ロト(旧約聖書) 単語


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ロト

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ロトとは、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教といった「アブラハムの宗教」の聖典に登場する人物である。

概要

ユダヤ教において非常に重要な預言者「アブラハム」の甥である。堕落した都市「ソドムとゴモラ」が神(Y・H・V・H・)に滅ぼされる際、天使によって脱出させてもらったエピソードがよく知られている。

元々はユダヤ教の聖典に登場する人物である。ユダヤ教から派生した宗教であるキリスト教でもユダヤ教の聖典は「旧約聖書」として受け継がれた。そのため彼はキリスト教においても尊ばれており、キリスト教独自の聖典「新約聖書」でも彼の事を引用している箇所がある。ユダヤ・キリスト教から派生したイスラム教においても聖典「クルアーン」に登場し、敬されている。

名前をヘブライ語で書くと「לוט」。意味は「覆い」「ベール」「隠された」といった感じらしい。

現在の日本においてはユダヤ教の聖典より、キリスト教の「旧約聖書」の方が広く出回っており参照しやすい。そのため、下記の内容は主に旧約聖書の記述に基づく。

創世記第11章~14章:アブラハムの甥

創世記11章~14章では、彼自身のエピソードからと言うよりも、神から啓示を受けた最初の預言者「アブラハム」の甥として脇役的にちょこっとだけ描写されている。

最終的にはヒーローに助けられる囚われのヒロイン的ポジションになる。

創世記第11章

ノアの方舟の大洪水の後、バベルの塔の建設が神によって停められて更に後の時代。ウルという土地に住んでいたテラという男が、カナンの地を目指して旅を始めた。

テラはその旅に、息子のアブラム(後のアブラハム)、アブラムの妻のサライ(後のサラ)、孫のロトを連れていく。ロトはアブラムの弟であるハランの息子、つまりアブラムの甥にあたる。彼ら4人はカナンへの道の途中である土地に一時定住し、テラはそこで死ぬ。

創世記第12章

だが神はアブラムに「いろいろすごいことしたるから、こんなところに居らんとカナンに行け(要約)」と告げる。これに応じてアブラムとサライは再びカナンに向けて出発し、ロトもそれについて行く。

カナンに着いた後、一行は飢饉のせいでエジプトに行ったり、美人だったサライがエジプト王ファラオに目を付けられてNTRされかけたりなんやかんやあるが、ロトには関係ないので省略する。

創世記第13章

神の助けによりエジプトでのNTR展開から辛くも逃れてカナンの地に戻ったアブラム、サライ、ロト。

みんなで裕福になったが、アブラムの使用人とロトの使用人が争い始めた。アブラムは争いを避けるため、ロトに別れを提案する。ロトはこれを受け入れて、ソドムという街に移住した。

ところがこのソドムと言う街の住民たちは、すごく悪い奴らだったんだ。どう悪かったのかは後で出てくる。

創世記第14章

いろんな街同士の戦争が起きて、ロトの住むソドムも敵軍からの略奪にあう。そしてロトも敵軍に捕えられてしまった。

それを知ったアブラムは颯爽と配下を連れてロトを助けに行き、敵軍を破ってロトを無事救出する。

創世記第19章:踏んだり蹴ったり

創世記19章でのロトは、これまでとは打って変わって主役級の扱いである。

だが、家は失うわ、妻は塩の柱になって死ぬわ、実の娘たちに昏睡レイプされるわ、とにかくひどい目にあう。

創世記第19章

ソドムとゴモラは滅ぼされることになった。なんでそうなったかって?ロトに関係ないから省略した第15章~第18章の間に、神がそう決めたのだ。ちなみにゴモラも街の名前だ。

神はソドムに二人の天使を遣わした。ソドムの門で彼らを見つけたロトは、彼らを神の使いと察してひれ伏し、彼らを自分の家に招き入れて歓待した。しかし夜になると、ソドムの街のあらゆるところから老いも若きも住民の男たちがぞろぞろ出てきて、ロトの家を取り囲む。戸口に出てきたロトにソドムの男たちは言った。

「今夜お前んとこに来たあの野郎共、出して俺らに会わせろや。そしたら俺ら、あの野郎共を知る(意味深)からよ」

これにロトはこう返した。

「私には、まだ男を知らない(意味深)娘が二人おります。娘たちをあなた方に差し出しますので、どうかあの方々には何もしないでください」

だがソドムの男達は女よりも男の方が好みだったのか、「よそ者のくせに生意気なんだよ!」とロトの申し出を断ってロトの家の扉を破ろうとした。

だが、二人の天使はあっさりロトを救出しソドムの男達を撃退。そして、ロトに「これからソドム滅ぼすんで。身内とか居るなら一緒に逃げた方がいいよ?」と告げた。これを聞いてロトは、娘たちをめとる婿たちに一緒に逃げるように誘いに行った。しかし、彼らはロトの言葉を信じなかった。

朝になって天使たちは、「早く逃げないとお前たちも巻き込まれるよ」と急かすが、ロトはまごついている。仕方なく天使たちは、ロト、その妻、二人の娘の手を引いてソドムの街から逃げ出させた。その時天使は「振り返って見てはならない」と言った。

そして神は、ソドムとゴモラの街に硫黄と火の雨を降らせ、これらの街の全ての建物、住民を滅ぼした。

ロトと二人の娘は助かった。だが、ロトの妻は天使の忠告を守らずにその光景を振り返って見てしまい、塩の柱と化してしまった。

ロトは小さな町に逃げ込んだのだが、その町に住むことを恐れるようになり(何が怖かったのかは聖書にも記されていない)、町から出て二人の娘とともに洞窟に住むようになった。

その洞窟での生活の中で、ある日二人の娘の内の姉が妹にこう言った。

「この洞窟にはお父さんしか居ません。こんな洞窟には他の男が訪ねてくることはありません。じゃあ仕方がないからお父さんを酔い潰して、それからお父さんと寝ましょう。そうすればお父さんの種(意味深)を授かるでしょう」

二人はこの恐ろしい計画を実行。一晩目の姉の時にも、二晩目の妹の時にも、ロトは完全に意識を失っており気付かなかった。そして二人の娘は父親の息子を孕み、出産した。

クルアーン

イスラム教においても重要な人物と考えられており、クルアーンではロト(ルート)は預言者の一人として扱われている。悪徳に染まった街に神の教えを告げるために遣わされたとされる。

史跡(あるいは単なる観光名所)

ロトが住んでいたソドムの跡地、ロトの妻が変化した柱、ロトと娘2人が住んでいた洞窟は、現在もイスラエルやヨルダンで公開されている。

ただし信憑性は不明。

「ロトの妻」は「塩の柱」になったはずだからそんなもんが数千年も残るか?と言う気もするが、塩湖である死海の近くにあり、いわゆる「岩塩」でできた岩柱らしい。

関連項目

  • 旧約聖書
  • ヘブライ語
  • キリスト教
  • イスラム教
  • アブラハムの宗教
  • クルアーン
  • Y・H・V・H・
  • ソドム
  • ゴモラ
  • 天使
  • 近親相姦
  • 逆レイプ
  • ロト(曖昧さ回避)

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