サイコアーマーゴーバリアンとは、1983年7月6日~同年12月28日にテレビ東京系列で放送されたテレビロボットアニメである。全26話。企画・制作はナック。
原作クレジットは永井豪とダイナミック企画で、メカデザインも担当している。
ストーリー
異次元宇宙からの侵略者ガラダイン軍が地球に現れた。地球防衛軍は歯が立たず地球の危機が訪れる。 異次元の科学者ゼクー・アルバは地球の超能力者サイコ・ジェネスを集め、サイコパワーにより無から創造される巨大ロボ・サイコアーマーで対抗する。サイコアーマー・ゴーバリアンを生成させた主人公イサム・ナポトは、ガラダイン軍との壮絶な戦いに巻き込まれていくのだった。
概要
地球の超能力者チームと侵略者ガラダイン軍の戦いを描いたロボットアニメ。 双方のロボットはサイコアーマー(ガラダイン側はジュノサイダーとも)と呼ばれ、科学的な設計データを基にサイコ・ジェネシス(超能力者)のサイコパワーで生成される。
サイコアーマーは元々異次元宇宙の技術であり、主人公イサムが生成したゴーバリアンの設計データは対ガラダイン軍レジスタンスの科学者ゼクーによって地球にもたらされた。
大きな特徴は機械的なロボットでありながらサイコ・ジェネシス=パイロットのサイコパワーと設計データの記憶がある限り破壊されても修復や再生成が可能で、さらにパイロット自身の超能力が成長すればパワーアップすること。
ただし、サイコパワーが衰えると生成不能になったり、出来損ないのロボットになってしまう欠点もある。ロボットを超能力者が生成する点や、超能力による武装などは当時としては珍しいと思われる。
物語はシリアスでハードな路線だったが、作画がお約束のナッククオリティであったこともあり、裏番組に押されて人気はあまり芳しく無かった。(ちなみにその裏番組とは「うる星やつら」である)
なお、主役ロボのゴーバリアンの顔がどう見てもマジンガーZに見えるのは、ナックがダイナミックプロにデザインを発注する際「マジンガーZで!」と指定したから、というのが定説である。 マジンガーZの系譜を語る際に時々名前だけは挙がるものの、当然ながらマジンガーシリーズとは関係が無い。
しかし、OVA「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」のダイナミックロボ大集合な特典映像にはしっかりと登場しているので間違いなくダイナミックファミリーの一員である。
主題歌(OPとED)と挿入歌はどれも80年代アニソンの名曲として知られており、ゴーバリアンと言えば内容よりOP詐欺の代名詞としてのほうが有名であった。作曲はなんと、元LAZYのキーボード担当にして現ランティス社長の井上俊次であったりする。
かつてはマイナーアニメとしてのみ、アニメファンの記憶に留められてきたが、現在ではDVD-BOXが発売されており、廉価版やネット配信もあるので比較的見やすい環境の昭和ロボットアニメといえる。
・・・もちろん見やすいというのは作画的な意味合いは全く含んでいないのであしからず。
登場人物
グランドーのクルー
- イサム・ナポト CV平野義和
本編の主人公。
性格は比較的おとなしく真面目だが、戦いになると持ち前の正義感で真っ先に前線に立つ正統派主人公。
元々超能力に覚醒していたのか、ガラダイン軍の襲撃により危機に陥った母と妹を守るために覚醒したのかは劇中言及されないが、燃え盛る家屋を根こそぎ吹き飛ばす程の強い念動力を持つ。
しかし時すでに遅く、母と妹ノリコを守れなかったイサムは自らの超能力に導かれるままに仲間たち、そして元ガラダインの科学者ゼクーと出会い、自らの意志でガラダイン帝国との戦いに立ち向かっていく。
その際限なく成長する念動力はサイコアーマーゴーバリアンを通してその力を如何なく発揮した。
- リサ・アチカ CV三浦雅子
本編のヒロインその1
強いテレパシー能力と読心能力、サイコ・ジェネスにより何もない所に一輪の花を生み出すという能力を持つ。
どこか儚げで控えめな雰囲気を漂わせているのは他人の心を読めるという特性のせいかもしれない。
主に戦力が整うまでは一人で前線に立っていたイサムのメンタルケアをしていたせいか、割と早い段階でいい仲になっていた(多分これも心が読めるせい)
EDは彼女の独壇場である。
- クルト・バスター CV竜田直樹
ガラダイン軍と交戦した空軍から参戦した超能力者。
現行兵器では太刀打ちできないはずのガラダイン軍に一矢報いるほどの腕を持つ凄腕パイロット。(その戦闘力こそが彼の超能力である。)トンガリの助力を得てサイコアーマーレイドを誕生させ、そのパイロットを務める。
元から軍属、ひいては軍人の家系であるせいか、メンバーのまとめ役として機能していた。
急に何の前フリもなくリサにほのかな恋心を抱いていたことが明らかになる(まあそのリサが心読んでしまった結果なのだが)。
- カリム・アトラス CV福士秀樹
この作品における脳筋巨漢ポジ…もといパワーキャラ担当。
肝心の超能力もサイコ・ジェネス以外は身体強化ぐらいしか劇中では確認できない。
単細胞で直情的ゆえに突っ走りがちだが、言い換えれば一途な性格とも言え、その一途さで最終的に大金星を得る(これ殆どネタバレかなあ・・・?)
サイコアーマーガロムの創生者にしてパイロット。
ライラが好き。
- ハンス・シュルツ CV堀内賢雄
初期メンバーでは最後に姿を現したメンバー。
かなり斜に構えた性格で初期は皮肉と揚げ足取りばかりでメンバー内の空気を悪くしていた。とくに単細胞のアトラスとは犬猿の仲だった。
が、とあるメンバーの死をきっかけに変わり始める。(こいつの説明をするとどうしてもある程度のネタバレが前提になるのが困る。)
- ライラ・スワニー CV室井美雪(美雪さなえ)
本編のヒロインその2
強い予知能力をもち、その能力を生かしてグランドーのレーダー回りを担当する。
勝ち気だがどこか聡明で育ちの良さをうかがわせる。その上行動力もあり、有能。ヒロインのお手本のような人だがイサムとは特に何もなかった。(一応父親と確執があるという共通点はあったが)
男を顔で判断しないライラさんマジ女神
- ピケ CV秋山るな
- プケ CV立川千晶
南国出身の双子姉妹。年は5,6歳と推測される。
ヒロインではなくマスコット枠なのであしからず。
念動力で自分たちの島にバカンスに来た観光客に悪戯するのが日課だったが、その強い超能力に目を付けたゼクーに誘拐される(おい)
イサムと共にゴーバリアンを創生し、初期のゴーバリアンのピンチには自分たちのサイコパワーを送りパワーアップに一役買っていたりもした、がイサムの超能力が跳ね上がるとついていくのも苦労するようになった。
が、それでお役御免ではなく、後半ではグランドーの機銃で積極的に戦闘に参加するなど全編にわたって元気な姿を見せてくれる。
- トンガリ CV大原美佳子
中国出身の5,6歳の少年。
目の前で両親を殺され、自身の超能力で応戦するも歯が立たず、危なくなったところをイサムに救われる。
バスターと共にレイドを作り出し、その後も仲間のサイコアーマーを修復するいわゆるメカニック的な役割を担うが、後半イサムたちの超能力が成長するとその機会も減る。
- ミッキー・カミカワ CV竜田直樹
なんで加入したのかよくわからない新メンバー。
超能力の潜在能力はそこそこの物を持っているようだが、臆病なくせにいろんな事に首を突っ込みたがる性格で足を引っ張ることもしばしば。
女湯は十歳以上禁止に決まってんだろjk
- エリナ・パルチ CV不明
ミッキーよりさらに後に加入した追加メンバーのひとり。
けして第三のヒロインなどではない。
軽い性格で何を考えているのか分からない。本人いわく、
「何も考えてません!(てへぺろ)」
所持能力は記憶力が異常に良い事、らしいのだがその能力を披露する機会は残念ながら無い。
イサムやハンスをはじめ、パルダー、果てはアトラスにまで色目を使うので言い訳できないビッチ臭がやばい
好き嫌いがはっきり分かれるキャラである。
- パルダー・ナト CV山田栄子
追加メンバー3人組の一人で銀髪の少年(初登場はなぜか茶髪だったが)
天文学者を夢見る気の優しい少年だが慎重さをロスあたりに臆病と揶揄されることもしばしば。
この3人、かなり個性はあるのだが登場時期が遅く、番組が打ち切りを食らったせいで活躍の機会が少ない。
せめてもう1クールあれば第4のサイコアーマーも登場し、活躍できたであろう事が予想される。
- ロス・コガロ CV塩谷翼
追加メンバー3人組の一人で血気盛んなアフロ少年(なぜか短パン)
人一倍ガラダインに対する憎しみを露わにし、早く戦いたい!と闘争心をむき出しにしている。
が、彼がそうなったバックボーンなどは一切説明が無いのでやはりもう1クールあれば・・・
- ゼクー・アルバ CVたてかべ和也(旧ジャイアン)
ガラダイン帝国から反逆し地球にやってきた科学者。
自身も(衰えを感じているとはいえ)強大な超能力を持っている。
サイコアーマーのデータをイサムたちに託しながらも冷静かつ理知的で合理的、ともすれば非情ともいえる戦略でイサムたちを導くが、犠牲を覚悟することを促すことは有っても犠牲を強いる命令を下したことは無い。
ちなみにEDのキャスト順はなぜか彼が1番である。
- オルドン CV竜田直樹
ゼクーと共にやってきたガラダイン産の謎生物。
高い知能を有し人の言葉をしゃべり、さらに強い超能力をもつ有能なペット枠。
EDのキャスト順はなぜか3番。
ガラダイン帝国
- メリア CV大原美佳子
ガラダイン軍の先兵にしてゴーバリアン最初の相手。自軍では最強の女戦士として名が通っている。
好戦的な性格で地球側の予定外な対抗戦力であるゴーバリアンに敗北するものの、好敵手が現れたことに狂った喜びを見出していた。・・・が、敗北を重ねる内に自軍での地位は堕ち、恥をかかされたゴーバリアン、味方であるはずの自軍にさえ憎しみを抱きジェノサイダー(ガラダイン軍メカの総称)1機を強奪して一人の戦いを始めだす。
そんな本末転倒な行動が長続きするはずもなくマシンをも失った彼女は頼るものもない地球で一人彷徨う事になるのだが・・・。
- クリスト CV井上和彦
ガラダイン軍地球攻撃隊長。
本作における美形ライバルポジション(ただしスキンヘッド)
戦いを好む好戦的な性格と確かな戦闘力で幾度もイサムたちを苦しめる。だが、戦いのさなか味方に嵌められて一時地位を追われ失脚しかけるが、狡猾な手段で再び登り詰め、最高司令官となる。
後半は戦士としての側面は薄れ、強大な力を使うことに喜びを覚える支配者としての面が強くなっていった。
- ドムソン CV鈴置洋孝
ガラダインの地球攻略前線基地デモンドスの指揮官。
いずれ自分が皇帝の座に付こうと機会をうかがっている。
姑息だがそれなりに強い妖能力(ガラダイン側の超能力)を持っている。
- ダムーラ CV不明
移動要塞ダインガラームの責任者。クリスト、ドムソンの上司。
柔らかくも人を見下したような物腰からインテリ系の人物と思いきや、生身での戦闘力も凄まじく、イサムたちと超能力合戦を繰り広げる。
- ガラダイン皇帝 CV上田敏也
全ての元凶。ガラダイン帝国の最高権力者。
表向きは失われつつあるガラダイン帝国の資源確保のための地球侵攻(ただしその資源は自分の欲望による無駄な浪費に過ぎない)だが、
(以下ネタバレに付き反転)
その真意はただ単に地球を自分のコレクションにしたいだけと言う
(ナック名物)キチガイ惑星コレクター
のわがままである。
コレクションされた惑星は次元移動装置によってガラダイン本星の衛星にされ、抵抗した星は爆破される。
自らのサイコジェネスにより生み出した妖精(っぽいもの)ミリ・リーを常にそばに置いて可愛がっている。
(確かにかわいらしいのだが、所詮オッサンの妄想の産物という事は頭に置いておくべきである。)
実は既婚者らしく、劇中1度シルエットで奥さんが出てくるのだがそれ以降は出てこない。
もしかしたら真の黒幕は・・・
ちなみに・・・キャスト順はなぜかゼクーの次の2番である。(イサムは4番目)
しかも、この作品のEDは1話からずーっとテロップが更新されることが無いので、皇帝が出ていようが出ていまいが変わることなく2番目である。(CVに何人か不明がいるのもそのせいである。)
サイコアーマー
- ゴーバリアン
- ゴーバリアンダガー
- レイド
- ガロム
- グランドー
- バリホーク
- バリホーク・ハイポテンシャル
主題歌
- オープニング:『孤独の旅路』 作詞 - 貴智明/作曲 - 井上俊次/編曲・歌 - ネバーランド
- エンディング:『ララバイ』 作詞 - 貴智明/作曲 - 井上俊次/編曲・歌 - ネバーランド
作曲の井上俊次は、元LAZY(キーボード担当の"Pocky")であり、なんと現ランティスの社長である。 (LAZYは影山ヒロノブがボーカルをしていたロックバンド。1980年前後にはアイドル的人気を博していた) ネバーランドは元LAZYの井上俊次と田中宏幸(ベース)が組んで結成されたバンドで、ボーカルは貴智明である。 どちらも名曲なのでロボットアニメファンならずとも一度は聞いてもらいたい。
※主題歌CDは発売されなかったが、2009年に出た「ロボットアニメ大鑑 上巻」にOP、ED、挿入歌が収録されている。
関連動画
OPの『孤独の旅路』は、どんなアニメのOPと合わせても何となく噛み合ってしまうため、OP差し替えMAD界隈では「ゴーバリアン万能説」と呼ばれ畏れられているらしい。
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関連コミュニティ
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関連項目
- ナック
- ダイナミック
- OP詐欺
- 井上俊次
- マジンガーZ
- アストロガンガー(ナックのロボットアニメ)
- グロイザーX(ナック&ダイナミックのロボアニメ)
- バトルホーク(ナック&ダイナミックの特撮ドラマ)
- アニメ作品一覧