カールグスタフとは、無反動砲の一つである。
スウェーデンにて、小銃等で破壊できない目標のために1946年から開発された携行式無反動砲である。名前の由来は開発に加わった会社の一つから。
口径は84mm。典型的なクルップ式無反動砲であり、こういっては何だが、砲そのものは何か突き抜けた点があるわけでもなく実にシンプルな無反動砲である。
初期型のM1、軽量化などを行ったM2、照準器を改良したM2-550、複合材料により大きく軽量化したM3の各モデルがある。
特にM3型はM2型の14.2kgから8.5kgへ大幅な軽量化を図っている。ただその反面、砲身寿命は特殊鋼製のM2以前と比して大きく劣る。
ちなみにカールグスタフを使い捨てにしたものがAT4である。
照準器は倍率3倍のスコープとアイアンサイトが標準で付属。最新のM3は20mmマウントベースと3倍スコープのセットとなっており、スコープをマウントベースからはずせば様々なアクセサリーをセットできる。
クルップ式無反動砲、すなわち発射ガスをそのまま後部に噴出するタイプのため、発射の際は後方45度距離60mは危険域となる。そのため発射の際の安全確認は必須作業の他、建物内などの閉所からは使用できない欠点がある。
発射口に無反動砲ではよく見るラッパ状の縁があるが、これは移動時などに砲口を変形させないための装備。基本的に発射前には取り外す。
弾薬はHEAT弾、榴弾、照明弾など今までに9種がリリースされている。この中でも面白いのが1段目にHEAT弾、2段目に通常榴弾を装備し、建築物の壁をHEAT弾でぶち抜いた後に通常榴弾が建築物内で爆発するMT756や爆発時に矢をぶちまけるフレシェット弾ADM401(FFV401)だろう。
なお弾薬は砲の後端を回転させそこから装填する。
カールグスタフはその弾速の速さ、命中精度の高さ、射程距離の長さ、弾種の多様さが当時の対戦車兵器として優れていたため瞬く間に各国が採用、一躍ベストセラー無反動砲となった。しかし対戦車兵器として見れば現在では少々時代遅れとなっている。そのためドイツなどの国は対戦車兵器の座をパンツァーファウスト3に譲り、カールグスタフは照明弾発射機として扱われている。
ただし純粋な無反動砲としてみてば使い勝手が良いことには変わりないため、まだまだ各国では使われることになるだろう。
84mm無反動砲の名でM2を対戦車兵器として採用した。通称は84RR、ハチヨン、無反動砲、カール君など。
初期は輸入だったがその後は本体は豊和工業、弾薬はダイキンによってライセンス生産されている。
運用としては普通科の小銃小隊に一本が配備されている。砲手係と予備弾薬運搬係の2人で運用し、砲手は小銃を持たず9mm拳銃を持つ。普通科以外にも特科や機甲部隊などにも配備されている。
やはり対戦車兵器としては陳腐化し始めたため、01式軽対戦車誘導弾やパンツァーファウスト3によって更新されることになった。とはいえ退役ではなく管理変えなどによって別の科に配備されるという状況である。
しかし01式は対戦車ミサイルとしては非常に優秀だが、熱源を持たない陣地などには攻撃が困難であるうえに戦車以外の目標にはちともったいないこと、パンツァーファウスト3はそもそも使い捨てであることから、よく当たり色々使えるカール君の有用性は見直されており、多用途ガン(現在は84mm無反動砲(B))としてM3を追加調達するという展開になった。ただすでにM2をたっぷり買い込んでるせいか、あるいは無反動をぶっ放しまくる特性上、砲身命数の少なさを嫌ったのかM3の調達は少数である。
これからもカール君は普通科などの貴重な火力として活躍し続けることだろう。
余談だが、陸自の中の人によるとよく当たるため訓練で撃っていてとても楽しいらしい。これは砲身にライフリングが施された歴とした「ライフル砲」であることに所以する。着弾も派手だしその気持ちはわかる気がしないでもない。着弾が派手というのは榴弾を曳火炸裂させられることもあるのかもしれない。
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最終更新:2025/12/13(土) 08:00
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