偽街の子供達 単語


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ニセマチノコドモタチ

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ネタバレ注意 この項目は、『まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』のネタバレ成分を多く含んでいます。
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色から生まれ空にはあらず、此岸の淵こそ我らが舞台

偽街の子供達とは、『劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』に登場するキャラクターである。
魔女文字による表記は「 CLARA DOLLS」(ラテン文字転写:clara dolls、カナ表記:クララドールズ)。

概要

偽街の子供達。その役割は泣き屋。
葬列を盛り上げるために涙の芝居をする着せ替え少女人形、やって来た人形どもは
イバリ、ネクラ、ウソツキ、レイケツ、ワガママ、ワルクチ、ノロマ、
ヤキモチ、ナマケ、ミエ、オクビョウ、マヌケ、ヒガミ、ガンコ、
最後のアイはまだ来ない。
「色から生まれ空にはあらず、此岸の淵こそ我らが舞台」
そのちからは魔法少女にも劣らない。

(『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』特典の魔女図鑑より)

『劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』で、見滝原市内に出てくるキャラクター。

その正体は、くるみ割りの魔女Homulilly(魔法少女まどか☆マギカ)の使い魔の一種で、14+1人で構成される。ドイツ語を話し、声優もネイティブを使っている。

メンバー紹介

偽街の子供達。その役割は泣き屋。葬列を盛り上げるために涙の芝居をする着せ替え少女人形。

  1. イバリ
    1.イバリはじめに来たのはイバリ。
    地べたに転がるデキソコナイの頭を踏み越え、勇ましくその声を代弁する。
    「こうまんちきども。ゆるすものか。この感情は、わたしらだけのもの」
  2. ネクラ
    2.ネクラ2番手はネクラ。
    コソコソと歩み出て、デキソコナイをあざ笑う。
    「このデキソコナイは。まるでみっともない」
    この人形どもは、自由だけを師事し欲望に忠実。

     
  3. ウソツキ
    3.ウソツキ次は3人目のウソツキ。
    デキソコナイの魂へ捧げる涙の芝居。
    「哀れなデキソコナイ様。愚かなその魂は、我等が誇り」
    この人形どもは、愚か者を嘲笑し愚か者を味方する。
  4. レイケツ
    4.レイケツその後ろからは4人目、レイケツ。
    デキソコナイの頭につまづいてちょっと不機嫌。
    「デキソコナイ様をもっと持ち運びやすくするためにちいさく切り分けてしまうのはどうカシラ?」
    この人形どもは、悪魔の言葉であれば素直に従う。
  5. ワガママ
    5.ワガママさらに5番目、ワガママは怒りながら歩く。
    「葬列はまだなの?わたしいっとうはやく泣けるよう練習したのよ?もうちょっとも待てないわ」
    とプリプリ。この人形どもは、誰かであって誰でもない。
     
  6. ワルクチ
    6.ワルクチ面倒そうに出てくるのが6人目、ワルクチ。
    憎まれ口は相変わらず。
    「デキソコナイ様は、たいへんな喜劇役者であらせられますワ」
    この人形どもは、絡まり極まる因果のママゴト。
  7. ノロマ
    7.ノロマようやく到着した7人目、ノロマ。
    無口な人形はその瞳で魔女を笑う。
    この人形どもは、生真面目な兵隊とは違い魔女の願いもそこそこは聞き入れる。
  1. ヤキモチ
    8.ヤキモチ8番目に見えるはヤキモチ。
    うっとりと空を見る。
    「箱を用意しましょう。あの輝きをずっと閉じ込めておきたいワ」
    この人形どもは、色の集合。空にはあらず。
  2. ナマケ
    9.ナマケ9人目のナマケはあくび混じりに喋る。
    「お遊戯の手伝いまでしなきゃいけない の?編み物なんてめんどり面倒」
    邪魔に転がるデキソコナイの頭をひと蹴り。
    この人形どもは、葬儀がちっとも始まらないので暇を持て余し街を徘徊する。
  3. ミエ
    10.ミエ10番目に走ってきたのはミエ。
    デキソコナイの頭を大げさに避けて一言
    「べとべとした血でケープを汚されてはたまらないワ」
    この人形どもは、魔女の自傷を馬鹿にする。
  4. オクビョウ
    11.オクビョウ11番目、震えているのはオクビョウ。
    「お空へ連れて行かれては、うさぎの首も刎ねられない」
    この人形どもは、魔法というちからで完全な回帰を実現する。
     
  5. マヌケ
    12.マヌケふらふら歩いてきた12人目、マヌケ。
    さっき鳥から聞いた事をわざわざみんなに話して回る。
    「女神様のお話を聞いたの。美しく輝く女神様よ。女神様はきっと私たちのことも愛してくださるワ」
    この人形どもは、手が届くものだけを欲しがる。
  6. ヒガミ
    13.ヒガミ13番目の足音はヒガミ。
    「いつかお話で聞いたみたく素敵な葬列にしましょう。きれいな娘もかわいい動物も一緒にたくさん埋めましょう」
    この人形どもは、魔法少女にも劣らぬちからを持つ。
  7. ガンコ
    14.ガンコそして14人目、ガンコ。
    地を指し空を拒絶する「此岸の淵こそ我らが舞台」
    さあ 泣き屋達は集まりました。
    ずいぶん遅くなったけれども大丈夫。
    あとは葬列を待つばかり。
  1. アイ
    15.愛15番目、最後に来るのが、アイ
    その悪魔をまだ誰も見ぬ。
    まだ夜は終わらない。
    もう夜は終わらせない。
    我らは泣き屋、此岸の劇団。

~劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語BD完全生産限定版ブックレットより

役割と能力

その役割は「泣き屋」である。泣き屋(泣き女)とは、東アジア地域を中心として世界各地に古来より存在する実在の職業(日本では廃れたが、中国や朝鮮半島には残っている)。葬儀などの際に遺族の代わりに(大げさに)泣きじゃくることで、場の雰囲気を強調する役目がある。また、悪霊祓や魂呼ばいの役割もあるとされる。劇場公開版の劇中で彼女たちがその役割を見せることはなかったが、漫画版及びBDの修正版では葬儀の参列者として泣く姿が確認できる。

Homulillyの使い魔には、ナイトメア(魔法少女まどか☆マギカ)、歯(LILIA)、虫歯の騎兵(LUISELOTTE)、キグルミ鳥(LIESE)、ブリキの兵隊(LOTTE)、などのバリエーションがあるが、その中でも偽街の子供達は魔女結界の内部を設営を行うなど、他の使い魔とは別格の存在である様子。

この他、物語後半のHomulillyの自殺を阻止しようとする円環組との戦いにおいても、兵士型の使い魔が手こずっているAnthonyの集団に少人数で突撃して、まるで特別仕様の機体が量産型の機体を相手に無双するような状態で多数を蹴散らしている。さらに、紹介文にある通り二人がかりではあるが、美樹さやかを突き飛ばすなど、高い戦闘力も持っているらしい。

とは言うものの、まどか☆マギカシリーズにおける使い魔たちの、主人の魔女が本当に欲しいものは持ってこない、無能または利己的であるため役目を果たせない、基本的に「役立たずな存在」という性質は、この偽街の子供達も例外ではない。主人のHomulillyは本心では自殺を望んでいないが、この使い魔たちは主人を無理やりギロチン台へ連れていく役目を担っている。また自殺を阻止しようとする円環組との戦いにおいても、偽街の子供達が蹴散らしたのは一部の相手だけで、指揮官的な存在である美樹さやかと百江なぎさにはダメージを与えておらず、ほとんど戦局には寄与していない(厳密には、美樹さやかには一撃を与えたのだが、さやかは特に傷を負った様子もなくケロリとしていて、指揮・戦闘には全く支障が無い様子であった)。言うなれば、「一部が個人的な武勲を挙げただけで、戦いそのものは完全敗北」な状態であり、主人を自殺させるという役目も果たせていない。

一方で、ノロマの解説文からするとデキソコナイな魔女の言うことも他の使い魔よりは聴き入れる様子である(他が石頭なだけかもしれないが)。何よりも彼女たちは結界の造営に際し、魔女に親しい人物の誘拐を行っている。そして、意図的に紛れ込んできたとはいえ、その中に魔女が真の意味で求めていたあの方がいた訳である。散々デキソコナイだの細切れにするだの散々こき下ろしているが、実はツンデレ型の忠臣なのかもしれない。

新世界での役割

映画本編では、他のくるみ割りの魔女の使い魔同様再改変後の世界でも存在が確認されている。悪魔の周りを走り回ったり、杏子に林檎をねだったりと相変わらず自由ではあるが、レイケツの説明文によると悪魔に対しては従順らしい。もっとも、主人に思いっきりトマトを投げつけているあたり、単に指示通りに動くだけの都合の良い存在でもない様子だが・・・。
ともかく、改変後の世界でも悪魔の手先として行動している様子で、今後続編があれば魔法少女たちとの対立展開は容易に想像できる。劇中で見せた、針らしき武器を用いて活躍する姿を期待しようではないか。 

使い魔か否か

劇場公開直後は、クレジットにおいて偽街の子供達と表記されるのみで、くるみ割りの魔女の使い魔であるという確定情報がなかった。このため、使い魔なのかそれ以外の外来の存在なのかという議論が起こった。
その後、魔女図鑑の配布によって使い魔であることは確定したが、今度はアイという15番目のドールズの存在が判明した。このアイは、劇中ではパッケージに入った人形として登場し、動く姿が全く描かれなかった。服はマユの塔で目覚めたほむら(通称喪服ほむら)と同一であり、更に悪魔となった際の「愛よ」というセリフから、このドールはほむら自身を表すという見方が強まった。実際、BDブックレットのアイの説明には悪魔であることが仄めかされており、アイ=ほむらであることは間違いないと言える。
すると、あらゆる負の感情や性格の名を冠した他のドールズについても違う見方ができる。ブックレットにおける彼女たちの説明は、その多くがこれまでのほむらの台詞の改変や、その言動に対する皮肉である。また、過剰なまでの魔女に対する侮蔑は、自己嫌悪に苛まれ続けてきたほむらの心境と合致する。更に、通常の使い魔とは異なり魔法少女と同等の力を持つことから、彼女たちは一種のほむらの分身のようなものではないかとも考えられている。この考察に関しては、それぞれが単純にほむらの感情(人格)を表すとか、繰り返したループにおける自分自身であるなど様々な説がある。

いずれにせよ、使い魔としては明らかに異質な存在である彼女たちは、 魔女やその後訪れる悪魔と深い関わりのある存在であることは確かである。彼女たちの実態が何であるかというのも、今後の続編の展開においては見逃せないところである。

二次創作における扱い

封切り直後は、クレジットの偽街の子供達という情報以外無いに等しかったが、トマト投げの様子などから自然とドSキャラとして扱われる様になった。サディズムの矛先は言うまでもなくほむらであり、ダークオーブさえも汚れそうな言葉責めを受けるというシチュエーションが見られた。
魔女図鑑配布によって使い魔であることが確定したが、この使い魔という設定からほむらの娘というネタも発生した。この場合はやんちゃな14姉妹を育てるシングルマザーとしての苦労話が軸となり、前述の言葉責めと相成ってヘタレ悪魔ネタに組み込まれる形となった。
そしてブックレットによって個性付けがなされた現在、彼女たちの個別の魅力についても掘り下げられることが期待される。また、BDにおいて1stTake版の悪魔ボイスが公開されたことにより、今までのヘタレネタを払拭したカリスマデビほむの描写も増えることが期待されるため、その"従順"な手下としての彼女たちの活躍も期待したい。

その他小ネタ

  • 女神像に柘榴を投げているシーンでは「Gott ist tot(God is dead:神は死んだ)」と言っている。これは哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェの著作「ツァラトゥストラはかく語りき」にて、語り手であるツァラトゥストラ(ゾロアスター)の冒頭の台詞として有名。この台詞自体はヨーロッパにおける信仰の形骸化を啓発する言葉とされるが、本作における意味合いはまた異なったものであろう。
  • 真名であるClara Dollsについては、新編のモチーフの一つであるチャイコフスキーの戯曲「くるみ割り人形」の主人公、クララが持つ人形を指すと思われる。この場合、くるみ割り人形とその指揮下にある兵隊人形がそれに当たると思われ、くるみ割り人形=くるみ割りの魔女=アイであることは想像できる。しかし一方、「白いネズミを追い立てる」「ブリキの兵隊」という解説文から、LotteやLuiseLotteが指揮下の兵隊人形を指すと思われる。すると、他の14人のドールズは一体何を指すのだろうか。また、この場合クララに当たるのは誰なのだろうか。

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関連項目

  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • 劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語
  • Homulilly(魔法少女まどか☆マギカ)
  • 暁美ほむら/喪服ほむら/悪魔ほむら
  • 使い魔(魔法少女まどか☆マギカ)
    • Anthony(魔法少女まどか☆マギカ)
    • ナイトメア(魔法少女まどか☆マギカ)
  • 魔法少女まどか☆マギカの関連項目一覧

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