カツオノエボシとは、刺胞動物門ヒドロ虫綱クラクラゲ目嚢泳亜目カツオノエボシ科に含まれる生物。
「鰹の烏帽子」と書く。鰹が到来する時期にあらわれ、かつ烏帽子に似ていることからこの名前がついた。体長は10cmほど。その見かけや、電気クラゲという別名からか、クラゲの一種といわれることがあるが、正体はヒドロ虫の群体であり、見かけだけなら普段イメージするカップ状のクラゲとは一味も二味も違う。海中を漂うクラゲと違って、烏帽子状の浮き袋で海面に浮かび、風に吹かれて帆走するため、まるでビニール袋や青い風船のようにも見える。
クダクラゲ類の中では一番聞く機会の多いクラゲだが、実はこの姿はクダクラゲ類の中でも特に異質なほうであり、カツオノエボシは気泡体がやたらとデカく海面スレスレに浮かび、嚢泳亜目のクダクラゲは泳鐘と呼ばれる泳ぐ専門家の個虫を持たないのでカツオノエボシは自力で泳ぐこもできず、風吹くままに流されて砂浜まで流されてしまうのである。もっとも目につく機会が多いのは、このカツオノエボシの異質性によるものである。なお、他のクダクラゲはクラゲの形をした泳鐘と呼ばれる泳ぐ専門家の個虫が群体を率いて泳いだり(群体の長さで有名なマヨイアイオイクラゲもこの形質)、海中に深い位置でただようだけだったりして決して危険な海面に浮かび上がってきたりはしない。
触手に強力な毒を持ち、刺されると電気ショックを受けたかのような激痛が走るため、電気クラゲと呼ばれることもある(実際に電気を発するわけではない)。ごくごく稀にではあるが、アナフィラキシーショックを起こし、死亡する危険性もあるため、海や海岸で青いビニール袋のようなものを見つけても触らないように注意が必要である。
触手は長く、時に長さ50メートルにもなる。
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最終更新:2025/12/14(日) 00:00
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