刻命館 単語


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コクメイカン

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刻命館とは、1996年7月26日にテクモ株式会社から発売されたPS用シミュレーションゲームである。

本作の続編に「影牢~刻命館 真章~」「蒼魔灯」「影牢Ⅱ Dark illusion」があり、これらのシリーズを「刻命館シリーズ」「トラップシリーズ」と呼ぶことがある。

概要

ゲームプレイヤーは、さる理由から「刻命館」に眠る魔神の力を求める。しかしその途上力尽きかけてしまうが、力への渇望により刻命館へ導かれる。右曲左折の末元館の主であった男・アルデバランを殺し新館主になる。
館の住人アスタルテの誘惑の下、魔神を復活させるための「魔導器」を集めるべく、魔導器を求めにきた他の愚か者や館の主討伐に現れた勇者、一晩の宿を乞う商人や隣国の兵士などを「捕獲」または「殺害」し、魔神復活への捧げものとする・・・。

という、かなりダークなストーリーであり、実際やることは正義の味方やただの商人を狩る「人間狩り」である。
普通に応戦する来訪者に対し、プレイヤー自身は攻撃手段を一切持たないが、館に2か所ある「魔導ルーム」にて、MPを消費して屋敷内にトラップを仕掛けられる。その後、自らを囮に敵をトラップ位置までおびき寄せ、おもむろに起動させて相手を攻撃するのが基本スタイル。トラップには攻撃・妨害・捕獲の3種類があり、攻撃トラップ・妨害トラップで敵を弱らせてから捕獲トラップで来訪者を生きたまま捕え、それを魔神への捧げものにしてMPやWarlを手に入れ、それを元手に再び来訪者を狩る、というのが基本的な流れである。
なお捕虜にした人間はMP/Warlと引き換えに生かしたまま拘置することもでき、特定の職業の人間を合成して、下述のように直接相手を攻撃させる「モンスター」を作ることも可能である。
さらにゲーム中で得られる貨幣「ワール(Warl)」を用いて、館を好きなように増改築したり、トラップをより鬼畜なものに改良できたりする(銅の檻が電撃を発するようになったり、落とし穴が毒ガスを発したり・・・)。
特に屋敷拡張システムは後のシリーズにはなく、このゲーム独自のものであり、意外と楽しい(ベッドルームを並べて娼館風にしたり、廊下を小刻みに繋げて扉ばかり増やしたり、階段までの道を遠くして混乱させたり・・・)。

また、ストーリーモード中に現れる敵には簡単なプロフィールが設定されており、性格や刻命館に訪れた目的、置かれている立場などが分かるようになっている。そうして現れる、主人公を慕って刻命館に訪れた恋人を生かすか殺すか、その恋人を狙う暗殺者を一定時間内に殺害できるか、などの選択肢や行動によって、数種類のエンディングに分岐するマルチエンディングも存在する。ちなみにバッドエンドもちゃんと存在する。

モンスター合成

刻命館の象徴とも言えるシステム。特定の職能を持つ人間を捕獲し、合成することでゾンビやワーウルフ、レッドドラゴンなどのモンスターを合成し、使役することができる。
合成したモンスターは封龍石を消費して召喚することで侵入者を攻撃したり混乱させることが出来る。トラップを起動すること以外に、主人公から能動的に仕掛けられる攻撃手段である。

素材である人間が足りない時は、人間狩り(ストーリーミッションクリア後に任意で選択できるゲームパート)で近隣の町などから人間をおびき出し素材を補う。中には本編中は登場せず、人間狩り時にしか現れない職能も存在する。
ただし上述のように合成に使う人間は生かさず殺さず捕獲しなければならない上、生かしておく選択はトラップ設置費用などでもあるMPやWarlとの二択であるため、そう何人と拘置するわけにもいかず、事前に合成レシピを把握しておくことが不可欠である。

仮面

ゲーム序盤で手に入れることが出来る5つの仮面。侵入者をおびき寄せたり遠ざけたりする。ぶっちゃけ微妙。

助けを呼ぶ悲鳴 正義感の強いものを呼び寄せ、小心者を遠ざける
誘う笑い声 好奇心が強いものを呼び寄せ、用心深い者を遠ざける
当主のあざ笑い 当主を狙うものを呼び寄せ、当主に怯える者を遠ざける
断末魔の声 勇気ある者を呼び寄せ、勇気無き者を遠ざける
モンスターの声 力ある者を呼び寄せ、力無き者を遠ざける

伝説のセーブ・ロード

プレイヤーが陰湿な殺人者となるシナリオや、狭いエリア内でトラップを使用して敵を倒すという斬新なシステムと共に、このゲームの知名度を高めたのが、その長いセーブ、ロード時間である。初期状態でも1分強を必要とするだけでなく、館の拡張に併せ9~15ブロック(PS用メモリーカード容量は15ブロック)を使用するため、プレイヤーに“セーブ・ロードの長いゲーム”として強い印象を残した。
現在でも、その時間の長さはユーザー、元ユーザー間の共通の話題として十分に通用する。

続編

この続編として「影牢」「蒼魔灯」が存在する。だが、さすがに刻命館の陰湿かつ強烈な世界設定はまずかったらしく、続編以降の世界設定は比較的ライトである(その分鬼畜トラップが増えたが)。

また、刻命館に登場する元館の主「アルデバラン(マジン種)」とアスタロトの使い魔「イヴ(ピクシー種)」は、いずれも初代モンスターファームで特殊円盤石によって再生できる。

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