エボラ出血熱 単語


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エボラシュッケツネツ

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※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

エボラ出血熱とは、エボラウイルスに感染することで起こる感染症の1つである。焼肉のたれとは無関係である。

概要

エボラ出血熱はその名の通り、感染者の全身から出血を伴うことで知られ、致死率は80%以上という危険な感染症である。出血は口腔・鼻腔・消化管など全身のいたるところで起こり、最終的には皮膚からの出血も見られる。これはエボラウイルスが、タンパク質を分解する毒素を出すことが原因で、症状は急速進行性である。

人から人への感染は主に飛沫感染であると考えられており、感染者の体液や血液、汗などに触れなければ感染することはない。しかし、空気感染と思わしき例も確認されているため、感染者は空気的にも密閉された空間に隔離されることが望ましい。

感染後の潜伏期間は約1~2週間と他の感染症よりも長く、日本などの先進国では、まだ症状が出ていない感染者が不特定多数の人物と接触しウイルスが広がることが懸念されている。ちなみにインフルエンザの潜伏期間は2~3日。

日本では「一類感染症」と最も高リスクな感染症に認定されており、世界保健機関でもバイオセーフティーレベルが「レベル4(BSL-4)」と、エボラウイルスを最も危険な病原体としている。BSL-4の病原体を実験に用いる際は専用の施設が必要となるが、2014年現在日本ではBSL-4の病原体を扱うことの出来る施設は使用停止されている(理化学研究所と国立感染症研究所の2か所)。

治療法

現在、エボラ出血熱に対する治療法は確立されておらず、感染者には対症療法を用いる。

感染者は重篤な脱水症状や激しい痛み、血液内で無造作に血栓ができる播種性血管内凝固症候群を併発するため、対症療法として「栄養点滴」「鎮痛剤投与」「抗凝固剤投与」などが行われ、病原体そのものへの対処は感染者の免疫任せとなる。

もし奇跡的に一命を取り留めたとしても、ほとんどの患者は脳機能障害や失明といった重い後遺症を残すことが多い。

感染していない状態であれば、エボラウイルスは石鹸やアルコール消毒で簡単に殺菌できるので、季節に関わらず手洗いうがいはしっかりしよう。

不完全な生物

エボラ出血熱の原因であるエボラウイルスは、コウモリが宿主とされている。すなわちコウモリは常にエボラウイルスに感染していることになるが、エボラ出血熱が発病することはない。このようにウイルスに感染しておきながら症状が出ず、ウイルスと共存している動物を自然宿主と呼ぶ。

これに対して、エボラウイルスはヒトやサル、ゴリラといった動物に感染するとエボラ出血熱を発病させ、その個体を死に至らしてしまう。このように、ウイルスが感染すると症状が発現する、もしくは死んでしまう動物を終末宿主と呼ぶ。

ウイルスは、自らエネルギーを産生できる細菌類とは異なり、宿主に寄生することで初めてエネルギーを生むことができる生物であり、宿主を殺してしまうと自らも死んでしまうことになる。

これは生物的には重大な失敗であり、このように感染者を死に至らしめるウイルスは不完全な生物ともいえる。

関連項目

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  • ウイルス
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