた「次のターン」に宝具を使ってくる上、毒は市販の治療薬（安い！）などで治せるという問題が・・・もはやアーチャー涙目である。（逆に治療薬などを持ち込まずに戦った場合、状況が一変する）
余談ではあるが、最終決戦以前にアリーナで主人公が毒を受けた時、ムーンセル直属のNPCですら解毒が難しいと言われたことを考慮すると、令呪による宝具の破却やムーンセル側からのペナルティが無かった場合、治療薬程度では毒を直せなかった可能性が高い・・・アーチャー、お前は泣いていい。
続編の『CCC』では、宝具発動時にダメージも発生するようになった。汚名返上である。; また、ドラマCD版では矢が掠っただけで即死という強力な宝具になっていた。汚名返上である。
顔のない王（ノーフェイス・メイキング）: アーチャーの着ている緑の外套による能力。詳細は不明だが、ゲーム中の描写から恐らく自身を透明化させると思われる。
直接対決では戦闘終盤で使用してくるスキルとして登場。発動直後の3手において相手のスキル・宝具以外の行動に攻撃を命中させる。つまりEXTRAの戦闘システムにおける三すくみのジャンケンに絶対に勝つ能力。発動を阻止できなかった場合、こちらが攻撃スキルを挟んでいない限りExtraターンの追加攻撃まで確定する。; これをHPが低い状態、あるいは耐久が低い場合に使用されると、最悪の場合敗北してしまうことも珍しくはない。; アーチャー真の宝具との呼び声も高く、勝利を確信した多くのプレイヤー達を（　゜Д゜）ﾎﾟｶｰﾝとさせた。; 「顔のない王」の名は伊達ではない。
続編である『CCC』において、顔のない王もアーチャーの宝具であると判明。
また指定したものを複数同時に透明化させたり、他人に貸し与えても効果を発揮できることも作中で分かった。
ちなみにルビのメイキングはメイキング映像などの「making」ではなく、五月の王と書いて「May-King」である。