「いい夜ですな。ここんとこ蒸し暑くて……8月のシカゴは地獄の暑さです。特に湿度の高いのに参る」
「『湿度』って分かるかい?『空気のジメジメ度』だ」
「……」
「……モスクワの夏はどうです?」
「暑い。ジメジメは無い」
「どこでこの国の言葉を習った?」
「軍隊だ。必修科目だった。キエフの外語学校に通った」
「ああキエフな、『キエフ風カツレツ』のキエフだろ?妹の結婚式で食ったぜ」
「……」
「ところで、ビクトル・ロスタって奴は、お国で何をしでかしたんだ?わざわざモスクワから連れ戻しに飛んでくるなんてよ、普通じゃねぇぞ。クレムリンの壁に立ちションでもしたか?」
「……」
「……相棒の無礼はお許し願いたい、大尉。生まれつき猜疑心の強い男で何かと……」
映画「レッドブル」より
キエフ風カツレツとは、ロシアやウクライナを中心に親しまれている鶏肉料理である。
英語圏では「Chicken Kiev(チキンキエフ、チキンキーウ)」とも呼ばれる。
鶏むね肉でバターを包んで、パン粉をまぶして油で揚げたもの。カツレツの一種。
バターにはパセリやハーブ、レモン汁などが練り込んであることが多く、暖かいキエフ風カツレツを切るとバターソースとなって出てくる。
発祥の地はウクライナ、ロシア、フランス、アメリカ等諸説あるようだが、基本的にはウクライナやロシアの料理として認識されている。
ちなみに冒頭で述べた通り、キエフ風カツレツは英語圏で「Chicken Kiev」と呼ばれるが、英語圏において「チキン (chicken)」は「臆病者」を指すスラングでもある。そこに引っ掛けて、某政治家の行った演説を揶揄して「“Chicken Kiev” speech(『キエフ風カツレツ』演説)」と表現した事例もあるようだ。
日本国内では外食チェーンの「松のや」が、2021年に「松のやで世界の味~ウクライナ編~」として、期間限定メニュー「チキンキエフ定食」を発売したことがある。そのほか、コンビニチェーンのミニストップではホットスナックとして「チキンキーウ」を販売している(一部販売終了店舗あり)。レシピも公開されているため、料理の心得のある方は自作してみてはいかがだろうか。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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