- グレートアイザーとは、特撮番組「仮面ライダーゴースト」のキャラクターである。
声の担当は藤巻勇威。
概要は全知全能の存在! 世界を変える!
前身は「ガンマイザー」という一種の防衛プログラム。
全ての願いを叶えるシステム「グレートアイ」を守護するために生み出されたガンマイザー。
しかし様々な問題を抱えていたため仮面ライダーゴースト・天空寺タケルと対立。
激闘のすえ追い詰められるも、あと一歩という所で再生を果たしグレートアイ等を吸収。
本編最後の敵、グレートアイザーとしてタケルたちの前に立ちはだかり、そして……。
そこで見ているがいい、本編での活躍を!
タケルがそれまで命を燃やし証明し続けてきた「人間の無限の可能性」を危惧したグレートアイザーは、
「人間は不確定な要素が多すぎる! コントロール不能で、何と不合理な存在だ! 消去だ!」
と判断、人類抹消を開始。
タケルたちのアジト・大天空寺の破壊を皮切りに、
- 夜を昼に変える。
- ゴーストの必殺技6連撃をものともせず一撃で変身解除に追い込む。
- 2号&3号ライダーであるスペクターとネクロムのダブルキックをたった一薙ぎで跳ね返す。
- 巨大化し街に甚大な被害をもたらしただけでは飽き足らず数多くの人間の肉体を消去(眼魂(アイコン)化)。
- タケルたちに味方する怪人や幹部(キュビ・音符眼魔・ジャベル)すら次々と眼魂に……
といった本編最後の敵に相応しい凄まじい暴れぶりで一度はタケルすら絶望の底に突き落とした。
だが両親の愛に気付き奮起したタケルの一撃によって形勢は逆転。
巨大化を解除されたグレートアイザーはタケルと15人の英雄の連携の前に敗れ去るのであった。
と、活躍だけを羅列すれば歴代のボスと遜色ないグレートアイザーであるが、様々な問題点が指摘されている。
後述するそれらの中で最も大きな物は「滑舌」であろう。
声を担当した藤巻勇威氏は子役だが12話から既にグレートアイザーの母体・「グレートアイ」を演じている。
故に引き継ぎ自体は決して不自然なコトではないが……『本編最後の敵』としては
「威圧感が足りない」
「何を言っているのか分からない」
と困惑する視聴者が続出した。
天空寺タケル! お前が私に語録させたのだ!
- にんべんは、不確定なヨウ素がOHスリル! 紺とロール富豪で、南斗フゴおりな存在ら! 消去ら!
- 私は全治ズェンノーノそんらい! 世界を蛙! \(凹)/
- └(凹)┘ ンンンンンン・・・ ←笑い声
- てんく蛆たける? お前が私にケツダーさせたのら!
- お前が示したにんげnの可能性、KAZUKAZUの奇跡! 私にとっては脅威れしかない!
- 私にはにんげの力なろキカナイ!
- そこで見ているがE! にんげnの未来を!!
- ( ◎) パ-ン
⊂彡☆))Д´) ))Д´)
- やはり、キサマ殻、しょーきょ、するべきだった。
- 垂れるは俺に取っ手! AU弾!! (タケルの仲間たちにも感染)
- ( 凹) あぁん♥(16人の激しい責めに腰が砕ける)
- ありえない! にんげnとわ!
数々の問題! 私にとっては脅威でしかない
- 棒読み。「だ」が「ら」にしか聞こえない発音。
しかしこれはまだ幼い藤巻氏に突然ラスボスを任せた体制にこそ問題があるだろう。
同じく子役の方がラスボスだった555はちゃんと途中から参加させていた。
そういう”慣らし”も無しに説得力あるラスボスを演じろという方が無茶である。
- 説明不足。
グレートアイ吸収時、「フレイヤ」という番外編のキャラも取り込んでいた理由や経緯が一切明かされていない。
- スーツ。
グレートアイザーのスーツは夏のゴースト劇場版最後の敵「仮面ライダーエクストリーマー」と酷似している。
(そちらは黒基調に金、こちらは金基調に黒と差別化されているため判別自体は容易い)
しかし何故そっくりかという理由付けがなく、そのため使いまわし感が非常に高い。
なお平成ライダーにおいて劇場版のラスボスがそのまま本編最後の敵を兼務した例はない。
(近い例に仮面ライダー鎧武最終回登場の「邪武」が挙げられるが、こちらは本編終了後の番外編の敵である。
仮面ライダー響鬼は本編・劇場版とも「オロチ」がラスボスであるが、前者は大量の魔化魍が出現する一種の現象、後者は龍の怪物である)
- 全知全能にも関わらず、バイクに、追いつかれる。
ありえない! 再評価とは!
と以上のように、母体となったガンマイザーの如く様々な問題点を抱えているグレートアイザー。
だがデザインの元となったエクストリーマーの造詣については高く評価する声が多い。
「見た目だけなら」グレートアイザー、決して「誰が見てもカッコ悪いラスボス」ではないのだ。
滑舌を気にせず見れば
「ゴーストの攻撃を真向から切って落とすヒロイックさ」
「華麗なマントの如く翻るローブのスタイリッシュさ」
「必殺技の数々をうけてよろめくだけ、吹っ飛ばない」
といったラスボスの貫禄に気付かれるだろう。
監督や演出、中の人は何もかも手を抜いた訳ではないのである。
話さえ良ければ「必殺技連発に耐える」「サブライダーを一蹴」といった要素も映えたであろう。
- タケルが奮起した”だけ”であっさりと一撃を許し轟沈する巨大化形態・アイザージャイアント。
- 実質最終回にも関わらず大した見せ場もなくわずか1発で戦線離脱するスペクターやネクロム。
といったマズい要素さえなければ……。
巨大化を破られてからはタケルと英雄達に防戦一方のむきが強かったが、しかし考えて欲しい。
そもそもグレートアイザーは、大ダメージを受けた体で、16人がかりの猛攻を受けていたのだ。
ゴーストが春に共演した1号が漫画版で徒党を組んだショッカーライダー12人に殺されているのを考えるとライダー世界の数の暴力は戦隊以上の重さがある。
実際、平成ライダーにおけるラスボス戦は基本タイマンだったにも関わらず「16対1」である。どっちが悪役だ。
だがそんな逆境の中、グレートアイザーは
ムサシに火花散る一撃を貰うが回りこんできたロビンには問題なく対処。
↓
グリムに押さえ込まれたせいでツタンカーメンに一撃貰うが押し返し、入れ替わりで襲来したニュートンも防ぐ。
↓
ビリー、フーディニ、サンゾウの3人がかりの連携を捌き切る。
↓
ゴエモン・ベートーベンに押さえ込まれながらも背後から来るエジソンに対応。
↓
ヒミコ・リョウマ・ゴーストのトリプルキックによろめきながらも
↓
ベンケイの間髪入れぬ追撃を一度は防御、殴り飛ばされるも回転で威力を殺し、
↓
次のノブナガにヒザを貰うまで数合だが持ちこたえる。
といった大健闘を演じている。
最後のライダーキックを除けばクリーンヒットは7~8回程度。
総勢16名もの敵が襲い来る乱戦の中、たったそれだけの被害で済ませたのだ。
しかもダメージソースの大半はゴースト、初撃以外はほとんど英雄たちの作ってくれた隙頼りである。
(ビリーたち3人の攻撃中、後ろの方で出番待ちのゴーストがチラチラ映っているのはご愛嬌)
更に付記すれば、仲間の協力なしのガチの1人で入れた英雄はいない。
主人公(タケル)の相方であるムサシですらゴーストの攻撃でよろめくグレートアイザーに追撃してやっと「ガードで上がった腕に強めを一撃」である。
(むしろなんでツタンカーメンが腹パンできたか不思議である。
他に当てられたのはヒミコ・リョウマ・ベンケイ・ノブナガといった日本勢なのになんでツタンカーメンだよ。
ゴエモンにしようよ纏まりないよ)
グレートアイザーもまた素材の良さを活かしきれなかったゴースト後半戦の犠牲者……かも知れない。