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出血熱とは、ウイルス感染によって高熱や出血傾向などの症状がみられる病気の総称である。
ウイルス性出血熱と呼ばれることもある。
原因となるウイルスは様々であるが、共通しているのは
などの点である。
この中でも特にフィロウイルス科のウイルスは感染力や致死率がきわめて高いため、警戒されている。
特にエボラ出血熱、マールブルグ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、CCHFの5つは人から人に伝染するため感染症法では最も危険なランクの一類感染症となっている(他に一類感染症となっているのは天然痘とペストだけ)。そのため感染者は原則隔離入院が必要であり、感染拡大を防止するためにロックダウン(都市封鎖)が実施されることもある。
また、エボラウイルスなどはバイオテロとして利用された場合の被害が甚大になることが想定されているため、天然痘ウイルスや炭疽菌、ボツリヌス菌、ペスト菌などと同様に生物兵器として認知されている。
デング熱やCCHFのように世界の広い範囲で流行している病気もあるが、多くの出血熱はインフルエンザや狂犬病、細菌性赤痢、結核、マラリアなどと異なりあまり広い範囲で流行せず、風土病となっている。
ちなみに何故かアフリカで流行しやすい。
最も有名かつ危険な出血熱。致死率は50%以上であり非常に高く、有効な治療法やワクチンも無い。しかしあまりにも致死率が高すぎるためにインフルエンザや新型コロナウイルスのような大流行が起こりにくいという特徴もある。
意外にも出血傾向がみられない症例も多く、むしろ激しい下痢などの胃腸炎症状から来る脱水症状が原因で亡くなるケースが多い。
エボラウイルスの親戚のウイルスが起こす出血熱。エボラ熱と同様に致死率が非常に高く、治療薬も存在しない。
エボラ熱と同じような症状があらわれるが、発疹や肝臓の炎症(肝炎)を起こしやすいのが特徴である。
アレナウイルス科のウイルスが引き起こす、西アフリカの風土病。主にネズミが媒介する。人から人に伝染することもある。エボラ熱やマールブルグ病ほど致死率は高くないが、その分大流行が起こりやすいので警戒されている。
発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などインフルエンザや胃腸炎に似た症状があらわれる。重症化すると胃腸からの出血や脳炎を合併することもある。重症例は致死率が非常に高い。
リバビリンという有効な治療薬が存在するが、早期に服用しないと意味が無い。
南米大陸で流行している、アレナウイルス科のウイルスによる出血熱の総称。ラッサ熱と同様にネズミが感染源となることが多い。
発熱と胃腸炎が主な症状で、重症化すると出血傾向や脳炎も見られる。
ユーラシア大陸とアフリカの広い範囲で流行している出血熱。主にマダニや野生動物が媒介する感染症で、人から人に伝染することもある。エボラ熱やマールブルグ病ほど致死率は高くないが、その分大流行が起こりやすい。
エボラ熱などに比べて出血傾向が起こりやすく、全身があざだらけになることも少なくない。また、肝炎を合併することも多い。
CCHFウイルスの親戚のウイルスが引き起こす感染症。日本を含む東アジア地域で流行している出血熱で、主にマダニがウイルスを媒介する。日本では何故か西日本で発生しやすく、東日本での発生はきわめて稀。
発熱と下痢が主な症状で、ノロウイルスやロタウイルスなどの胃腸炎との鑑別が難しい。重症化すると吐血、下血、多臓器不全がみられることもある。特に高齢者にとっては危険な病気で、致死率は10〜30%程度とされる。治療薬やワクチンは存在しない。
主に東アジア(中華人民共和国など)とヨーロッパで流行している出血熱。ネズミが媒介するが、基本的に人から人に伝染することは無い。
インフルエンザに似たような症状の他、腎臓の炎症(急性腎炎)が起こることが多い。特に東アジアのHFRSは重症化しやすく、腎不全が起こりやすい。
主に蚊がウイルスを媒介し、熱帯・亜熱帯地域で流行している感染症。日本でも2014年に小規模な流行が起こりニュースになった。ただし、基本的には人から人に伝染することは無い。
高熱、全身の激しい痛み(頭痛・筋肉痛・関節痛)、胃腸炎(嘔吐・下痢)が主な症状。比較的軽症で多くは1週間程度で回復するが、稀に出血傾向やショック症状を伴う重症型のデング熱(デング出血熱)になることもある。重症型の致死率は20%以上であり非常に高い。
アフリカと中南米の熱帯地域で流行している感染症。ウイルスはデングウイルスの親戚で、デング熱と同様に蚊が媒介する。
人から人に伝染することは無いが、致死率が非常に高い。重度の肝炎によって黄疸がみられることから黄熱病と名付けられた。また、胃腸からの出血により吐血することから黒吐病とも呼ばれる。
予防接種(ワクチン)が存在するため、アフリカや中南米に旅行する予定がある人は事前に打っておくと良い。
主に熱帯地域で流行している感染症。デング熱などと同様に蚊が媒介する。
デング熱と同様に激しい頭痛や関節痛が起こる。基本的には予後良好な病気だが、重症化すると出血熱や脳炎になり予後不良になることもある。
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最終更新:2025/01/03(金) 12:00
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