クレオパトラの鼻がもう少し低かったら世界は変わっていただろう。
ブレース・パスカル
反実仮想とは、思考実験の一つである。
自然科学と異なり、社会科学では対照実験を行うことができない。「Aを行った(Aだった)場合」と「Aを行わなかった(Aではなかった)場合」との結果の違いは推測に頼るしかない。あくまでもこの推測は不確実であるため、論争の火種となりやすい。特に論争になりやすいのが戦争の勝敗や大きな政治・経済・社会的決定である。
歴史において「もしも」は禁物だとされているが、物事の因果関係を推論する社会科学においては何らかの反実仮想は不可欠である。対照実験ほどの精度はないものの、当時の状況の精査によってある程度の推論を行うことも可能である。もちろん不確実性を受容し、「どうなっていたかわからない」とすることのほうがアカデミックな観点からはより誠実であるのかもしれない。
日常生活でも「後悔」という形で反実仮想が行われる。
ただし反実仮想が推論に有効でありうるのはその直後の出来事に対してである。10年後、100年後にはまったく波及効果によって予測不可能なほど歴史が変わっている可能性は高い。反実仮想は長期的な影響を推論するには不適切である。
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最終更新:2025/12/13(土) 01:00
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