エタリオウ 単語


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エタリオウ

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エタリオウとは、日本の競走馬である。
父はステイゴールド、母はホットチャチャ、母父Cactus Ridge。
トレードマークは黒いメンコと紫色の勝負服。

概要

馬名は「得たりおう。うまくしとめたとき、応戦するときに発する言葉」、つまり日本古来からの掛け声を元としている。

現役時代はシルバーコレクターとして有名であった偉大なる父ステイゴールド。29戦もの間「主な勝ち鞍:阿寒湖特別(900万下)」が続いたというネタは今なお語り継がれている。

同馬は偉大なる父の晩年の産駒の中で、最も注目を集めている1頭である。

何故注目されているかと言えば、その戦績である。

(2019年6月23日現在)

主な勝ち鞍

  • 2歳未勝利

主な2着

  • 菊花賞(G1)
  • テレビ東京杯青葉賞(G2)
  • 神戸新聞杯(G2)
  • 日経賞(G2)
  • 梅花賞(500万条件)
  • ゆきやなぎ賞(500万条件)

2歳(2017年)

デビューは9月の新馬戦であった。血統的にはそこまで良血という訳でもなく、また同馬の全姉が未勝利馬であった事もあって(姉は未勝利のまま引退となった)、8頭中4番人気であった。鞍上は福永祐一。同馬はややテンの脚が付かない所があり、この後にも何度か後ろからの競馬をする事になるが、デビュー戦では流石に馬の経験が無かった為か、最後も伸びきれず4着に終わった。

行き脚付かない癖は10月に走った2戦目の未勝利戦でも出てしまう。和田竜二騎手に乗り替わり、4番人気に推された同レース、内枠の馬が比較的好スタートを切る中で一頭取り残されて最後方からの競馬となる。3コーナー辺りから進出し4コーナーでは先頭に出るも、一瞬だけ後続の馬に捲られる。だがオープンクラスまで勝ち?上がる能力を持つステイゴールド産駒に見られる勝気の強さを同馬も持っていたからか、二の脚を使って再度突き放して勝利。未勝利を脱出する。

同年最終戦は500万下の平場の競走。未勝利戦の勝ち方もそこまで鮮烈なイメージではなかった為3番人気となった。レースは好スタートと言う程でもないがまともに決め、番手に控えつつ淡々と進む展開。直線に入って進出してきた外の馬と並ぶように先頭に並びかけるも、行き脚は外の馬の方が良く、2着に終わる。

同年は3戦して(1-1-0-1)。走ったレースの事も考えたら殆ど注目に値しない地味な1頭という成績であった。

3歳(2018年)

年が明けての初戦は1月末に行われた梅花賞(500万下)。3番人気に推された同レースには後のラジオNIKKEI賞馬のメイショウテッコンやフローラステークス賞馬のサトノワルキューレがおり、3歳500万下戦としては比較的ハイレベルなレースであった。レースはまた行く脚が付かず後方からのレースとなるも直線の追い込みでメイショウテッコンにハナ差の2着。ただこのレースで斜行をした為に鞍上の和田騎手は前月にも制裁を受けていた関係で9日間の騎乗停止となってしまった。

2戦目はゆきやなぎ賞(500万下)。前走での鋭い脚を評価されての2番人気に推されたが、1番人気は前走でやや斜行の影響を受け3着に終わったと思われるサトノワルキューレであった。レースはスタートはまずまずで出たもののやや右へ左へフラフラとした走りをしてしまう。3コーナーで仕掛け直線では先頭に立つものの、直線では後から仕掛けたサトノワルキューレに差されて2着となった。直線でもやや内にささるような走り方をしており、気性の悪さが若干気になる一戦に思われた。

3戦目はダービートライアルの青葉賞(G2)。ここで着を拾えばダービー出走ができるという期待は集まるものの、馬券的には信用に足る成績ではない為、鞍上が石橋脩騎手へ乗り替わった事もあり18頭中の7番人気となる。レースはまずまずのスタートを決める事ができ、中団前目でのレースとなる。3コーナー辺りで仕掛け始め、最後の直線では一度先頭に並びかけるも、外から来たゴーフォザサミットの2着に終わる。但し2着に入った同馬にはダービーへの優先出走権と共に収得賞金1100万の加算が与えられた。

4戦目は日本ダービー(G1)。石橋脩騎手には先約があった為に乗り替わり、H.ボウマン騎手になる。2歳牡馬チャンピオンのダノンプレミアムや皐月賞馬のエポカドーロ、新設G1のホープフルステークスを勝ったタイムフライヤーなどのスターホースが一堂に会するレースでは流石に人気を落として13番人気。レースは皐月賞馬のエポカドーロが引っ張る展開で進む中、やはりテンで伸びなかった同馬は後ろから4頭目を追走する形で進む。今回は仕掛けをやや遅めにした為に最後の直線での脚が残っており、最後伸びて4着に入る。1着に入ったワグネリアンとの差はコンマ2秒であった。

5戦目は菊花賞トライアルの神戸新聞杯(G2)。菊花賞は距離が長すぎるとして回避する馬が多い為、準オープンクラスの収得賞金があればほぼ出走できるが、青葉賞にて収得賞金を加算したとは言え収得賞金が1500万の準オープン馬であった同馬にとっては今後の運命を大きく変えるレースであった(ここで収得賞金を加算する事があれば、次年度からのJRAの降級制度廃止に伴い、生涯オープン馬としての地位が確定する)。鞍上にミルコ・デムーロ騎手を迎えるも、同レースには皐月賞馬とダービー馬が出走する為、3番人気となった。レースは相変わらずの出足の無さもあり道中は最後方からの追走となる。直線に入っても最後方であったが、ゴール前強襲しての2着を確保。菊花賞の出走権と共に収得賞金1100万を加算した。

…ここで思い出してほしい。古馬オープン入りが確定している同馬のここまでの勝利は2戦目の2歳未勝利戦だけであり、次の勝利までの間は「主な勝ち鞍:2歳未勝利戦」のままレースを賑わす存在となる事が確定したのである。

6戦目は菊花賞(G1)。菊花賞に最も直結しているトライアルレースの1着馬が秋天を選択(その後回避)したことと、その時の好走を評価され、1番人気のブラストワンピースと僅差の2番人気となったが、この馬を本命と推す予想屋も多かった。鞍上は前走に引き続きデムーロ。パドックや本馬場入場、その後の輪乗りでも落ち着いており、良い雰囲気を出していた。レースはエタリオウはスタート直後は後方3番手というかなり後ろを走っていたが、1000mを62秒台という非常に遅いペースで全く動かない展開を察知してか向こう正面では5番手くらいまで位置を上げ、その後4角からのヨーイドン競馬にも大外から襲い掛かり、内枠を進む先行馬たちを横目に見ながら先頭に立つ。そのままゴール版まで・・・と思われたが、内から伸びてきたフィエールマンに並ばれ、最後はハナ差差されての2着となった。鞍上の仕掛けるタイミングにはミスは無かったが、スタミナ勝負とならずヨーイドン競馬となってしまった事により切れ味が一番ある中距離馬が勝った、そんなレースであった。1着を飾り「シルバーコレクター」「最強の1勝馬」という汚名?を払拭する事はできなかったが、負けてなお強しの印象がぼちぼち浸透しつつある、そういう結果となった。

同年は6戦して0-5-0-1、未だ「主な勝ち鞍:2歳未勝利」の同馬にも関わらず重賞2着3回という成績に注目が集まり、馬擬人化漫画の先駆者であるよしだみほの代表作「馬なり1ハロン劇場」内の定番ネタ「ブロコレ倶楽部」で取り上げられた(「ブロコレ」とはブロンズコレクターの意で、重賞でなかなか勝てず2着3着を繰り返す少し残念な馬が大好きな作者の定番シリーズ話。同クラブは会員番号1番のナイスネイチャ、2番のロイスアンドロイス、3番のホッカイルソーの3頭により1997年頃に発足、また同クラブの発足回で勧誘された会員番号4番のメジロブライトを含めた4頭が最初期メンバーであった。ちなみに父ステイゴールドも会員番号5番の初期古参メンバーで、特に2着が多かった事から「シルコレ部長」と呼ばれていた)。

4歳(2019年)

年明け初戦は日経賞(G2)。鞍上は引き続きデムーロ。前走から間隔もあいたことで不安視する空気もあったが、菊花賞を2着とは言えハナ差での敗退であったことから能力の高さを認められ、2.1倍の1番人気に推された。レースは2番人気のメイションテッコンが引っ張るのを4~5番手で眺めつつ進む展開となるが、1週目のホームストレッチでも若干行きたがる素振りを見せていた。2週目向こう正面で一気に上がっていき3角で逃げるメイショウテッコンに並びかけるも、流石にそこでの仕掛けは早すぎる為に手綱を絞りなだめ、メイショウテッコンに並ぶように4角まで進む。そして直線で一気に・・・メイショウテッコンが突き放し、2番手を行くエタリオウは差を縮める事はできず2着となった。3着以下の馬に迫られる事もなかったが、気性が影響したのか、それとも休み明けの為に馬がまだ本気でなかったか、いずれにせよ念願の2勝目を飾る事はお預けとなった。

2戦目は春の天皇賞(G1)。鞍上はデムーロ。登録馬の中で人気上位の一角と目されていたシャケトラが調教中の故障が原因でレース前週に予後不良と診断される悲しい出来事があった事もあり、小粒なメンバーで頭数も少ない残念なメンバーだという前評判が流れる中で、必然的に前年の菊花賞組が人気を集めた。1番人気は前年の菊花賞馬のフィエールマン、エタリオウはそれに次ぐ2番人気となった。レースは各馬出遅れる事なく揃ったスタートだったがエタリオウはそっと下げ、最後方からの追走となった。1000m通貨が59秒8と3200mとしては早いペースだったが(その後大幅にペースが緩んだ事もあって結果的にはスローペースのレースになった)、最後方にぽつんと離された追走で大丈夫かという不安もあったが、2週目の3角で進出していき4角まわって直線では5番手くらいに位置取りとなっていた。3位入線はもらったかと思われる伸びを見せたが前を走るフィエールマンとグローリーヴェイズの影を踏むことはできず、また直線で競っていたパフォーマプロミスに最後差し返されて4着に終わった。直線で抜け出すと手を抜く性格の為にあえて後方から仕掛け、「2着は要らない、勝つか負けるかだ」という意気込みが感じられる騎乗であったが、今回は実る事が無かった。

3戦目は宝塚記念(G1)。鞍上は横山典弘に乗り替わる。ファン投票では13番目の評価を得、獲得上位の6頭が回避表明していた為にファン投票での出走権を確保。出走馬12頭と少々寂しいが重賞勝ち馬が9頭、内G1馬が6頭もいる豪華な顔ぶれとなり、エタリオウは単勝での直前人気は4番手の評価となった。レースは各馬大きく出遅れる事も無かったが、テンで若干もたついたキセキがその後ハナを切るべく進出する横で大外枠で紅一点のリスグラシューがこれまでとっていた後方からの競馬ではなく積極的な競馬をした為に場内がざわつく展開となった。エタリオウはスタート直後にやや下げて後方3番手からの追走、向こう正面で順位をあげるべく進出を開始したが阪神内回りコースは向こう正面中盤から4角まで下り坂が続く為に全体もスピードアップするので大きく順位は変わらず、4角回って後ろから5番目という位置取りとなる。直線に入って殆どの馬が大きく順位が変動する事なく、番手を追走していたリスグラシューが直線で捲って2016年マリアライト以来3年ぶりの牝馬の優勝、逃げたキセキは2着、道中3、4番手を走っていたスワーヴリチャードが3着となり、4着、5着も道中で前の方にいた馬が占める結果となった。これまで掲示板を外したことが無かったエタリオウも9着と大きく敗れ、立て直しが必要という意見が見られた。

4戦目は京都大賞典(G2)、鞍上は前走に引き続き横山騎手。前走の大敗はとりあえず保留としつつ、本来の走りをすればもっと走れる筈だという支持を集めて2番人気となる。レースは6番人気のダンビュライトが逃げ、それを11番人気のドレッドノータスが追う展開。1000mを59.7で刻むが馬群はさほどばらけずまとまった隊列で進み、3コーナー手前辺りで動き始めるもエタリオウは後方でじっと待機、4コーナーからの切れ味勝負に掛けた。だが前を行く2頭の脚は衰えず、ドレッドノータスがダンビュライトを捉え突き放した所でゴール、エタリオウは上がり最速ではあったがコンマ6秒差の5着であった。テンでの脚がなく、また3歳時の負けパターンで目立ったキレる脚は一瞬しか使えないという事で日経賞以外は後方待機の競馬が続いていたが、1着馬は積極的なレースをしても上がりのラップがエタリオウと0.1しか違わず、今回の戦法では絶対に勝てないレースだった。掲示板こそ確保できたものの、「最強の1勝馬」の称号を返上する為には現状では展開に恵まれないと厳しいのかもしれない。

血統表

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
ディクタス Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ ノーザンテースト
ロイヤルサッシュ
Hot Cha Cha(米)
2006 黒鹿毛
FNo.5-f
Cactus Ridge
2001 鹿毛
Hennessy(米) Storm Cat
Island Kitty
Double Park Lycius
Just Pretty
Reduced Sentence
2000 黒鹿毛
Broad Brush Ack Ack
Hay Patcher
Long Term Private Account
Infinite

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