ベーシック・インカム

ベーシック・インカムとは最低限所得保証制度の１つである。

概要

ベーシック・インカムとは、basic（基本的）income（収入）つまり政府が性別、年齢に関わらず無条件で、すべての国民に生きるのに必要な最低限の金額を支給するという制度である。

ベーシック・インカムの導入で果たされるとされる事例

「とりあえず死なない」

生きていく中で、最低限の生活を送る事ができる資金が配分されるので、飢えてしまうという事がなくなる。

「無意味な労働が減少」

言ってしまえば公共事業等は、無理矢理にでも雇用を増やしている訳であるが、直接労働者に給与する事が可能であれば、「無意味に労働」する意味もなくなり、無駄な労働、しいては環境面からも良いとされる。

「社会保障制度のコスト減少」

病気、怪我、貧困など様々な状況によって細かく給付金を設定したり、それらを判断、調査するために多大なコストが必要になっているが、ベーシック・インカムによって一括して給付し、コンパクトにする事が可能である。

ベーシック・インカムの導入で問題視される事例

「誰も働かなくなるのでは？」

そもそもなぜ働くのか考えてみると、働かないと物資そのものがないからであって、今日の日本は十分どころか、過剰に余る状況であるのが実際のところである。であるならば、すべての人が働かなくて良い訳でもある。

「生き甲斐がなくなるのでは？」

ベーシック・インカムは労働と競争を否定している訳でないので、「社会で働く事が生き甲斐につながる」と考える人は、働いても良いのである。

「１日で使い果たすのでは？」

使い方は国民に委ねられているため、１日で使い果たしてしまったり、ギャンブルに注ぎ込んでしまったりと、様々な事が予測されるが、現在のギフトカードや旅行券のように、使い道が制限される資金を提供すれば解決される問題である。

「どこにその財源があるのか？」

現在、様々な研究者や著名人が財源確保のシミュレーションを行っている。主な発表を下記に示す。

堀江貴文案（対談の中でのざっくりした計算）

年金から10兆円、生活保護と合わせると13兆円ぐらいいけるかな。そして、公共事業を10兆円減らせば23兆円。さらに防衛費を減らして25兆円。で、消費税(率4倍の)30兆円で55兆円。55兆円プラス、公務員の削減（＝公務員半減）ですね。「やさしいベーシック・インカム」254ページより

小飼弾案

相続税100%で80兆円。(現在は1.5兆円程度)
「働かざるもの、飢えるべからず。」より

小沢修司案

所得税の控除を廃止し、総所得総額257兆円に一律45%の所得税をかけて115兆円。
または所得控除の廃止で20兆円、年金などを廃止して70兆円。
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関曠野案

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古山明男案

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ゲッツ・W・ヴェルナー案

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社会主義とベーシック・インカム

ベーシック・インカムに関わる議論の中で、しばしば社会主義と同じではないかという意見が見られる。社会主義が上手くいかなかった事例として、そもそもの物資が足りなかったからだとも言える。しかし、物資が十分に生産されているという条件があれば、この点は問題にならない。また、社会主義はみなが平等であるべきで、一方が勝利し、一方が敗北する市場はおかしいと考え、競争を否定していたが、ベーシック・インカムでは競争を否定も肯定もしていない。つまり、ベーシック・インカムの中で競争が起こったとしても、敗北した者にも、とりあえず生活に困らない資金はある訳である。結果、今までの、競争によって人々が豊かになる、という考えもあるなかで、たとえ敗北してしまっても、最低限の生活は保証されているため、すべてを失う状況にはならない。「とりあえず死なない生活」が人々の願いだとすると、ベーシック・インカムはまさに理想的な政策であると言えるのではないか。

その他

「労働とは何か」

労働とは、生産し収入を得る事が目的であって、すべての人が従事することが目的ではない。

「ニート」

労働をしなくても生きていける世の中である。という事は、ニートが存在、増加している国は、労働に従事しなくても良い状況であり、恵まれた国であると言っても良いのでは。

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関連項目

• 負の所得税
• 生活保護
• 年金
• 貧困