エイシンフラッシュとは、とは、日本の競走馬である。 →競走馬の一覧
馬主は「エイシン」の冠名で有名な平井豊光。調教師は藤原英昭。
主な勝鞍:天皇賞(秋)、東京優駿(日本ダービー)、京成杯。
父:King's Best
母:ムーンレディ(母父:プラティニ)
父のKing's Bestは、姉に凱旋門賞馬のアーバンシーがおり、2009年の欧州年度代表馬であるシーザスターズの叔父にあたるという良血種牡馬。母父のプラティニは、1993年のジャパンカップに来日しており、4着に入っている。
エイシンフラッシュは、京成杯を勝ち皐月賞に駒を進めたが、11番人気と低人気であった。しかし、3着にまで食い込み実力の片鱗は覗かせていた。
その結果もあって、次走はそのまま日本ダービーへと進めた。しかしダービーでは、青葉賞で4馬身差で圧勝したペルーサを始め、皐月賞馬のヴィクトワールピサ、エアグルーヴの仔でプリンシパルステークスを4馬身差で勝ったルーラーシップ、皐月賞2着で重馬場適正があるとされたヒルノダムールなど、他の脇役たちも成績が良く、「史上最高レベルのメンバー」と評されたレースであった。そのため、エイシンフラッシュは7番人気と今回も低人気であった。
しかし、有力候補のペルーサが出遅れて後方待機になってしまい、またペースもかなりのスローペースとなり、他の人気馬がなかなか伸びてこない中で、エイシンフラッシュはしっかりと折り合い馬群を突き抜けて、見事優勝した。
このダービーの前日に、同じ藤原厩舎の「タスカータソルテ」がレース中の故障で予後不良となっていた。くしくもエイシンフラッシュの枠は1枠1番で、タスカータソルテがダービーに出た時も1枠1番とまったく同じで、藤原氏も「タスカータが後押ししてくれたのかな」と語っている。また、同じ藤原厩舎の同世代の「ザタイキ」も毎日杯で故障、予後不良となっており、藤原厩舎にとってはこの日本ダービーは二頭の弔い合戦の意味合いもあった。
秋は神戸新聞杯から始動し、ローズキングダムの2着。そこから菊花賞へ向かう予定であったが、筋肉痛を発症して回避することに。続く古馬との戦いではダービーで鎬を削ったローズキングダムが繰り上がりとはいえジャパンカップを、ヴィクトワールピサが有馬記念を制する中、エイシンフラッシュは8着・7着と見せ場を作ることなく破れた。
4歳(2011年)
大阪杯から始動。この頃になると年明けから春先までに行われる主要な重賞をローズキングダム、トゥザグローリー、ルーラーシップといった同世代の馬達が次々に制し、かつ世代代表であったヴィクトワールピサがドバイワールドカップを勝ったことで最強世代との呼び声が広まりつつあった。しかし、その世代のダービー馬でありながら秋の成績の所為かなのか人気は3番人気。結果も人気どおりヒルノダムールの3着に終わった。
天皇賞(春)では道中先頭が何度も替わる乱戦の中、きっちり折り合ってレースを進めるもまたしてもヒルノダムールの2着に敗れた。
宝塚記念では同世代には先着したもののアーネストリー(6歳)の3着に敗れた。
秋はステップレースを使わず天皇賞(秋)に直行。シルポートの暴走劇につき合ってしまった結果、直線で脱落しトーセンジョーダン(5歳)の6着に終わった。
ジャパンカップではブエナビスタ(5歳)が見事に復活する中、エイシンフラッシュら4歳世代は上がり馬のトレイルブレイザーが辛うじて4着に入ったものの、クラシック組はエイシンフラッシュの8着が最先着という惨状であった。
ジャパンカップの惨敗、そして古馬王道G1の勝ち鞍が他世代の有力馬がいない天皇賞(春)のみという結果から最強世代の呼び名は消え失せ、G2大将世代と呼ばれる羽目に・・・。
そして、有馬記念。逃げ馬じゃないのに逃げる羽目になったアーネストリーが作り出した超スローペースの中好位でレースを進めてゆく。同じ超スローペースのダービーを制したエイシンフラッシュにとっては絶好の展開であったが、大外をまくってきた三冠馬オルフェーヴルの2着に敗れ、1年間未勝利に終わる。
5歳(2012年)
年明けからドバイワールドカップへの挑戦を表明。しかし、トランセンド・スマートファルコンが選出される中、招待状が届かない。やはり昨年未勝利という成績では無理かという空気が広がる中、ケンタッキーダービー馬が故障回避したため期限ギリギリで選出された。
そして迎えた本番では6着と日本馬の定位置最先着を果たしたものの、まさかの出遅れとなったスマートファルコン、道中失速し最下位に沈んだトランセンドの2頭にばかり注目が集まり、ほぼ空気扱いであった。
帰国後、海外遠征明けは宝塚記念に出走、ドバイから期間が空いたためか終始折り合いを欠き、4コーナーでは一番人気のオルフェーヴルと馬体を合わす場面も見られたが、勢いは雲泥の差で直線に向いてからも全くスピードが乗らず三歳馬マウントシャスタも追いつけない始末で6着と良いところなく終わってしまう。
秋競馬は毎日王冠から始動、それまでの実績が評価され二番人気に推されるが宝塚記念と同様に終いも伸びず三歳の勝ち馬カレンブラックヒルに置いてかれ、9着と不本意なレースが二戦続く。
迎えた天皇賞(秋)、今年のレースは天皇・皇后両陛下が来場され、7年ぶりの天覧競馬となる栄誉あるレースとなっていたが、前二戦の惨敗が響いたのと有力馬が多く揃ったため本馬は五番人気と評価を落とす。
レースはシルポートがハイペースの大逃げをうつ展開になり、それをカレンブラックヒル、フェノーメノの人気三歳馬が先行し追う展開となる。本馬は馬群後方の最内経済コースを進み、シルポートが大逃げする以外は淡々とした流れだが4コーナーからレースが大きく動く。コーナー出口で多くの馬が外へ流れたことで最内を通っていたエイシンフラッシュの前に進路がぽっかりと空くと鞍上のデムーロ騎手が絶妙なタイミングで追い出し、有馬記念でオルフェーヴルに追いすがった時のような鋭い末脚を発揮、一杯になったシルポートを一瞬でかわすと外から同じように伸びてきたフェノーメノ、ルーラーシップを抑え三歳日本ダービー以来二年ぶりに栄光のゴール板を駆け抜けた。
鞍上のデムーロ騎手の歓喜のウイニングランをしたあと、メインスタンドにご来場されていた両陛下に向かい、下馬しひざまずいて最敬礼を行うと、会場は割れんばかりの大歓声に包まれ、エイシンフラッシュとデムーロ騎手を祝福した。
※本来は検量前に馬場で故意に下馬することは違反行為(だから松永騎手はヘブンリーロマンスから下馬しなかった)となるが、「天皇、皇后両陛下の前で不正があるわけない」とJRAが空気を読んで今回は不問にされている。
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最終更新:2025/12/13(土) 01:00
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