出血熱 単語

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医学記事 【ニコニコ大百科 : 医学記事】
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

出血熱とは、ウイルス感染によって高熱や出血傾向などの症状がみられる病気の総称である。

ウイルス性出血熱と呼ばれることもある。

概要

原因となるウイルスは様々であるが、共通しているのは

  • 高熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などインフルエンザに似たような症状がある。
  • 人によっては胃腸炎症状(腹痛・嘔吐・下痢)や発などを伴う。特にしい下痢による脱水症状は死因となることもある。
  • 血液中の血球や血小板などが著しく減少し、重症化すると全身の出血症状(鼻血、内出血、吐血下血、血尿など)や多臓器不全(肝不全、腎不全など)がみられる。ただし、出血傾向がみられないことも多い。
  • 重症化した場合、致死率が非常に高い。

などの点である。

病原体

出血熱を起こすな病原体としては、以下のウイルスがある。

この中でも特にフィロウイルス科のウイルスは感染力や致死率がきわめて高いため、警されている。

感染経路

に以下のパターンで感染することが多い。

特にエボラ出血熱マールブルグ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、CCHFの5つは人から人に伝染するため感染症法では最も危険なランク一類感染症となっている(他に一類感染症となっているのは天然痘ペストだけ)。そのため感染者は原則隔離入院が必要であり、感染拡大を防止するためにロックダウン都市封鎖)が実施されることもある。

また、エボラウイルスなどはバイオテロとして利用された場合の被害が甚大になることが想定されているため、天然痘ウイルス炭疽菌ボツリヌス菌ペスト菌などと同様に生物兵器として認知されている。

流行地域

デング熱CCHFのように世界の広い範囲で流行している病気もあるが、多くの出血熱はインフルエンザ狂犬病細菌性赤痢結核マラリアなどと異なりあまり広い範囲で流行せず、土病となっている。

ちなみに何故かアフリカで流行しやすい。

主な出血熱

ニコニコ大百科独立記事がある出血熱は太字にした。

最も有名かつ危険な出血熱。致死率は50%以上であり非常に高く、有効な治療法やワクチンい。しかしあまりにも致死率が高すぎるためにインフルエンザ新型コロナウイルスのような大流行が起こりにくいという特徴もある。

意外にも出血傾向がみられない症例も多く、むしろしい下痢などの胃腸炎症状から来る脱水症状が原因で亡くなるケースが多い。

エボラウイルス戚のウイルスが起こす出血熱。エボラ熱と同様に致死率が非常に高く、治療も存在しない。

エボラ熱と同じような症状があらわれるが、発肝臓の炎症(肝炎)を起こしやすいのが特徴である。

  • ラッサ熱

アレウイルス科のウイルスが引き起こす、西アフリカ土病。ネズミが媒介する。人から人に伝染することもある。エボラ熱マールブルグ病ほど致死率は高くないが、その分大流行が起こりやすいので警されている。

発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などインフルエンザ胃腸炎に似た症状があらわれる。重症化すると腸からの出血や脳炎を合併することもある。重症例は致死率が非常に高い。

リバリンという有効な治療が存在するが、期に用しないと意味がい。

  • 南米出血熱

南米大陸で流行している、アレウイルス科のウイルスによる出血熱の総称。ラッサ熱と同様にネズミが感染となることが多い。

発熱と胃腸炎な症状で、重症化すると出血傾向や脳炎も見られる。

ユーシア大陸アフリカの広い範囲で流行している出血熱。にマダニや野生動物が媒介する感染症で、人から人に伝染することもある。エボラ熱マールブルグ病ほど致死率は高くないが、その分大流行が起こりやすい。

エボラ熱などにべて出血傾向が起こりやすく、全身があざだらけになることも少なくない。また、肝炎を合併することも多い。

初期に限りリバリンが有効。ワクチン予防接種)はい。

CCHFウイルス戚のウイルスが引き起こす感染症日本を含む東アジア地域で流行している出血熱で、にマダニウイルスを媒介する。日本では何故か西日本で発生しやすく、東日本での発生はきわめて稀。

発熱と下痢な症状で、ノロウイルスロタウイルスなどの胃腸炎との鑑別が難しい。重症化すると吐血下血、多臓器不全がみられることもある。特に高齢者にとっては危険な病気で、致死率は10〜30%程度とされる。治療ワクチンは存在しない。

東アジア中華人民共和国など)とヨーロッパで流行している出血熱。ネズミが媒介するが、基本的に人から人に伝染することはい。

インフルエンザに似たような症状の他、腎臓の炎症(急性腎炎)が起こることが多い。特に東アジアHFRS重症化しやすく、腎不全が起こりやすい。

ウイルスを媒介し、熱帯・亜熱帯地域で流行している感染症日本でも2014年に小規模な流行が起こりニュースになった。ただし、基本的には人から人に伝染することはい。

高熱、全身のしい痛み(頭痛・筋肉痛・関節痛)、胃腸炎(嘔吐・下痢)がな症状。較的軽症で多くは1週間程度で回復するが、稀に出血傾向やショック症状を伴う重症デング熱(デング出血熱)になることもある。重症の致死率は20%以上であり非常に高い。

有効な治療ワクチンい。

アフリカと中南米の熱帯地域で流行している感染症ウイルスデングウイルス戚で、デング熱と同様にが媒介する。

人から人に伝染することはいが、致死率が非常に高い。重度の肝炎によって疸がみられることから黄熱病と名付けられた。また、腸からの出血により吐血することから吐病とも呼ばれる。

予防接種ワクチン)が存在するため、アフリカや中南米旅行する予定がある人は事前に打っておくと良い。

  • チクングニア熱

に熱帯地域で流行している感染症デング熱などと同様にが媒介する。

デング熱と同様にしい頭痛や関節痛が起こる。基本的には予後良好な病気だが、重症化すると出血熱や脳炎になり予後不良になることもある。

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