インフルエンザA型(H1N1)とは (インフルエンザエーガタエイチイチエヌイチとは) [単語記事]

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インフルエンザA型(H1N1)とは、流行性感冒(インフルエンザ)の一種。「豚インフルエンザ」として報道されていた、2009年4月にメキシコで発見された新型インフルエンザ^[1]を指す。
インフルエンザウイルスの分類上では「スペインかぜ」の原因ウイルスやソ連型ウイルスと同系統となるが、どの程度性質が似ているかなどはまだ詳しくわかっていない。

概要

名称

当初「豚インフルエンザ」の名前で報道されてきたが、

ヒト-ヒト感染しない通常の豚インフルエンザと混同しやすく、混乱の原因になる。

ヒト-ヒト感染する、つまりヒトの病気であることが確定したため、豚の病気という印象の名前は畜産業への風評被害など誤った影響を与える。

豚はユダヤ教・イスラム教では食べてはならないとされる動物である。豚の否定的イメージによって過剰な不安が広まったり、感染者が宗教的な差別をうけるなど、両教徒の多い国・地域で対策に支障をきたす恐れがある。

このウイルスのRNAを解析した結果、豚インフルエンザに比較的近いもののヒト・鳥のインフルエンザのRNAも多く混ざっていることが判明し、単純に豚由来とはいえないことがわかった。

などの理由から、「メキシコかぜ」「北米かぜ」「北米インフルエンザ」などと独自に言い換えたり、名称の変更を求める動きが強くなった。
これを受けて、2009年5月1日、WHOはこの病気を「インフルエンザA型(H1N1)」と呼称することを決定した。

対策

現在はメキシコを基点に各国への拡散が進みつつある状態で、
WHOはフェーズ5(複数の国で人から人への感染が進んでいる証拠がある、パンデミックが差し迫っているとの強い警告)を宣言している。
日本でも、空港からのウイルスの侵入を阻止するとして水際作戦が行われている。
しかし、ウイルス拡散が一層進む将来にわたって侵入を長期間阻止し続けるのは不可能に近く、
国内の対策を整えるために広まる時期を遅らせる時間稼ぎの性格が強い。
地震や台風といった災害と同様、各個人･団体・地域が信頼できる情報を元に冷静かつ迅速に対応することが重要である。

外から帰ったらうがい手洗いを忘れずに。人の多い場所に行くときはマスクを着用。
基本的な予防策だがこれが重要になる。これらは通常のインフルエンザに対しても有効である。

自分自身にインフルエンザに酷似した症状が出た場合、
直接病院には行かず厚生労働省の相談窓口や最寄りの保健所に電話して指示を仰ぐこと。
対策に限りのある一般の外来を利用すると、関係のない来院者・入院者や医療関係者にうつしてしまう(院内感染)危険性が高い。
インフルエンザA型(H1N1)の疑いありと判断された場合、各都道府県が設置している特別な「発熱外来」へ搬送され、診察を受けることになる。